日本人の貯蓄意識
インターネットリサーチ会社のマクロミルが「若者の生活意識調査 2008」「団塊世代の定年に関する調査」というアンケート調査結果を発表していました。日本の貯蓄額は700兆円あるといわれており、外資がその資金を狙っているとも言われています。また、同時に内需の低迷による景気低迷も叫ばれています。上記のアンケート結果から、若者と団塊世代の消費意識、貯蓄意識がよく分かるので紹介したいと思います。
■【若者】あなたは、1ヶ月あたり、どのくらい貯金していますか。

約8割の人が、毎月貯金をしているようです。しかもその内1割は毎月10万円以上(1年で120万円!!)の貯金をしているそうです。
その貯金の目的の上位5つは、次のようになっています。
1.いざというときのため(65.1%)
2.旅行資金(28.3%)
3.病気や事故の備え(27.1%)
4.老後の蓄え(23.4%)
5.貯金が楽しい、好きだから(22.3%)
2位の旅行資金以外は、明確な目的のための貯金ではなく、将来の「不安」に対してのいざというときの備えのための貯金のようです。
■【若者】今後(も)積極的にお金をかけたいものをお知らせください。(複数回答)

なんとここでもトップが貯金です。若者の消費意識はかなり低下しているようです。
■【団塊世代】定年後に「不安すること」であてはまるものをお知らせください。(いくつでも)

■【団塊世代】あなたにとって「退職金+預貯金」は、退職後の生活を送るにあたって安心できる額ですか、それとも不安を感じる額ですか。

定年後の不安のトップは、「経済的な不安」のようです。定年後に備えて貯金している人は多いですが、それでも多くの人が不安を感じているようです。
■【団塊世代】あなたは定年後も「働きたい」と思いますか。

なんと84.9%の人が定年後も働く意志があるようです。そのうち53.8%が、既に定年後の就職先が決まっているようです。団塊世代の退職によって、消費が増えて景気が上向くのでは?と言われていましたが、この結果では、そうはならないのではないのでしょうか。
若者と団塊世代、共に貯蓄に対する意識が高いようですが、両者に共通しているのは、将来への不安です。この不安が解消されない限り、今後も日本の貯蓄高は増えていきそうです。
「貯蓄が増える=消費が減る=景気減退」という構造にあると言われています。しかし、「貯蓄が増える=金融機関の投資資金が増える=金貸しが儲かる」とも言えるのではないでしょうか。昨年は、日興コーディアル証券がシティバンクに買収され、郵政民営化が行われました。今後もこの日本の貯金に外資が群がってくるのではないでしょうか。
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