2009-07-11

Mgエネルギー:太陽光励起レーザーの可能性


■太陽光励起レーザー装置
※写真は、ECOマネジメントからお借りしました。
前前回の『新エネルギー:マグネシウム(Mg)の可能性を探る!』では、海水から取り出されるマグネシウムは、何時でも何処でも得られるエネルギー源であるが故に、それまでの石油や石炭と違って、市場化しにくい構造であることを紹介しました。
前回の『>“夢”か“悪夢”かマグネシウム・エネルギー社会』では、今後深刻化する環境問題やエネルギー問題から、新エネルギー:マグネシウムを使った自動車等の開発や今後の動向を見据え、その需要は将来的にも期待されていることが分かりました。
そして、何よりも新エネルギー:マグネシウムの可能性は、大衆にとっては「夢のエネルギー源」であり、市場を操る金貸しにとっては、「悪夢の存在」であることが分かりました。
これは、独自の国の中で枯渇することのない循環型エネルギーの実現でもあり、世界の金貸したちや国家による市場独占や支配する事が出来ないことでもあります。言わば市場化できないという構造であり、そこに新たな可能性をみることが出来ました。
今回は、海水からどうやってマグネシウムだけを取り出すのか?その技術と生産プロセス上からも市場化の影響を受けるのか否かの検証を行ってみたいと思います。
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■酸化マグネシウムMgOの、還元分離
海中に含まれる酸化マグネシウムは、比較的安定した物質で酸素とマグネシウムが強固に結び付いた物質です。自然界では、分離することは不可能です。
強固に繋がっているものを無理やりにはがすためには、ものすごいエネルギー=温度が必要となります。その時に例えば光を1cm ぐらいの大きさで当てたとすると、ここの温度は100℃ぐらいにしかなりません。ところがこれを1mm の大きさで当てたとすると、この温度は1万℃になります。100℃までしか上げられないような温度を、集中する事によって1万℃の温度が達成出来る。
これがレーザーを使ってマグネシウムを還元する(酸素とマグネシウムに分離する)かという、秘密になります。
ところが、1mmぐらいの小さな点でやると、産業用では全く生産性が上がらず成り立たない。
東京工業大学理工学部の矢部教授の実験では、1個1個は小さいが1mmの径で300個並べると、マグネシウムを効率良く取る事が可能である事を実証しました。又、レーザーというのは光ファイバーで持って来る事が出来ますので、何十mでも持って来る事が出来ます。
海中に含まれる酸化マグネシウムを太陽光励起レーザーを使って、酸素とマグネシウムに還元分離し金属マグネシウムだけを取り出します。
そこで、課題となるのが太陽光励起レーザー装置の普及です。
この太陽光励起レーザーとは、どう言った装置なのでしょうか?
■太陽光励起レーザー装置の仕組み
太陽光を濃縮し、無尽蔵のエネルギー引き出す
集光された太陽光をもう一段“濃縮”する

鉄を溶かすほどに集光された太陽光、これを熱源として利用するのでなく、もう一段“濃縮”するためにレーザー光に変換するのがこの装置のミソである。
焦点に置かれた、茶筒ほどの円柱形のケース「レーザー発振部」に太陽光を導き、その内部にある直径1cm弱の千歳飴のような「レーザー媒質」に当てる。するとレーザー媒質の内部で、クロム、ニオブ、イットリウム、アルミニウムなどの元素が量子力学的に相互作用を及ぼし合い「波長と位相の揃った光」すなわちレーザー光が発生するのである。
レーザー光は単色光なので、自然界の光よりもはるかに小さな焦点を結ばせることができる。CDやDVDが大量の情報を記録できるのもこの性質を利用して、いわば細い筆で細かい字をたくさん書くから。そして小さな焦点、つまり一点に集中させたエネルギーは、従来は不可能だった、別のことも可能にしてくれる。絞り混んだレーザー光を真空容器の中で、酸化マグネシウム(MgO)に照射すると、元素間の強固な結合が外れ、金属マグネシウム(Mg)が産生する。化学反応でいうと「還元」、鉱業でいう「製錬」の工程に相当するプロセスだ。
太陽光をレンズで集光しても、焦点の温度を太陽表面の温度(約6000℃)以上に上げることは不可能だが、いったんレーザー光に変換して絞り込むことで、マグネシウムの還元を可能にするほどの高いエネルギー状態(2万℃に相当)が実現する。鉱工業的に複雑なプロセスや特殊な触媒を必要としていた製錬が、これで一気に完了してしまうわけだ。

東工大、太陽光励起YAGレーザー発振成功で太陽光利用に活路開拓
イノベーション・ジャパン

東京工業大学大学院理工学研究科の矢部孝教授の研究グループは、太陽光励起によるYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーの発振に成功し、自然エネルギーの大半を占める太陽光を有効活用する新しい道を開拓した。
機械物理学専攻の矢部教授は、太陽光励起によってレーザー発振することを、「2005年9月13日に世界で初めて実証し、太陽光のエネルギー活用に新たな手法を確立した」という。
 
太陽光励起YAGレーザーの研究開発は、東工大と三菱商事が進めている組織的連携プロジェクトの第一弾の「エントロピア・レーザー・イニシアティブ」プロジェクトの中核を占める要素技術開発である。東工大と三菱商事は2004年7月に組織的な産学連携を目指して包括的な大型連携プロジェクトを始めることで合意し、協定を締結した。製造業企業以外の商社との協定締結として話題を集めた。
 
