2010-05-15

私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズ(6)…私権圧力=活力の全面衰弱

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 ※画像はこちらからお借りしました。
ここまで、「実現論 第三部」を紹介しながら、現代の社会状況の実像を探るものとして、「私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズとして5回の記事を重ねてきました。
今回は、これまでの記事を踏まえた中間のまとめを行いつつ、市場の崩壊状況の本質を確認してみたいと思います。
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<中間のまとめ>
これまでのシリーズ記事を振り返ってみます。
2010年4月3日 『商品市場の背後に性市場あり』 これまでのまとめ
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●実現論第二部から6回にわたって続いたシリーズ記事のまとめ。商品市場の背後に性市場が存在すること、すなわち、市場の真の支配者は性権力者(性本階級=女)であることを明らかにしています。
●支配階級の宮廷サロンから始まった「自由な性市場」が拡大し続け、都市を舞台に庶民まで巻き込んでゆくことによって、資本階級に富が集積してゆきました。生産階級たる庶民は自らを主人公であるかのように思い込まされてきたものの、実は市場の囚人 でしかありませんでした。
●その背景に、自由・平等・人権などの価値観念を提起した近代思想が社会に受け入れられていったことがあるわけですが、実は近代思想とは、性権力を正当化し、従来の身分社会を資本階級が牛耳る市場社会へと誘導・転換するためのものでした。
2010年4月10日「私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズ(1)…貧困の消滅から私権の衰弱へ
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●1970年代、日本社会では貧困が消滅し、それまで拡大を続けてきた市場が縮小過程に入りました。
●貧困の消滅からほぼ全ての人が豊かさを享受できるようになることによって、生存圧力を背景に人々を駆り立ててきた私権の強制圧力が衰弱していきました。
●それまで、性権力を押さえ込みながら人々の活力源であり続けた私権圧力が衰弱した結果、性権力(女原理=女の価値観)が社会を全面的に支配するようになり、男たちの活力は衰弱する一方になりました。1980年代の日本社会はまさに女原理一色で、社会は混迷の度を深めるばかりになってゆきました。
2010年4月17日「私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズ(2)…私権の衰弱から性の衰弱へ
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●私権圧力の衰弱の結果、性の衰弱というまさに人類が始めて直面する事態が出現しました。
●私権時代の中、背後で市場を支配してきた性権力とは、私権圧力による抑圧に反発する性的自我がその本質であるため、抑圧してきた私権が衰弱することによって性権力は一気に衰弱しました。そして、自我の性しか知らない現代人は、性そのものが衰弱し始めることになりました。
2010年4月24日「私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズ(2)…私権の衰弱から性の衰弱へその2
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●私権が衰弱し、関係耐力が衰弱、そして性も衰弱し始めた結果、人々は互いの自我や要求に対応することが煩わしくなり、互いに相手を捨象する、男捨象・女捨象が顕著になってゆきました。いまや、草食男子だけでなく、同性同士の仲良しグループで楽しむ姿がごく普通に見られるようになってきました。
●私権時代とは私権闘争の時代。そして、私権闘争の中心には性闘争があり、中核である性そのものが衰弱し始めたということは、3000年にわたって続いてきた私権社会が終焉を迎えていることを意味しています。
2010年5月1日「私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズ(4)…市場の崩壊
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●貧困の消滅の結果、私権が衰弱し、私権圧力によって駆り立てられていた物的欠乏は衰弱し市場は縮小過程に入ります。
●しかし、性権力支配による豊かさ要求や福祉要求などの支配共認によって、市場は無理やりふくらまされバブル化してゆきます。しかし、バブルは必ず崩壊します。性権力支配の結果、いまや世界規模で繋がる市場は壊滅的な崩壊・大破局を迎えるしかない状況に直面しています。
2010年5月8日「私権の失速・私権体制の崩壊」シリーズ(5)…大破局の真相
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●1929年の世界恐慌では、人々は貧しく、必需品を中心とした物的な欠乏は旺盛でした。そして農業生産人口が半分を占めていたため、社会秩序はなんとか維持できることができました。
●しかし、現代は物的な欠乏そのものが衰弱し、農村人口はほんのわずかであり、市場の崩壊によって社会秩序までが崩壊する危険性がきわめて高い状況に直面しています。
●このような、状況に導いた旧い支配共認とそこから抜け出せない支配階級にはもはや社会を統合する資格と力がなくなっています。
実現論第三部 市場の崩壊 より

 私権圧力=活力の全面衰弱、女原理の全面支配と思考停止、そして財政破綻から経済破局へ、どこから見てもこれは支配階級と支配共認がもはや統合能力を失った結果としての破局である。従って、支配階級→支配共認が、この事態を治め社会=国家を再統治することは全く不可能である。この事態は、支配共認を根底から覆す全く新たな理論が登場し、新たな統合共認が形成されない限り、治められない。従って、このままでは(=支配共認のままでは)全面的に秩序が崩壊し、国家や軍隊も瓦解して、食糧を求める人々が互いに殺し合い、滅亡してゆく可能性が極めて高い。これは予測ではあるが、論理必然的な、(論理に見落としがなければ)100%に近い確率の予測である。おそらく、米・欧・露・中は、その様にして滅亡してゆくだろう。

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<中間のまとめ>からも浮かび上がってきているように、現代社会は市場崩壊から秩序崩壊、そして滅亡へと向かう可能性がきわめて高い、危機的な状況に直面しています。
その原因は、これまでの支配階級が、旧い支配共認から抜け出せないままだから。
大災害や市場の崩壊状況などに直面する度に、略奪や暴動が起こる米国やヨーロッパ諸国などは市場崩壊から秩序崩壊に至る危険性が極めて高いと思われます。また、ロシア・中国・ブラジルなどのBRICSも同様の危険性が高いと思われます。
一方、神戸地震などの大災害や1998年の金融危機などにおける人々の行動を見る限り、日本社会は壊滅的な事態に直面しても秩序が維持される可能性が残されていると見えますが、いまのうちに、旧い支配共認から脱却した普通の人々によって、新しい社会を統合する共認をいち早く形成してゆくことが求められています。
シリーズ(7)へ続く

List    投稿者 wyama | 2010-05-15 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?4 Comments » 

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コメント4件

 にほん民族解放戦線^o^ | 2011.01.14 0:58

2011年、いよいよドル・米国債暴落か?“GRAND THEORY No.10”の紹介

2011年 新年明けましておめでとうございます。
2010年は、
アメリカが追加金融緩和に踏み切り、これまで以上に大量のドル紙幣を世界中にばら撒き始め…

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