2009-05-30

「鎖国の可能性を探る」シリーズのまとめ

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1月23日から始まった、「鎖国の可能性を探る」シリーズでは、5月15日の記事まで約4ヶ月の間に主要な輸入物資ごとのテーマを設定して、自給の可能性を探索してきました。
出発点となった問題意識は、これまであたりまえに受け止められていた、「輸出主導型経済=貿易立国こそが日本にとって不可欠の条件だ」という「定説」への疑問でした。
今回の金融危機は、100年に一度という程度のものでは無く、もっと大きな地殻変動ではないか。
これまでの、便利・快適をひたすら追求するための市場経済はもはや終わりではないか。
輸出入によってどこからでも、欲しい物が手に入るという時代はもはや終わりで、必要なものは国内で自給するような経済に転換することが必要ではないか。

このような視点から、自給自足の経済の可能性を探ってみることにしました。
特に、食糧とエネルギーは国内自給はとうてい無理だから、それらを手に入れるためには輸出で稼がなければならないとされていました。
それらも含めて、ひとつひとつ、自給の可能性を検証するというスタンスでシリーズを展開してきました。
これまでの約4ヶ月間で、主要な輸入物資を一巡した感があるので、今回まとめをしておきたいと思います。
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当シリーズで扱った物資は以下の通りです。
 ●鉄
 ●レアメタル・ベースメタル(非鉄金属)
 ●エネルギー
 ●食糧
 ●石油化学製品の原料(石油)
 ●木材
 ここまでの調査の結果を踏まえたうえでの見通しは、
「自給体制に持ってゆくために必要な条件があり、時間も要するが、可能であろう!」

 ということです。
上記の中で、最も重いテーマは「エネルギー」でした。(これは、誰もが同感するところだと思います)
今回のシリーズでも、7回にわたり検討することになりました。
結論は、いずれ枯渇する化石燃料に頼らないエネルギー供給体制に持っていくということであり、大きくは太陽光発電の供給を飛躍的に拡大してゆくことになります。
既に、電力各社によるメガソーラー発電計画が動き出しており、今後も技術革新が重ねられれば、脱化石燃料のエネルギー自給体制の可能性が開かれることになると考えます。
(現在の政策では、原子力発電の比重を高めようとする動きがありますが、自給体制に向かう過程での繋ぎとしての役割はあるとは思いますが、当然ながら、将来の持続可能なエネルギー供給体制には含みません)
ただし、これから最も重要なことは、国民みんなが、必要なことは何なのかを考えて無用な消費をしない、言い換えれば、自然の摂理に則った生き方を選択していく、という社会共認を確立することです。
例えば、現在の電力供給は大口消費者であるほど安価な電力が得られ、昼間よりも夜間電力の方が安いという仕組みになっています。
需要がありさえすれば際限なく供給していく、という市場原理に沿った考え方に基づいているわけですが、自然の摂理に則った考え方に基づくと真逆になります。
無用な消費・大口消費は割高になり、夜間電力消費は割高になるという原則にすれば、自ずと無用な消費を抑制し、蓄電池を要するような夜間利用も抑制する方向に導くことができます。
現在進められているメガソーラー導入計画だけでは、これまでの過剰消費を助長することにしかならないわけで、自然の摂理に則った供給の仕組みを考えることが必要になります。
エネルギー供給とはまさに社会インフラであり、民間が供給するという体制の見直しも必要だし、私たちの暮らしも過剰な消費、無用な消費をしないという社会共認を作っていくことが必要ですね。
極論すれば、これさえできれば、日本人が得意とする技術革新によってエネルギー自給は突破可能な課題になると考えられます。
このシリーズを通して見えてきたことは、このような社会共認を作っていくことが全てのテーマに共通して求められているということでした。
そして、これらのことは苦行ではなく、次代にふさわしいスマートな生き方であり社会である、という共認が形成されるであろうという予感でした。
最後に、このシリーズで発信した記事の一覧を掲載しておきます。
一度目をとおしていただけることをメンバー全員で願いつつ、終わりとさせていただきます。
<当シリーズの記事一覧>
 ●シリーズ開始
   …1月23日「金貸し支配からの脱却⇒鎖国」の可能性を探る!
 ●鉄…1月24日「鉄は自給できるか?」 
 ●レアメタル・ベースメタル(非鉄金属)
   …2月6日「レアメタルは、自給できるか?」
   …2月7日「『非鉄金属』ベースメタル編」
 ●エネルギー
   …2月20日「エネルギーは、自給できるか?」
   …2月21日「 マグネシウムの可能性を探る」
   …3月6日「石油・石炭・原子力・地熱発電の展望を探る」
   …3月7日「地球外エネルギーは期待できるか?」
   …3月31日「『新エネルギー』 の展望を探る」
   …4月3日「エネルギー自給の実現可能性」
   …5月1日「新エネルギーどう向き合う?」
 ●食糧
   …3月21日「食べていけるの?」
 ●石油化学製品の原料(石油)
   …4月4日「どうする?石油はエネルギー源だけではない。」
   …4月18日「石油化学製品からの脱却」
 ●木材
   …5月15日「木材の自給は、可能か?」
by わっと

