2009-05-01

鎖国の可能性を探る!-12 新エネルギーどう向き合う?

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前回までのエネルギー自給シリーズでは、エネルギー自給の実現可能性の探索から輸出製品に掛かるエネルギーを削減しかつ無駄なエネルギー消費を切り詰めて、生産部門や流通部門及び民生部門に消費されるエネルギーを年間9,000PJ(ペタジュール)に切り詰める試算を行いました。
そして、これまで石油などの輸入に頼っていたエネルギーも、風力や太陽光に代わって自給の可能性について試算してみました。
技術的には、太陽光発電エネルギーだけでも年間7,200PJの供給が可能であると試算し、ほぼ消費するエネルギーを賄うだけの自給が可能と言う結論に至りました。
そして、既に国内では、CO2削減地球温暖化防止対策も後押しし、国の補助を受けて石油代替エネルギーの供給が推し進められようとしています。
各地方自治体では、電力会社と民間企業と提携し国の補助を受けて太陽光発電による
『メガソーラー発電計画』
が動き始めているのです。
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メガソーラー発電導入計画

そのような中、日本の電力会社自らが率先してメガソーラーを導入しようとする動きが始まった。電気事業連合会(電事連)は、本年9月に「2020年度までに電力10社合計で約30地点・14万kW(=140MW)を導入」という『メガソーラー発電導入計画』を発表した。各電力会社からも関西電力(堺市に約2.8万kW(一部はシャープと共同))、東京電力(川崎市と共同、約2万kW)など発表が相次いでいる。北海道電力も稚内市と共同で0.5万kWのメガソーラープロジェクトを手がけている(NEDO実証事業)。リンク

各自治体のメガソーラー発電計画の動き

川崎市と東京電力は2008年10月20日、同市川崎区の浮島と扇島に、総出力約2万kWの“メガソーラー”太陽光発電所を建設する計画を発表した。同市が一部の土地を提供。東京電力は発電所の建設と運転を行う。2009年度に着工、2011年度の運転開始を目指す。
2つの太陽光発電所を建設する。川崎市が所有する浮島1期廃棄物埋立処分地の「浮島太陽光発電所(仮称)」は出力約7000kWで、約10ha分の太陽光パネルを設置。東京電力が所有する扇島の「扇島太陽光発電所(仮称)」は出力約1万3000kWで、約20haの太陽光パネルを設置する。
両発電所の合計出力約2万kWは太陽光発電所としては国内最大級。年間発電電力量は約2100万kWhで、一般家庭約5900軒分の年間使用電力量に相当する。CO2排出量削減効果は年間約8900tとなる見込みという。 リンク

東京電力と山梨県は、山梨県甲府市米倉山で、出力約1万kWの太陽光発電所を建設するメガソーラー発電計画を共同で進めていくことで合意した。
計画は、2011年度から一部運転開始を目指し、山梨県と東京電力が共同で進めていくもの。県は、太陽光発電所の土地の提供をはじめ、計画を通じた太陽光発電をPRする施設を設けて普及・啓発活動を推進する。東京電力は、米倉山に出力約1万kWの太陽光発電所を建設・運転する。
 今回の計画による出力約1万kWの太陽光発電所から得られる年間の発電電力量は一般家庭約3400軒分の年間使用電力量に相当する約1200万kWhを見込んでいる。CO2排出量の削減効果は年間約5100トンで、一般家庭約1000軒分の年間CO2排出量に相当する。リンク

堺市、関西電力株式会社(以下、関西電力)、ならびにシャープ株式会社(以下、シャープ)は本日、大阪府堺市臨海部におけるメガソーラー発電計画を共同で推進することに合意しました。
本計画では、以下の2箇所のメガソーラー発電を予定しております。
①「堺第7−3区太陽光発電所(仮称)」  [発電出力:約10MW(約1.0万kW)]
②「堺コンビナート太陽光発電施設(仮称)」[発電出力:最大約18MW(約1.8万kW)、当初約9MW(約0.9万kW)]リンク

当社(四国電力)は、地球温暖化などの環境問題を経営の重要課題として捉え、CO2排出削減に向けて、原子力の安全・安定運転の継続やLNG導入といった設備面での対策や負荷平準化・省エネルギーの推進といった需要面での取り組み、さらには風力・太陽光ほかの新エネルギーの活用など、あらゆる対策に取り組んでおります。
 その一環として、当社は、これまで松山発電所跡地の一部を活用し、運用してきた松山太陽光発電所(出力300kW)を増設し、四国で初めてとなる出力1,000kW以上のメガソーラー発電所を導入することといたしました。リンク

中国電力は、2020年度までに中国地方で初となる大規模太陽光発電設備(メガソーラー)を建設する。敷地の総面積はマツダスタジアム(新広島市民球場)のグラウンド16個分に相当する。中電は既存の発電を補完するクリーンエネルギーの実用化に力を入れる。
 計画では、約20万平方メートルの敷地に太陽光パネルを敷き詰める。日照量が多い瀬戸内海沿岸を中心に同社の所有地数カ所が候補に上っており、大野研修所跡地(廿日市市)などを検討中とみられる。リンク

