2013-02-18

【続新春企画】(3)中国・習近平後の中国はどうなっているか?

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胡錦濤・共青団 vs 江沢民・上海閥 + 習近平・太子党の権力闘争の末、今年3月に中国国家主席に就任する習近平は、今後中国をどのように導こうとしているのか?現在の中国の状況を把握した上で調査分析を行います。
『続新春企画』シリーズ過去記事は以下をご覧ください。
【第1回】新政権で日本の外交どうなる?(1)安倍政権就任後の動き
【第2回】(2)米国大統領選挙後のアメリカの動きはどうなっているか?
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①中国経済の状況は?
中国の経済戦略は今後どのようになっていくのでしょうか?
●中国人事管理の先を読む!第51回「内需政策と適正な GDP規模」【リンク

2012年12月習近平共産党総書記と指導部は、景気のてこ入れを目的とした「積極財政と穏健な金融政策を続ける」と発表した。
これは、世界経済の深刻な低迷によって今後中国は輸出拡大路線は難しく、今後は内需拡大路線をとらざるを得ないということを意図している。
世界第二位の中国のGDPに占める内需は37%であり、これは米国約70%、日本の60%と比較しても中国の消費は、伸びていない。過去中国は、減税政策をとり、所得減税の実施や農業税のように税制そのものの廃止を試みてきたが、税制改革が消費拡大につながっていなかった。
その原因には税徴収自体のインフラ問題、富裕層と政府との癒着、富裕層の預金の海外流出など根本的な問題があるため、税率を軽減しても効果はあまり期待できないのだ。
残されているのは所得改革で、賃金を直接上げていきながら、可処分所得を増やしていく手段しか残されていない。

では、次に、中国の耐久財普及率を見てみましょう。
●白書等(経済財政白書、世界経済の潮流等)より【リンク

中国の耐久財普及率をみると、農村部ではまだ消費拡大の余地がみてとれるが、都市部では2000年に比して急速に普及してきた後、ここ数年の動きからは、洗濯機、冷蔵庫、カラーテレビ等はすでに飽和状態に近いことがうかがえる。
〜中略〜
乗用車の保有台数を日本やアメリカと比較すると依然として大きな差があり、自動車に対する潜在的な需要は依然大きいと考えられる。中国都市部及び農村部における耐久財普及率(08年と10年比較):農村部において大きな消費拡大の余地あり。
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このような状況から今年の春節の見られた消費の変化ということで、大和総研が、直近の経済状況を以下の要に分析しています。【リンク

習近平総書記就任以降、中央政府による、農村・都市部間の格差是正や、国有資源の再分配などへの言及が相次いでおり、民生向上(=国民の生活の質向上)が政策の軸となっている。これに呼応するように地方政府は、2013年以降の計画に、可処分所得の高い伸びを目標とする省も出てきている。
地方政府のこの取組みが、更なる賃金上昇への圧力になるとみられる。2012 年年末に最低賃金の引き上げが相次いで発表されており、例えば、2013 年1 月から北京市が11.1%の引き上げを実施し、3 月には深圳市が6.6%の引き上げを行う。(2012 年は13.6%)
また、2012 年に引き上げを見送った広東省が2013 年5 月から19.2%の引き上げを通達した。
最低賃金の引き上げだけでなく、退職者年金の引き上げを北京市は年初から実施している。経済規模の大きい地域のこのような動向が中西部の地方政府にも刺激を与えることは間違いないだろう。

上記のように可処分所得を農村部20%都市部10%の所得増計画を宣言していますが、都市部と農村部で、最大の所得格差が約8倍であるのに、果たしてうまくいくでしょうか?
②中国国内の外資系企業の状況
賃金が上昇していく中で外資系企業は、中国放れになっている?
特に、日本企業の中国撤退状況はどうなっているのでしょうか?特に反日デモ→企業の撤退は加速しているのか?
●中国、外資の工場撤退続出「国内企業の天下」 変化する市場 戦略転換不可欠
リンク

外資系企業による製造拠点の中国撤退が相次いでいる。独アディダスは昨年10月、最後の直営工場を閉鎖。今年に入ると米アップルが富士康科技(フォックスコン)を帯同し、一部生産ラインを米国に移すと発表した。米スターバックスは、コーヒーカップの生産工場を米国に引き揚げる見通しで、日本企業も大掛かりな投資資金の引き揚げを始めている。
撤退とまではいかないまでも、中国企業とのシェア争いに苦しんでいる外資は多い。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の関係者も「中国市場は今、完全に国内企業の天下だ」と肩をすくめた。