List    投稿者 wyama | 2009-05-30 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?9 Comments » 

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コメント9件

 イルカ | 2009.12.08 1:04

「トリウム熔融塩原子炉」っていいことずくめの原子炉なんですね!しりませんでした!
代替エネルギーとして、利点がすごく大きいのに、冷戦の役に立たないからといって、使用しないのはなんとも不思議な気がします。
この続きが気になります☆

 ニュースメモ | 2009.12.08 1:34

日本生命がイギリスのシュローダーと業務提携

時事ドットコム:日生、英シュローダーズと包括提携へ=資産運用事業を強化
生命保険最大手の日本生命保険は4日、英国の資産運用最大手シュローダーズと包括的な業…

 Dr. Done | 2009.12.08 4:42

イルカさん
コメントありがとうございます。
いつの時代にも、悪貨が良貨を駆逐することがあります。パラダイムシフトって、みんなの力で、良貨をもって、悪貨を駆逐する闘いですね。
ウラン−プルトニウム・サイクルをトリウム・サイクルで、ドルを新しい単一の国際準備通貨で・・・。
次回もよろしくお願いします。
Dr. Done

 mihori | 2009.12.08 18:50

『原発=危険!!』と直結していたけど、違ったんですね(@o@;
トリウムを使えば安全な原発が実現可能だったなんて☆
これもまさに情報操作されている事例の1つですね…。
>「核兵器を作れないトリウム原発は冷戦の役に立たない」として、アイゼンハワー大統領によって却下され、封印されてしまいました。
すっごく自己中な発言…(>_『原発=危険!!』と直結していたけど、違ったんですね(@o@;
トリウムを使えば安全な原発が実現可能だったなんて☆
これもまさに情報操作されている事例の1つですね…。
>「核兵器を作れないトリウム原発は冷戦の役に立たない」として、アイゼンハワー大統領によって却下され、封印されてしまいました。
すっごく自己中な発言…(>_<)びっくりしました。
自分達の利益に繋がらなかったら全て封印してしまうというスタンス。
なんかこういう人達が国を動かしていると考えたら、
そりゃうまくいかなくなるよねって思っちゃいました。
トリウム原発、とってもよさそう♪って思うけど、
実現していくためにどんな課題があるのか、危険性はないのか?が気になるところです☆続き楽しみにしています(*^^*)

