2011-08-16

盆前なんでや劇場 緊急レポート【その2】 企業の共同体化、農(漁)村共同体の建設

盆前劇場会議レポート第2弾です。
前回は、潮流予測1・2を取り上げてこれからの経済・社会のマクロな動向を俯瞰しました。
今回は、潮流予測3・4を見ながら、次代の共認社会の建設に向けた課題と向かうべき方向についてレポートします。
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ありがとうございます。
それでは、「潮流予測3」から見ていきます。
■潮流予測3

順序としては中央銀行廃止の次となるが、共認社会を実現する上で、最も重要になるのは、私権企業の共同体化と、社会統合を担う担当の交代担当制である。
企業を共同体に転換させるのは、さほど難しいことではない。
まず第一に、資本金(簿価)の2倍程度の国家紙幣を各企業に支給し、各企業がそれを各社員に新株として支給する(その場合、社長etcへの配給上限を、社員平均の10倍以下とする)。こうすれば、社員が株主総会の議決権の過半を握ることができる
次に、会社のあらゆる情報を社内ネットに公開すると共に、その社内ネットを会社の共認形成の中枢機構とする必要がある。
共同体として先行する類グループの場合、この社内ネットが最大の共認形成の場になっているだけではなく、最大の活力生成の場になっている。企業の共同体化の鍵は、社内ネットの活性化にかかっているといっても過言ではない。
従って、社内ネットを活性化させるために、(少なくとも過渡期は)「毎日1時間は社内ネットを読む時間を確保すること」etcを法制化した方がよいかもしれない。
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類グループの劇場会議の様子(画像はこちらからお借りしました)
次に、なんとしても断行する必要があるのは、社会統合の交代担当制である。
なぜそれが不可欠になるのか?
本来、統合機関は、個々の集団を超えた、超集団的な地平に存在するものである。
ところが省庁や大学やマスコミという組織は、単なる一集団に過ぎない。ところが集団というものは、必ず自集団の利益第一に収束するものであって、集団を超えた社会統合を担う機関が、単なる集団に過ぎないようでは話にならない。集団を超えた社会統合機関には、それにふさわしい体制が必要である。現在、社会統合の課題を担っているのは官僚(司法を含む)をはじめ学者やマスコミだが、彼らはエリート意識に凝り固まった私権主義者であるだけではなく、信じられないくらい無能化しているので、民間企業の人材と入れ替えた方が、はるかに上手くいくだろう。
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NHKスペシャル「862兆円 借金はこうして膨らんだ」より(画像はこちらからお借りしました。)
しかし、民間から出向した者が、そのまま居ついたのでは、官僚体質に染まり、同じように無能化してしまう。従って、統合3年・民間3年ぐらいで交代する参勤交代制が良いだろう。民間3年後、優秀なら統合機関に再任される。つまり、連続3年以上の統合機関勤務を禁じるわけである。
そうすれば、親方日の丸の官僚主義に陥ることもなくなり、民間≒庶民の暮らしぶりも分かっているので、統合機関に出向しても現在より遥かにましな案を生み出せるだろう。
とりあえず、毎年2割ぐらいずつ上から順に入れ替えていけば、5年で一巡し、それ以降は、旧勢力1:新勢力2くらいの比率で統合課題を担ってゆくことになる。
この交代担当制を実現するためには、各省庁や県・市・町庁や、各大学や各マスコミに常駐して担当者を選考する人事委員会が決定的な役割を果たすことになる。おそらく、人事委員だけでも、十万人は必要になるだろう。それは当然、これから共認社会を実現してゆく新勢力に結集した人々によって担われることになる。
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(画像はこちらからお借りしました。)
※この交代制に対しては、分業による効率化という反論が予想される。しかし、分業による効率化が有効なのはせいぜい5年くらいで、後は惰性でやっているような者が多い。従って、優秀な者なら3年勤務1回でほぼ吸収できるし、特に優秀でなくても3年勤務を2回やれば習熟できる。
それに、何より効率を重視する民間企業でも、3〜5年ごとの配置転換はざらに行われている。
更に言えば、そもそもここまで無能化した統合機関は、はじめから分業効率論の成立範囲外にある。
また、諸悪の根源である受験制度も抜本的に改める必要がある。
最も深刻なのは中学受験で、現在の難関中学は、小2〜3年生の頃から勉強漬けの生活を送らなければ合格できなくなってしまっている。
その結果、エリート意識ばかり強く、そのくせ勉強しか出来ない無能な子供たちが大量生産されてゆく。旧勢力の無能化は、既にこの年代から始まっている。従って、とりあえず応急措置として、旧帝大や医学部の入試では、難関中学出身者の偏差値を10ポイント下げるとか、あるいはクラブ活動etc五教科以外の内申点を基準にして内申点3:試験点2に切り換えるetcの策が必要だろう。

