新党ブームが起こっているのは何で?(1)
今、日本国内で新党ブームの風が巻き起こっている。普天間基地問題や検察審査会による小沢幹事長の「起訴相当」判断などで鳩山民主党政権が揺れ動く中、次々と新党が誕生してくるこの動きは一体何を意味しているのか?7月の参議院選挙との関係は?
今回は、現在の新党ブームの動きを2回にわたって扱ってみたい。
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●これまでの新党設立の動き
今年、といってもこの4月以降、新党が雨後の筍のように次々と結成された。どのような党が、どのようなメンバー構成で誕生したのだろう?
4月10日 「立ち上がれ日本」結成
与謝野馨(元自民党財務相)、平沼赳夫(元自民党経産相)、
園田博之(元自民党幹事長代理)、藤井孝雄(元自民党運輸相)、
中川義雄(元自民党内閣府副大臣・中川昭一の叔父)
与謝野馨
4月18日 「日本創新党」結成
山田宏(現杉並区長)、中田宏(前横浜市長)、斎藤弘(前山形県知事)など47人
山田宏
4月19日 「大阪維新の会(橋下新党)」結成
橋下徹(現大阪府知事)ほか大阪府議員24名
橋下徹
4月23日 「新党改革」結成
桝添要一(元自民党厚労相)ほか5名(元改革クラブ)
桝添要一
4月26日 「減税日本」結成
河村たかし(現名古屋市長)
河村たかし
5月 1日 「国を変える首長の会」結成
山中光茂(現松坂市長)ほか10数名
なんと、先月だけで5つ、今月も1つの政治団体が設立されている。この動きは大きく2つに分けることができる。一つは、現在の国会を構成する政党から分離して新たな政党を立ち上げる動きで、これが「立ち上がれ日本」と「新党改革」の2つだ。
もう一つは、この2つ以外の動きで、国政における政党要件を満たさない政治団体として、地方の首長らを中心にして結成されている。
●自民党解体か?第3極になりうるか?
国政における新党である「立ち上がれ日本」と「新党改革」は、いずれも自民党から離党組だ。麻生政権時代の財務相・与謝野馨などの「立ち上がれ日本」は、自民党の重鎮たちの集まりだ。「新党改革」の桝添は、最近の新聞による世論調査では「次の総理大臣にふさわしい人物」第1位であり、自民党には大きな痛手の筈だ。
彼らの自民離脱と新党設立の趣旨はほぼ共通していて、「今の自民では参院選に勝てない。民主も国民から信用されていない。だから自・民以外の第3極が必要」というもの。与謝野らは「それが自民党のためにもなる」と言い、完全に自民党と袂を別ったわけではない。一方、桝添は自民執行部への批判を繰り返し、除名処分を受けて単独飛び出して、参議院の改革クラブのトップに収まった。
現在の参議院(定数242)の議席構成は、民主116、自民72、公明21、共産7、社民5、国民新6、みんな1、新党改革6、立ち上がれ2、新党日本1、沖縄1となっている。選挙結果と連立によっては野党が過半数を超え、昨年とは逆の「ねじれ」を起こすことができる数だ。
果たして、彼らの狙う「第3極」は奏功し、民主党政権は窮地に追い込まれていくのか?それともこれは、自民党の本格的な瓦解、そして消滅過程に過ぎないのか?
●第4極?地方からの政党結成が意味するものは?
今回の新党ブームにおいて際立って特徴的なのは、地方公共団体からの政党結成だ。民主党への政権交代後、橋下や東国原など地方のタレント首長の存在が目立ってきた。最近では、鹿児島の阿久根市長や名古屋の河村たかしの動きがメディアを賑わせているが、ここに来て、彼ら地方首長は横の連携を強めてきたように見える。
そして、この4月に一斉に各地から政治団体が設立された。これは偶然とは思えず、彼ら地方首長連合は、何らかの狙いを持って足並みを揃えて動いているように見える。
この、地方発の政党設立は何を意味しているのか?次回、彼らの言動などから、この現象の意味するものはなにか?そして、今後どうなっていくのかを探ってみたい。
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wholesale bags | 2014.02.10 13:56
金貸しは、国家を相手に金を貸す | 【シリーズ:新しい認識だけが、現実を変えていく】(11)〜最終回〜