東北電力は26日、自社の八戸火力発電所(八戸市河原木)敷地内に出力約1500キロワット、年間発電量約160万キロワットアワーのメガソーラー(大規模太陽光発電設備)を建設すると発表した。2010年度着工、12年度運転開始を目指す。
メガソーラーは1施設当たりの発電量が1000キロワット級。同社は八戸の発電設備建設に伴う推定効果として、一般家庭約500世帯分の年間電力量をまかなえるほか、年間約800トンの二酸化炭素削減効果を見込んでいる。
 電気事業連合会は20年度までに全国30カ所で計14万キロワットのメガソーラー整備を目指しており、県も東北電力に誘致への働き掛けを行っていた。県内の既設太陽光発電設備では、八戸市内にある設備の出力約100キロワットが現在最高となっている。
 三村申吾知事はメガソーラー建設について「県民の太陽エネルギー利用機器導入への機運と関心が一層高まると期待する」とのコメントを発表した。リンク

当社(九州電力)は、地球環境問題への対応、国産エネルギー活用の観点から、風力・ 太陽光・水力・地熱など再生可能エネルギーの開発、導入拡大を進めています。
 この度、当社初となるメガソーラー(大規模太陽光発電システム)を福岡県大牟田市の港発電所跡地に開発することといたしました。開発規模は3,000kWで、九州最大の太陽光発電となります。
 太陽光発電は原子力発電や水力発電と同様、発電を行う過程でCO2を排出しないため、メガソーラー3,000kWによるCO2排出抑制効果は、年間約1,300トンになる見込みです。
 当社は、今後も再生可能エネルギーの開発、並びに新エネルギーからの電力購入及び九州グリーン電力基金への協力などを通じ、低炭素社会の実現に努めてまいります。リンク

既に、国内では石油エネルギーに代わって太陽光エネルギーの大量導入が始まっているのです。
しかし、こうしたエネルギー供給は、単に化石燃料から太陽光に変わっただけで、安定した供給量だけが取り上げられていて、供給のあり方や消費のあり方については何も触れられていません。
今まで通り市場原理のままで何も変わってないことになります。
この太陽光エネルギーは、供給不安定なエネルギーであり天候にも左右されるし、夜間の供給に至ってはゼロとなります。
従って、安定的な供給を実現する為には、高価な蓄電設備の併設が余儀なくされます。
そして、現在供給者側の対応はと言うと環境のみを売り物にして料金体系等は変わっていないことが伺えます。電力会社の料金体系を見ると明らかです。
①大口使用客に対して料金が安い。
②昼間の電気料金より深夜の電気料金が安い。

問題は、大量生産大量消費を前提としたままであることです。

●深夜電力
電力消費の少ない深夜から朝にかけての電気を使用するため、料金が割安になる契約です。ご使用の機器(電気温水器など)の種類により契約が異なります。
●おトクなナイト
「夜がトクい」だったり、「夜間蓄熱式機器を使用している」お客さまにおすすめのメニューで、電気の使い方の工夫により、夜間の電気ご使用量の割合を高くしていただくほど、電気料金がおトクになります。
電力量料金単価の割安な夜間時間を、「おトクなナイト8」では8時間、「おトクなナイト10」では10時間に設定しています。お客さまのライフスタイルなど電気のご使用状況にあわせ、より適したメニューをお選びいただけます。
リンク

夜間の電気料金を安くすることで、大口の客となる工場や商業施設では、大変おトクとなる訳です。深夜電力を安く供給することで大型発電設備や蓄電設備の正当化を図っているのです。
これでは、無駄なエネルギーが作られそして無駄なエネルギーが消費される事になります。
■安定型供給体系から自然変動型供給体系への転換
太陽光は、自然のエネルギー源で消滅しない限り無限に存在します。
晴れた日の昼間は、比較的安定的に供給出来ます。
しかし、曇りの日や雨の日は効率が落ちてしまいます。
又、夜間の供給に至っては、ゼロです。
小学生にも分かりますね。
市場化=安定供給の為には、莫大な蓄電設備を必要とします。

ひとつの案として、使わなければ使わないほど評価される、すなわち単価が安くなっていく、というシステムが有効ではないか、と考えます。
同時に、早朝の電力は安く、昼→夜間になるにつれて高くなるように料金体系を設定しなおします。
るいネット

昼間の電気料金を安く設定し、夜間蓄電設備を必要とする電気料金を高く設定すれば、無駄なエネルギー消費を抑制する働きになりますし、過剰な供給も抑制される様になります。
こうして過剰生産と過剰消費の市場原理の社会から、必要か否かの判断の上に立った共認原理の社会へと転換できるのではないかと思います。
そして、自然に身をゆだねた生活リズムが、回復されていくものと思われます。

List    投稿者 nakamura | 2009-05-01 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?3 Comments » 

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コメント3件

 経済問題研究所 〜508号調査室〜 | 2009.10.30 18:13

10月まとめ

今月も当ブログをごらん頂き、ありがとうございました。

 おやじ | 2009.10.31 20:23

知的所有権については、もう何年も前からサブマリン特許などとして、恐れられていましたね。
確か、東芝のラップトップPCなどで900億円程度の支払いが命じられたなどという話もあったように思います。
ただ、米中は知的所有権に関しては両国間で争っているようにもみえますが、対日というスタンスでは両国とも(日本にとって)脅威なんですね。
また、原子力発電所推進については、米国のウラン事業のほか、Co2温暖化主因説をも世界共認させる背景にもなっています。
知れば知るほど、国際政治は全く気が抜けない世界です!!

 goqu | 2009.11.01 11:19

>おやじさん
コメントありがとうございます。
>知れば知るほど、国際政治は全く気が抜けない世界です!!
そうですよね。かつての情報戦に加え、マスコミを使った大衆共認の誘導操作が入り、益々見えにくくなっています。それを切開するのは「なんで?」思考。なんで?アメリカはそうするのか?なんで?でこれからも事実を探索していきましょう♪

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