2009-04-15

食料自立への道を探る1.プロローグ、視点とテーマ展開

 2008年秋から始まった、世界大不況の中で、農業部門への注目が格段に高まりました。
 また、先進国の金貸しが強引な資金引き上げを行うことで、外貨準備の枯渇、食糧輸入の途絶により、飢餓に直面する貧困国が拡大しています。 
 
 一方、以下に見るように、日本では、食料国産への意識が極限まで高まっています。 
 
 内閣府の世論調査では、昨年9月段階で、食料国産志向の比率は、94%まで上昇しています。昨年前半には、小麦、とうもろこし、コメの国際価格が数倍にも値上がりしました。そして、パン・麺類の値上がりを経験した結果、輸入穀物への依存に対する危機意識が高まり、国産志向が9割を超えたのです。 
 
jikyuuisiki.bmp 
 
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視点1:国家対市場、食料・農業はどこまで国家原理で運営されているか 
 
 日本では、食料国産意識は9割まで高まっていますが、一方で、カロリー自給率40%、穀物の輸入依存度7割という厳然たる事実があります。これは、国家意識(国家の有り様として考える意識)と市場原理による現実という対比とも読めます。 
 
 世界の諸国では、農業・食料部門に対し、保護・育成政策をとっています。つまり、農業・食料部門は、市場原理と国家意志との攻め合いの中で運営されています。日本もコメ政策を中心に、市場原理と国家意志との攻め合いが今も続いています。 
 
 主要国、主要地域の農業・食料部門を、「国家対市場」という軸で、分析を進めていきます。 
 
視点2:日本の農業・食料、市場原理はどこまで組み込まれているのか 
 
 日本の食料自立への道を探る上で、「市場原理」がどのように組み込まれているのかを歴史的に分析していきます。
 鎖国下の江戸時代はどうだったか?三大飢饉も発生しているが、どのように食料自給を達成していたのか?
 開国明治以降はどうだったか。食料自給を維持しながら富国強兵を進めたのか。
 米国の過剰農産物の影響下に置かれた、戦後から現在までをどのように見るのか。 
 
視点3:食糧自立への展望 
 
 国家意識(国産志向9割)によって、市場原理(自給率40%)をどうのように制御していけるのか。その具体策は何か。その可能性を探って行きます。 
 
 
次は、大まかなテーマ展開の予定です。 
 
国家対市場、世界編 
 
 ・世界の飢餓地図を、市場原理から読み解く
 ・国家資本主義のもと、食糧輸出力まで復興させたロシア
 ・国家安定の要、農村・農業政策を重視しだした中国
 ・新エネルギー・バイオエタノールが混迷しだした米国
 ・工業国と農業国の矛盾を止揚できないEU農業政策
 ・国家が市場原理を全面的に制御しだした南米諸国
 ・深刻な水問題を抱え、どこへ行き着くのかインド
 
国家対市場、日本編
 
 ・飢餓時に顕在化した、社会秩序意識(藩政努力)、江戸期の基本構造
 ・開国明治、富国強兵と食糧自給は両立していたか
 ・外米で米自給達成、しかし、荒々しい市場原理の時代、大正米騒動
 ・戦時下の国家統制、米穀管理制度の導入
 ・まずは食糧確保、戦後のコメ、農産物の大増産運動
 ・あり余る米が倉庫にあふれる、減反政策への転換
 ・コメ離れ、肉賞賛、グルメ志向の陰で、進行した市場原理・輸入依存
 ・食糧危機、価格高騰が突きつけた市場原理の限界 
 
食糧自立への展望 
 
 ・食糧自給意識の現在はどうなっているのか
 ・食糧危機意識が見出す、暫定的な行動指針
 ・食糧自立へ向けた道程を考える 
 
途中で、合体したり、枝分かれしたりするとは思いますが、スタートしていきたいと思います。 
 

List    投稿者 katuko | 2009-04-15 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?10 Comments » 

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コメント10件

 mukai | 2009.10.11 22:26

>現在の主流経済学である新古典派の市場モデルでは、他人に
 かかわりなく自己利益(自己の効用)の最大化を追求して行け
 ばいけば、市場メカニズムはあたかも自動調整装置のように
 働いて資源配分の最適化を達成できるとしている。
そもそもこの前提条件が間違っているのではないかと思います。
我々が行っているビジネスの局面を考えてみて、もまず相手に
とって必要なものかどうかを考えます。
また商談が成立するかどうかも組織や担当者との『信認関係』に
よるところが大きいと思います。
  
その意味で『信認関係』を重要視していない「経済学」は片手落
ちで間違っていると言えそうです。
 

 匿名 | 2009.10.12 22:56

ファンドの人たちには、「負けても自分の金じゃない。職は失っても、自己資産までは失わない。」という無責任さがあったのでは?
旨みも痛みも、ともに当事者が背負うシステムならば、市場原理は正常に機能すると思います。

 緑一色 | 2009.10.13 1:54

引用文中の「高度な価値判断」とは、『統合』のことを指しているように思います。
科学技術などに顕著ですが、技術を高度化するには専門分化した方が、より深く追求していくことができます。しかし専門分化するだけでは不十分で、専門分化によって得た様々な認識群を再統合しなければ、普遍的な技術(認識)として使い物になりません。
ここで言っている「専門家」の認識とは、対象をとことん分化し、現実には存在しない極めて限定されたある特殊な条件下においてのみ成立する「特殊限定事実」を、あたかも普遍的に成立する事実であるかのように摩り替える騙しです。
よって『本当の事実』とはかけ離れた使い物にならないものであり、もちろん現実の問題に対する答えを出す(=統合する)ことなどできる訳がないのだと思う。

 kato | 2009.10.13 22:17

>いずれにしてもほとんどの経済書が、経済力が強くなることが無条件に前提になっている。このような暗黙の前提を疑うことはきわめて難しい。例えば生産効率を高めることは「望ましくない」とはよっぽどのこがないといえない。経済成長は高い方がいい、という命題を否定するのも容易ではない。
 バブル崩壊、金融破綻を経て、上記の前提を疑う動きだ出始めているように思います。代表的なのは「GDP信仰」への疑いです。
・経済危機で変わる?GDP信仰(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=215200)
・GDPが多いほど無駄使いをしている国(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=169434)
・『国民総幸福量』というブータンの試み(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=87760)
 
 こうした流れは次第に前提としての「近代思想」そのものに対する疑いに繋がっていくのではないでしょうか。

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