2010-08-28

『‘70年貧困の消滅で、市場は縮小過程に入った —その1「日本は’70年に戦災と貧困を克服し豊かさを実現した」』

●サブプライムローンの破綻を契機に起きた「リーマンショック」=世界同時金融危機から早や2年、直後に米国は予算総額7,800億ドル(約72兆円)の緊急対策を講じ、その後飛び火したギリシャ財政危機対策で、EUはドイツの反対を押し切ってIMFの融資100億ユーロとあわせて、初年度の融資枠400億ユーロ(約5兆円)を用意した。
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日本では‘09年麻生内閣が緊急財政出動57兆円を発動した。
しかし‘10年の今日、先進各国のなりふり構わぬ財政出動による景気刺激策にもかかわらず市場は好転せず、基軸通貨ドルの価格はじりじりと安値(円高)を更新しつつあり、このまま続けばドルと米国債の信用失墜から暴落→市場経済秩序の崩壊→失業率急増・食糧危機→暴動発生→滅亡とい うシナリオが杞憂ではなくなる可能性があります。
しかしこのような資本主義市場の行き詰まりは今日明日急に始まったわけではなく、どこかで転換点があったはずです。世界で最も早く全国民的に貧困を脱した、と言われる日本を対象に、果たして何時頃から市場は拡大を停止したのか、その要因は何か?そして今後の展望はどこにあるのか?を11回シリーズで見ていきます
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第1回目は「戦災と貧困を克服し、豊かさが実現」という記事(’01年3月)を紹介します。(出典はるいネット)(画像は追加です)

日本の戦後史を政治・経済・社会・生活史の視点で緻密に押えていけば、1970年が極めて注目すべき内容をもつことに気づく。
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 医療と福祉の保証制度公害立法による産業規制が確立し、住宅戸数は全国では世帯数を上回り(全県で世帯数を超えたのは75年)、国民総生産が世界第2位につけた。

%E5%88%9D%E6%9C%9F%E3%81%AE%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%88%B6%E5%BA%A6.bmp(厚生省:高齢者に関する医療保険制度の歴史より)
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 (戦災と貧困を克服したといえる。  そしてこの時代から赤字国債による需要喚起が始められ、今日まで拡大し続け600兆を越えた。  

 
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◎貧困が克服されたというと、「いや、日本には若者の失業者が大勢いるし、ホームレスも沢山いる。貧困は無くなっていない」という反論を聞くことがあります。
しかし、下のグラフにあるように、日本の1人当りGDPは現在世界平均の3倍近くあり、米国、オランダに次いで世界3位の「豊かさ」です。
貧困かどうかは元々相対的なものですから、過去と較べて或いは他国と較べてどうかというモノサシで測ることになります。
同じグラフに拠れば、1970年に日本の1人当りGDPは既に世界平均の3倍を超えています。(40年前と現在の倍率が同じになったということが、日本の市場活力の衰弱の現れですが)
そういう意味では、戦後僅か25年で1億強の国民の大多数が電気とガスと水道を不自由なく使え、餓死することもなく暮していける状態は、貧困を脱した状態と言って間違っていないはずです。
ホームレスが糖尿病になったという噂は聞いても、餓死したというニュースは殆ど聞いたことがなく、児童虐待で幼子が餓死することのほうが深刻な問題と受け止めるべきでしょう。

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(中略)進学熱、出世競争、大企業志向は、豊かになりたい故の金儲けが動機でなければ成り立たない。そして毒気と狂気の沙汰の市場社会と都市が出来、70年から30年を経て更なる豊かさを求めつづけた果てに、国民も国家も活力を全面衰弱させるにいたったのである。
 「豊かになって何でも好きなものが手に入って」の欲求は、「仲間との信頼」や「仕事のやりがい」とは敵対し、「豊かな自然の心象風景」を消滅させるだけに止まらず、「オゾン層を破壊し地球を破壊する」。そして「例えば、熱帯雨林を破壊して共同体集落と暮らす人々を追い詰める」。

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◎「何でも比較 1970年と2000年 」リンク
◎豊かさと引き換えに日本が失ったものが沢山あります
○「とむ丸の夢 戦後の日本社会が失ったもの?」
リンク
○「戦後の日本が失ったもの①」リンク
○「戦後日本が失ったもの風景・人間・国家」リンク
○「1970年の営みから、21世紀の日本が見えてくる。」リンク

今、日本の民意はこれ以上の豊かさ(消費拡大)とソレを求めるために更に失うものとを、豊かさを実現して30年を経て、心の深いところではっきりと気づいたのである。都市と市場社会が輝きを失い、金儲けの動機・動因が宙に浮き、物欲に走る活力を失いつつあるのだと思う。(足るを知り、正気を取り戻しつつある。)
 何故ソレが必然なのか、明らかにしたい。 そのことが物欲(金儲け)や消費活力の衰弱原因だとする意見に私も同意します。  日本の現代史を詳細に押えなおすことに賛成したい。

◎現在私たちは有り余るほどの物財とサービスを手に入れることが出来るようになりました。
しかしその豊かさ実現の一方で4つの破壊(環境破壊は言うまでもなく、難病エイズ等の肉体破壊、頻発するおぞましい事件の背後にある精神破壊、そしてサブプライム〜リーマンショックに代表される経済破壊)が深く進行している。
 そしてまた市場拡大の停止は若者達の行動にも現れている(リンク、若者における「遊び」と「消費」の失速)
次回以降このシリーズでは、このように市場が拡大を停止した原因と、「豊かさ追求」に変わる「活力」とはどんなものが考えられるのか、その追求を期待します。

List    投稿者 ryujin | 2010-08-28 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?3 Comments » 

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コメント3件

 まめもち | 2011.06.09 9:01

 ここの所、とんでも話が続き食傷気味なので苦言を
ミサイル戦がピンポイントで起きる可能性はゼウスとマルスが戦う位のことをしないと起こらないでしょうね
 事ほど左様にこの御巣鷹山の件はフィクションですらあり得ない訳です 門外漢と言えどもこれは頂けない
 このブログを楽しみにしている者として残念です

 SABIO | 2011.06.09 20:50

いつも興味深く読ませていただいています。今回のテーマは非常に重要だと思います。オレンジ色の飛行物体とかの噂もありますが、結局アメリカ軍に撃ち落とされたというのが実情でしょう。日本の最大の敵はユダヤが支配しているアメリカです。今後とも有益な記事をお願いします。

 s.tanaka | 2011.06.15 1:53

>まめもち様
コメントありがとうございます。
ブログでは破片をどの地点で収集したのか明確に記述されておらず、墜落現場直近に全部落ちていたような印象を受けますね。
それだと確かに不自然ですが、かなり広範囲から集めたようなニュアンスの部分も見受けられます。
全体としては注目に値する内容の多いブログだと思いますので、しばらくお付き合いください。
m(_”_)m
>SABIO様
コメントありがとうございます。
撃ち落したのは米軍の可能性が高そうですが、山崎豊子の「沈まぬ太陽」にもあるように、JALや日本政府も隠蔽しなければならない秘密を持っていたようですね。
米軍関与の隠蔽を強制されたのか?
このブログは、日本側にももっと深い闇があると考えているようです。