住宅ローン破綻は増加中。金融破綻への圧力がまだまだ続く
9月19日に、FRB(米連邦準備理事会)と財務省が、7000億ドル(約75兆円)の救済資金を投入し、不良債権の買取と金融機関に対する出資を含む支援策を打ち出しました。しかし、市場不安は解消していません。
経過を簡単に追っていきます。
9月7日(日):連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)と連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)の救済策を発表。救済資金は8500億ドル(90兆円)。
8日の週:NY証券取引所で、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチの株価が急落。
11日〜:ニューヨーク連銀の場で、連銀総裁、ポールソン財務長官が主要銀行を召集して救済策を探るが、誰も救済出動できない。(ポールソンは、公的支援は出さないというスタンス。)
15日:リーマン・ブラザーズが破産申請。バンク・オブ・アメリカが、メリルリンチを救済合併。
15日:NY証券取引所で、銀行、証券会社、保険会社の株価が急落。次の破綻はどこかという状況に至る。
16日:FRBが、保険会社最大手のAIGに対し、850億ドルの救済策を発表。
17・18日:モルガン・スタンレーの身売り話がメディアで飛び交い、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスの株価が急落。
この週は、短期金融市場で、お互いに疑心暗鬼になり、誰も新規の貸付をしない。資金繰りが破綻する金融機関が続出する瀬戸際となりました。
19日:FRBと財務省は、総額7000億ドル規模の救済策を打ち出す。議会と財源法案の調整に入る。
この結果、金融・証券の株価も持ち直す。
20日・21日:7000億ドルの救済策の有効性について、不十分との論調が流れる。
この救済策では、金融会社への政府出資による自己資本拡充を行うので、米国は社会主義国家に成り下がったとの論調まで現れる。また、財源法案の成立が上手く行くのかという論点も加わる。
22日:NY証券取引所の株価は、大幅下落。7000億ドルの救済策では不十分ということです。
そこで、金融不安の出発点である『住宅ローンの破綻』は、現時点でどうなっているのか、改めて見てみます。
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米国の住宅ローン破綻件数は、毎月、RealtyTrac社が発表しています。
8年8月の破綻件数
破綻件数の、4半期別推移と月別推移が下の図です。
<ポップアップです。クリックすると鮮明にみえます>
4半期ベースでは、08年第二4半期が、74万件の破綻。
平均住宅ローンを30万ドルとすると、3ヶ月で、約22200億ドル(約23兆円)の不良債権が発生している。1ヶ月740億ドル(約8兆円)です。
そして、月別では、まだまだ増加が続いています。ですから、不良債権発生の山をまだ越えていません。
<これもポップアップです>
月別では、2008年7月が27万件、8月が30万件とより水準が高くなっています。
8月だと、月間900億ドル(9.5兆円)の不良債権が、住宅ローンから発生しています。
米国のローン破綻は、住宅ローン破綻だけではありません。自動車ローン、学費返済ローン、医療保険ローンと隅々までローン消費です。これらのローン破綻が加わります。
月間の不良債権の新規発生は、1000億ドル(10兆円)から1500億ドル(16兆円)の水準で年内は推移するでしょう。
毎月、新規に加わる巨額な不良債権の洪水に対し、7000億ドルで食い止めれるのでしょうか?
今後も、毎週、毎週、金融危機の連続だと予想されます。
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コメント3件
バロン | 2009.02.11 0:05
>人民元決済の強みは、華僑(華人)の存在がある。
なるほど。。。
人民元には覇権を取る足場(華僑)がすでにあるということか。
派遣の行方のキャスティングポートはやっぱり日本(円)が握っているんでしょうけど。
はたして日本は動くのか?気になります。
それでも動かないとしたら、動けないのはなぜなんでしょうね?
hermes shop | 2014.02.02 2:47
hermes en usa 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 中国の深謀遠慮、『人民元経済圏』が動き出す
徹底サーチ | 2009.02.05 18:04
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