一方で、中国共産党の発表では以下の内容が指摘されているようです。

■対外政策は新段階に
昨年12月中旬、中国共産党機関紙「人民日報」のウェブサイト、人民網が討論会を開催、「中国共産党第18回党大会(十八大)と外資企業の中国における持続可能な発展」と題し、十八大の外資導入政策や新政権下における外資の商機について議論が交わされた。
その中で国務院発展研究センター対外経済研究部の隆国強部長は「中国は依然外資による投資が盛んだが、人件費の面での優位性は薄れている」と指摘、「外資の商機は、中国の巨大なマーケットと費用対効果の高い研究者にある」と指摘した。
隆国強部長によると、中国ではブルーカラーの人件費は上昇しているが、「費用対効果」でみれば研究者の人件費はさほど高くなく、今後、中国を研究拠点とする多国籍企業は全体の31%に達する見通しという。

では、日本企業は?
●コラム2−中国から撤退する日本企業が続々と−【リンク】  

中国から撤退する日本企業が増えている。その理由はなんだろうか?
 〜中略〜
独特の中国人気質や文化に日本企業が悩まされたエピソードは数多い。最近では中国進出したメーカーや流通業者が撤退や生産縮小の動きを見せている。 中国での事業展開に新たなリスクが顕在化し始めている。日本企業が撤退していく原因を探っていく。
企業が離れていく原因は、以下のようです。
第1「人件費の上昇」
第2「市場競争、価格競争の激化」
第3「労働者の権利意識の高揚」
第4「環境問題に対する考え方の変化」
第5「中国人の仕事に対する考え方」

そして更に以下の記事に続きます。
北京では中国から撤退する際の実務を学ぶ「撤退セミナー」が開かれているようです。
●13年ぶり成長率8%割れ 加速する脱・中国【リンク
どうも、日本を含めた外資系企業は、中国から撤退の流れにあるようです。
③中尖閣諸島問題のまっただ中、中国の軍事はどうなっているのでしょうか?
今年1月、以下のニュースが発信されました。
大紀元日本より【リンク

中国人民解放軍総参謀部が全軍に対し、2013年の軍事訓練は「戦争に備える」よう指示したことが分かった。14日付の軍機関紙・解放軍報などが伝えた。尖閣諸島(中国名・釣魚島)や南シナ海問題を念頭に策定されたものとみられる。
指示は、昨年11月に軍トップに就任した習近平・中央軍事委員会主席と党中央の重要指示に基づいて作成されたものと同紙は解説している。

●軍事費 支出額・GDP比 国別ランキング(2011年)【ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)】【リンク
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さて、次に中国の軍事戦略について注目するニュースを見つけましたので紹介します。
●中国:衛星攻撃ミサイルなど、軍事力拡大の脅威
リンク
●中国、脅威のスターウォーズ構想 狙いは海、空を超え「制宇権」!!
リンク
許其亮・空軍司令官(62)と范長竜・済南軍区司令官(65)の2人を抜擢。伝統的に陸軍重視の解放軍で、許氏は空軍出身者として初めて登用。
●中国国防費「公表の1.7倍」 昨年分、軍高官が証言
リンク
12年予算、11%増の8.7兆円
中国の昨年の国防予算が、実際には公表額の1.7倍に上っていたことが分かった。中国軍高官が証言した。一方、中国当局は4日、2012年の国防予算案が前年実績比11.2%増の6702億元(約8兆7千億円)になると発表した。2年連続での2けた増だが、これも実際の国防予算を大きく下回っている可能性が高い。
国会にあたる全国人民代表大会(全人代)報道官の李肇星・前外相の4日の記者会見によると、12年の国防予算は当初予算比では11.5%増で、24年連続の2けた増となる。実績比とともに11年の国内総生産(GDP)の伸び率9.2%を上回る水準だ。

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●「軍事力比較」日本・中国・韓国・北朝鮮・アメリカ・ロシア(2012年)【リンク
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■これほどまで軍事費上昇の背後にあるものは何か?
●中国の軍事費増加 その意図とは — 日本新唐人テレビ【リンク