●潮流予測3では、「企業の共同体化」と「社会統合機関の交代制」という2つの課題が提示されました。
前者については、社員に株主総会の過半の議決権が与えられるようにすれば解決できそうです。
後者については、私権社会5,000年の歴史を通じて、官僚・学者・マスコミなどが社会統合の中枢を占めるようになっていますが、集団を超えた位置にあるべき社会統合機関が、それぞれ単一集団のままであるという根本的な矛盾をはらんでいます。また、いずれの国でも試験制度で選抜される仕組みのために、現実から遊離した、人材の無能化が大きな問題となっています。
その壁を突破するために、担当交代制と教育体制・試験制度の変革が必要になります。
■潮流予測4

最後に、最も時間のかかる課題として、農村共同体の建設がある。
これは、単なる農の振興策にとどまるものではなく、「教育をどうする?」というもっと大きな問題に応える必要があるためである。
市場拡大によって、生殖と生産という二大課題が分断され、生産活動を失った密室家庭は、教育機能をほぼ全面的に喪失してしまった。その結果、勉強しか出来ない子や、周りとの関係が作れない子や、引きこもりetc、精神破壊が深く進行中である。
どうするかだが、もともと子供たちの健全な心を育むには、自然に触れる作業が最も適している。従って、農漁業を手伝いながら学ぶ体制を作ればいい。そのためには、農漁村に全寮制の幼・小・中・高校を作り、5才以上の子どもを密室家庭から引き離す必要がある。
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全寮制中等教育学校(画像はこちらからお借りしました)
それは親に対しても、「自分の子ども」という私有意識からの脱却を図ってもらう試みとなる。
従って、手順としては、まず高校から始め、中学・小学・幼稚園の順で進めてゆくこととなる。
農漁村にこれら全寮制の学校を建設し終わるには15年くらいかかるが、特に当初5年間は、大幅に落ち込んだ需要を刺激するカンフル剤としての効果も、大いに期待できる。
それと平行して、農(漁)村への人口移動と農(漁)村共同体の建設を進める必要がある。
はじめの5年間は、統合機関の交代担当制によって生じる学者や官僚や公務員(教師を含む)やマスコミの社員、あるいは仕事が半減する金融機関の社員たちを再教育して、農(漁)村共同体の建設にあたってもらう(もちろん農作業をしながら)のが良いだろう。
さらに最終的には、民間企業の半数を農(漁)村の近くの適地に移し、全ての国民が農村共同体を拠点として農共3年・企業3年ぐらいで交代担当する体制を目指す。
労働人口は、農(漁)業が10%として、建設業の7割、運輸販売業の6割、製造業・金融業・その他の4割を、農(漁)村近くに移せば、農村:都市の労働人口は5:5ぐらいになる。
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農業共同体の事例(画像はこちらからお借りしました。)
なお、将来は、全ての工業製品の耐用年数を2〜3倍に上昇させる(例えば、耐用年数に応じて売り上げ税率に大きな差をつける)ことによって、物の生産・運送・販売およびそれに付帯する金融その他のサービスに要する労働時間は、1/2〜1/3に圧縮される。もちろん、必要資源量もゴミの量も半分以下となる。従って、食糧も含めて物的生産に必要な国民の労働時間は5時間程度に縮小する。
ここで、仮に農共と企業との交代担当制において、企業では従来どおり8時間働くとすれば、農村共同体での労働時間はわずか2時間となる。いったい、残りの時間は何をするのか?
これは、まったく新しいスタイルの生活が始まるということであり、大胆な頭の切り替えが必要になる。
実現論では、共認圧力に基づく評価競争の社会になると予測されているが、おそらく余裕時間は、「集団をどうする?社会をどうする?」という統合課題をはじめとする、さまざまな未明課題を追求する時間となり、次の共認時代は頭脳進化の時代になると期待したい。
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類グループのネットサロンの様子(画像はこちらからお借りしました)

●潮流予測4での中心課題は農村共同体の建設です。
人類は原始以来共同体の中で生存し、私権社会になってからも大半の人々は農村共同体の中で生きてきました。そこでは、子どもの教育が破綻することはありませんでした。
近代市場社会になって以降、生殖と生産が分離し、家庭に生産圧力がなくなってから教育機能を喪失してしまいました。人間関係がつくれない子どもが多発するようになり、環境破壊と並んで精神破壊が重大事になってきました。
近代市場社会の破綻を経て登場する共認社会では、農村共同体を拠点に、自然にふれ、生産課題にふれあいながら学ぶことが子どもたちを育成する最も適した仕組みとなります。
また、次代の教育体制の最上位に位置する研究機関では、基礎研究や未明課題などの追求が行われ、そこでも長老的な存在から学ぶ(教育)機会があるものと考えられます。
なお、農村共同体を核にした共認社会においても、社会統合の課題があるため、自治体庁舎などの所在地に人が集まり、現在よりも規模は小さくなりながらも都市は存続することになります。
次代に向けた潮流予測は、今回でいったん終了です。
次回は、ここまでの潮流予測を踏まえて、これからの行動方針について追求します。

List    投稿者 wyama | 2011-08-16 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?5 Comments » 

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コメント5件

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はじめまして。突然のコメント。失礼しました。

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