 Dr. Done | 2009.12.08 19:29

mihoriさん
毎度コメントありがとうございます。とても励みになります。
トリウム・タブーはアイゼンハワーだけではありません。日本では、マスコミも含めてほとんど無視、冷視、敵視状態が続いてきました。数十年ものあいだ・・・。
でも今はアメリカが最も力を入れて、研究開発に取り組んでいます。しかもそのプロジェクトには、なんと日本の電事連は、研究員を派遣すらしているのです。
トリウム原子炉の将来像は、一家に一台、冷蔵庫大きの大きさになって、必要なエネルギーは全て家庭単位で賄われるようになります。
また100年間燃料を補給しなくても走り続けるトリウム・カーの開発研究も進んでいます。
でも人類の3人に一人は、今でも電気の無い暮らしをしています。私はこの人たちに、生きるための基本的インフラを得ることについての「機会均等」を実現することが最優先だと思っています。
では次回をお楽しみに・・・。
Dr. Done

 norio | 2009.12.10 22:20

「トリウム熔融塩原子炉」のこともっと教えてください。
なぜ安全なのか。
原料のトリウムってどんなもの?
続編期待しています。
よろしく、お願いいたします。

 Dr. Done | 2009.12.11 15:54

norioさん
コメントありがとうございます。
norioさんはGoogleアラートを使っていらっしゃいますか?
まだなら「thorium」というキーワードを入れてみてください。ヒットして送信されてくる情報を拾い集めているうちに、気が付けばトリウムについて、かなりの物知りになれるはずです。
まずトリウムについての基本知識は、Wikipediaの「トリウム」を参照してみてください。トリウム原発に関してはいささか情報が古いようですが・・・。
天然のトリウムは232Thのみです。これが中性子を1個吸収すると、233Uに変わるので、エネルギーを得ることができるのです。
つまり、トリウムはウランやプルトニウムと違って、中性子が存在しない環境では、絶対に自ら核分裂を起こすことはありません。
ウラン炉で使う238Uよりも6軽いので、プルトニウムや超ウラン元素を生じません。つまりトリウム炉では核廃棄物がほとんど出なくなるばかりか、最悪の廃棄物とされるプルトニウムをも燃料として燃やしながら消滅処理すらできるのです。
また233Uには232Uが含まれ、これが強力なガンマ線を出すため、持ち出しができないため、軍事に使えず、核拡散、核テロにも使えません。
トリウム熔融塩炉では、読んで字のごとくトリウムのフッ化物、フッ化トリウムを、フッ化リチウムとフッ化ベリリウムを混合した熔融塩(高温で液体、フリーベという)に溶かし込んだ液体燃料の形で使います。
フリーベは放射能の影響を受けず、常圧で燃焼も爆発もせず、熱容量の高い中性の理想的な媒体です。したがってチェルノブイリ災害の追うな苛酷事故を原理的に起こしません。
燃料塩が漏洩する可能性は考えられませんが、仮に漏洩したとしても、燃料塩はドレインタンクに収納されます。
炉から燃料塩が無くなれば、炉は反応を停止しますので、再臨界事故は起きません。
炉心は4000度の熱に耐える黒鉛ですので、メルトダウンすることもありません。
熔融塩は融点が500度Cですが、凝固すれば水に溶けず安定なガラス固化体になるだけです。
環境に放出されやすい放射性物質であるクリプトン、キセノン、トリチウムが生じますが、これらは常時除去されていますので、事故によって大量に環境放出されることはありません。
以上からトリウム熔融塩炉は、原理的に苛酷事故を起こさない唯一の原子炉で、軍事攻撃やテロ破壊活動にも最も安全な原子炉であるということができます。
次回は14日に投稿される予定です。お楽しみに。
Dr. Done

 あそー | 2009.12.14 21:14

本題とは関係ありませんが、気が付いたら1回目と2回目の画像が変わったようですね。これって、ひょっとしたら、オリジナルにつくってるのですか。せっかくですから、もっと大きくして入れてくださったほうが、いいのではないかと思います。毎回どんな画像が出るのか楽しみに読ませていただきます。

 wholesale bags | 2014.02.09 23:02

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 宇宙船地球号パイロットのマニフェスト(2)                 石油に代わる代替エネルギー資源としてのトリウム

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