三菱商事は2005年9月から太陽光励起レーザーなどを核とする太陽光利用の新エネルギーシステムを実用化するマルチクライアント型共同研究プログラムを開始する計画を進めてきた。今回の太陽光励起NdYAGレーザー発振の成功によって、クライアント募集に弾むがついたとする。同業種から複数の企業が共同研究パートナーとして参加できる仕組みを提案し参加を呼びかけている。
 
矢部教授は、これまで太陽光励起YAGレーザーを水中に丸棒状のレーザー媒質のYAGを配置すると説明してきた。現在、特許出願中で詳細は明らかにできないとしながら、今回のレーザー発信器は「YAGに粉末焼結法による普通の“セラミックス”素材を用い、形状も四角柱として点が革新的」と説明する。今年度中に太陽光励起YAGレーザーで変換効率50%を達成する計画。
 
「エントロピア・レーザー・イニシアティブ」プロジェクトは四つの研究テーマで構成されている。第一の要素技術である太陽光励起レーザーに続く、第二の要素技術は、マグネシウムを利用する水素ガスサイクル技術。マグネシウムと水は反応して水素ガスと酸化マグネシウムをつくる。水素ガスは燃やしてエネルギーを取り出す一方、残った酸化マグネシウムは太陽光励起レーザー照射によってマグネシウムに還元し、リサイクルする。
 
第三の要素技術は酸化マグネシウムに太陽光励起YAGレーザーを照射して発電するレーザー電気変換技術である。第四の要素技術は、金属表面に太陽光励起YAGレーザー光を高出力で照射すると、レーザーアブレージョンという一種の爆発現象が起こることを利用したレーザー駆動エンジンである。(丸山正明=産学連携事務局編集委員)

太陽光励起レーザーは、太陽光とレーザー媒質があれば、生成可能と言うことになります。
太陽光は、昼間晴れの日であれば、無限に存在しまず。
光を増幅させるレーザー媒質YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)が、レーザーを作る上での重要な元素である。これにセラミック素材を混入する等してもっと効率の良い媒質が開発されていくと思われますが、媒質そのものは装置の箱体の中で、基底状態(安定状態)と励起状態(電子を放出した状態)を繰り返すだけの媒体なので、最初に投入すれば無くなることはないと思われます。
従って、装置や媒質等の初期投資にお金が掛かるが、それ以降は『太陽光と海水さえあれば循環型エネルギー供給が可能である』という訳です。
今後、国内に導入した場合、使い方さえ間違わなければ、他国の資源に頼る事の無い循環型エネルギーとしての可能性が開かれたと言えますね。
■素材としてのマグネシウム
既にマグネシウムは、新エネルギー源として利用に限らず、色んな分野での素材としても使われています。その物性は、他の物質に比べて
1.固いくて軽い物質である。比重が鉄の4 分の1、アルミの3 分の2
2.電磁シールド性に優れている。
3.繰り返す震動に強い。激しく震動するようなところに強い。
4.比熱が小さい。すぐ熱がなくなってしまうという事
こうした特性を利用して、パソコンの筐体や携帯電話のフレームあるいは、エンジンのカバー、ヘルメット、アタッシュケース、スピーカーの振動版等は、マグネシウム合金で造られています。又、最近では、自動車のエンジンにも使われる様になりました。ドイツのBMWなどはエンジン部分をマグネシウム合金で造ろうという動きがすでに進んでいます。
日本では、アルミ合金の添加として使われています。ジュラルミンはアルミとマグネシウムの合金です。鉄鋼の脱硫というのもあります。製鉄会社が鉄を作る時、鉄には硫黄分が含まれていますが、その硫黄分をマグネシウムで取っています。あるいはチタンの精錬やウランの精錬にもマグネシウムが使われています。
マグネシウム自体は、市場化され国家間の取り引きに使われています。
マグネシウムの生産は、現在は7 割近くを中国が作っています。マグネシウムの値段は、2001 年から2007年までは大体200 円/kg をずっと安定的に推移していましが、2007 年から2008 年にかけ、急に約3 倍の500 円から600 円近くに上がって来ました。
年を追うごとに中国の割合が大きくなり、ほかの国が生産を止めて来て中国の独占状態になっています。
しかし、マグネシウムを精錬する製造技術は、大容量の電気を必要とする『電解法』か、石油か石炭を必要とする『熱還元法』に2種類しかありません。
従って、マグネシウムを精錬するのにも従来のエネルギーが、大量に必要になってきます。
環境問題や市場化による価格格差の課題は、解決しません。
中国での精錬技術は、熱還元法ですから益々石炭や石油が使われ、エネルギー問題も環境問題も解決しない事になります。
従って、太陽光励起レーザー装置を使っての、マグネシウム還元技術は『エネルギー供給』のみならず『素材供給』としても今後、必要になってくると思われます。

List    投稿者 nakamura | 2009-07-11 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?5 Comments » 

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コメント5件

 shirohana | 2010.01.23 22:49

cosmos さん。『商品市場の背後に性市場あり』を端的にまとめていただき、全貌が見えました。
さて、現在、ちまたでは、ほとんど女性に興味を示さない草食系男子とかが、発現し、一方で物が飽和状態で、ほしい物があまりないという時代に突入していますね。人々の意識も変化し、もはや先端の商品市場にも魅力もなく、市場が国家を超えて拡大していくという時代は、既に終焉を迎えたといっていいのでしょうね?そういう意味では、現在の日本はこれまでの歴史の中で、人々が経験したことのない次代に突入していると捉えてよいのでしょうね?
そして、これまでの市場に変わる人々が生きていくための活力源を皆で探していくことが、非常に重要と感じました。

 バーバリーブルーレーベル | 2013.04.14 22:32

お世話になります。とても良い記事ですね。

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