「ただし非常に重要なのは、中国の軍隊が独立性を日増しに増している点です。過去1年、中国軍は党の指導者の統制を受けない傾向が強まっています。たとえば、一部の問題に対して、軍が自らの観点を発表するなど。これは、以前は見られませんでした」
「つまり共産党政治集団の内部において、軍人の地位が今、上がってきているのです。逆にいえば、共産党指導者の軍への統制力がどんどん弱まっています」
「実は軍というのは、強大な利益集団です。もし中国が周辺国家と平和的に共存し、衝突がなくなったら、軍人から見れば利益がなくなっていきます。周辺国との関係が緊迫(きんぱく)するほど軍の利益が増します。より多くの予算を得られるからです。しかも、軍の政治的地位も高まります」
「つまり中国と周辺国との関係が緊迫すればするほど、軍事衝突の脅威が増すほど、軍人の地位が高まります。これと比例して、軍はより多くの利益を得られます。ここには政治的関係が存在するのです」

●連載!『中国は誰が動かしているのか?』 10 中国軍(人民解放軍)についての分析中国は誰が動かしているのか
リンク
・・・次期代表の習近平:上海閥でかつ軍との繋がりが強い
※こうみると内陸部の存在が薄いが、それが内陸部の発展を阻害し、多くの暴動を生み出している可能性がある。
・・・とすると、中国を動かしているのは大きく共産党系(鄧小平→エリートの団派の系統)と軍(但し独立傾向を持つ軍閥)。それに次いで有力者の子弟で利権を持つの太子党。
自勢力の拡大を目指す軍をなだめながら、中国をなんとか一つにまとめているのは、共産党エリートの団派(胡錦涛etc)の系統ということだろう。
しかし次期総書記の習近平になると、軍部の発言はさらに強まると予測される。

この記事は、一昨年の一月のものですが、現在、太子党である習近平氏の「戦争に備える」ようにといった勇ましい指示が軍機関紙・解放軍報などに伝えられており、軍の力は、益々強くなっていく兆候が感じられます。
④中国は安部政権をどのように見ているのでしょうか?
以下今年の1月「人民網日本語版」からのニュースです。
中国牽制に拍車をかける安倍首相【リンク

安倍首相は「世界的範囲で日中関係を見極め、日米関係を再構築し、ASEAN、インド、オーストラリア、ロシアなどとの関係を強化、改善する必要がある」としている。「日中の戦略的互恵関係を発展させる」考えも示したものの、就任後の行動を見ると、安部政権は実質的に「封じ込めた後に改善する」戦略を採用している。
〜略〜
軍事面では安倍首相は現行の防衛計画の大綱の見直しを指示するとともに、予算案の防衛関係費を11年ぶりに増額。日本メディアによると、2013年度概算要求で12年度の4兆7138億円から約1200億円増額した。

全く現実離れした安倍政権の対中「包囲網」構想【リンク

1.安倍氏とその内閣はすでに国際世論において「極端な民族主義」と「タカ派」のレッテルを貼られている。対中強硬姿勢を選択すれば、地域に緊張と不安定をもたらしていると国際世論から認定されるだけだ。
2.日本が国際的に「悲劇のヒロイン」を演じて、中国への不満を訴えても、受け入れ先はいくらもない。
3.日本が中国と一部の国の摩擦を利用してその離間を図ることは、ごく一部の国とごく一部の問題で多少うまくいくかもしれないが、こうした国々に中国との対立を強いようとするのは、全くの一方的願望に過ぎない。

この発信から安倍政権が、打ち出した日米同盟強化に中国は神経をとがらしている状況が、見て取れます。
●まとめ
以上から最近の中国の状況は、
・経済戦略としては、今後、内需拡大が柱。そのためには、可処分所得(賃金あげる)を上昇させるしかない。
・中国の外資系企業は、中国から撤退の流れにある。日本企業も同様。
・中国の軍事拡大は今後も続く。
・安倍政権の日米同盟を強化しながら、中国を牽制する状況に対してかなり神経をとがらしている。
今後、中国は経済戦略として、輸出重視路線から内需拡大路線に舵をきっていますが、あまりにも大きな都市部と農村部の格差がある中で、わずかな、可処分所得の増で、本当にうまくいくのでしょうか?
また、路線の変更から外資系企業が撤退を加速させていく兆候がみられます。
安倍政権の日米同盟強化の状況にかなり神経質になっている一方で、戦略的に米国を追い越して冷戦期のソ連と米国のように巨大な軍事大国を目指しているようです。
習近平は、今年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で正式に国家主席に就任しますが、更に就任後彼の動きと中国の動向を注視していく必要があるでしょう。

次回は、『続新春企画』のまとめ、今後、米中はどうなるか?その中で、日本の動きは?について追求していきたいと思います。お楽しみに

List    投稿者 orisay3 | 2013-02-18 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?No Comments » 

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