2016年世界情勢はこうなる!18~「まとめサイト」という洗脳システム~
「まとめサイト」の管理人が、グーグルアドセンスの広告料に躍らせれて、プロ化することが洗脳システムの出発点。
1日10万ビューを獲得するために、人気ネタを人々が興味を引くように脚色、捏造することで、事実と異なる情報が拡散してく。
同じくグーグルが始めた「人気ブログランキング」がそれに拍車を掛ける。
実際、フルフォード氏も幾多の被害にあっているとのこと。
(※アドセンスとは、Webサイトの内容に関連のあるWeb広告を自動的に配信し、Webサイト運営者に広告収入を支払うサービス。Google社がWebサイト運営者に対して提供しているサービスである。)
以下、崩壊するアメリカ 巻き込まれる日本~2016年、新世界体制の樹立~(ベンジャミン・フルフォード著)
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■「まとめサイト」という洗脳システム
ネットの一般的な利用法は、メールチェックを除けば、まず、ホームにしているポータルサイトにアクセスする。そこで取り上げられているトピックスから、新聞社や通信社がネット配信したニュースにアクセスする。その後は「RSS」というブログの見出しを眺めて、面白そうなサイトにアクセスする。といった感じだろう。そのサイトの多くは、「まとめサイト」或いは「コピペブログ」だ。
この「まとめサイト」こそ、実は洗脳システムの中核を担っているのである。
まとめサイトの記事は、基本的に巨大掲示板「2ちゃんねる」の内容だ。2ちゃんねるには、様々なテーマで、たくさんのスレッドがたち、多くのユーザーが書き込みをしている。ひどい内容も少なくないが、専門家が集うスレッドには高度な議論も交わされていたり、極秘情報が飛び交っていたりもする。玉石混淆なのだ。
また、2ちゃんねるは、たくさんの人が同時にアクセスする特性から、ネット機能を維持するための最低限の機能しかない。ともかく読みにくいつくりになっているのだ。
そこで登場するのが「まとめサイト」。スレッド内の不必要な書き込みを削除して、面白い会話(レス)をピックアップ、読みやすくデザインを施してボリュームを調整する。まとめサイトがコピペブログと呼ばれるのは、そのためだ。
本編編集者にもらった資料によれば、このまとめサイトを有名にしたのがテレビや映画にもなった『電車男』だという。お宅の青年が、美人と知り合い、それを2ちゃんねるにスレッドを立て、どうすれば口説けるかを相談、そのアドバイスで女性と付き合えるようになったという内容だ。
ここで重要なのは、映画やドラマの原作となったあのベストセラー書籍は、ソースとなった2ちゃんねるのスレッドではなく、このスレッドをコピペした「まとめサイト」だったという点であろう。印税の大半は、当人や2ちゃんねるに支払われたらしいのだ。実際、まとめサイトのボリュームは、全書き込みの3割以下、コンパクトにまとめて面白くしたという点に「著作権」が認められたわけだ。
要するに「まとめブログ」は、コピペでありながら管理人の意志が働いていた「表現物」と言っていい。つまり、管理人の質に大きく左右されるのだ。スレッド内のピックアップを「より分かりやすく」「より面白く」という善意で行なう管理人もいれば、スレッド内の議論を無視して、特定の発言だけをピックアップして、全く逆の内容に「ねつ造」することも簡単にできる。もっと言えば、まとめサイトの管理人が2ちゃんねるに、嘘情報をどんどん書き込んで、それを「まとめサイト」の記事にするといった自作自演までもがまかり通っている。
もうお分かりだろう。
これが「洗脳システム」に悪用されていくのである。
■「まとめサイト」のねつ造手口
まとめサイトを使った洗脳システムを私自身をサンプルにしながら紹介しよう。
私に悪意を持つ人間(勢力)が2ちゃんねるに、こんな「スレッド」を立てたとしよう。
「発覚!ベンジャミンは中国共産党のエージェントと確定!」
「速報!ベンジャミン、イルミナティに暗殺か?テレビ出演せず行方不明中」
「悲報!ベンジャミンがドラッグで逮捕か!?」
あたかも事実であるかのように酷い内容の書き込みを行なう。
とはいえ、このスレッドを見て私の読者が反論、それは「ねつ造」「嘘」という結論になったとしよう。
しかし自作自演した連中は、自分のまとめサイトを使い、悪意のコメントだけをピックアップ、読んだ人が「やっぱりベンジャミンは悪いやつ」と誘導する内容にしてしまうのだ。その「まとめサイト」が、政治や国際情勢を扱ったカテゴリーで人気サイトだったとすれば、相互RSSで「ベンジャミン逮捕」だの「ベンジャミン暗殺」「ベンジャミンは中共の犬」といった見出しが、政治や国際関係のサイトで踊ることになる。この手のカテゴリーでは私の知名度は、それなりに高い。
見出しに驚いた人は、びっくりしてアクセスする。読めば、その情報を信じてしまう、というか、信じるようにねつ造している。読まなくても、あちこちで見出しを見ているうちに、なんとなく「ベンジャミン・フルフォードはうさんくさそう」というイメージを付けられてしまう。
このあたりの手口は、ブラックジャーナリスト(総会屋)と一緒だ。総会屋は、ターゲットにした企業のスキャンダルを掴むと、バカ高い自社の雑誌を買い取るように要求する。それを拒否すれば、大手新聞社に出稿予定の「雑誌広告」の見本を見せて脅す。その公告には見だしで企業名とスキャンダルの内容が出ている。数百万部の新聞に、そんな「情報」が載れば、影響は計り知れない。企業は、雑誌広告取り消しと手直しを条件に、要求された金額を「合法的」に支払うしかなくなる。本当のスキャンダルならばまだましで、嘘とでっち上げのネタでも同様の手口を行なう。だからブラックジャーナリストなのだ。
この「まとめサイト」がブラックジャーナリストよりも悪質なのは、ターゲットにされると防ぐ手立てがないという点にある。
2ちゃんねるの書き込みは、扱い自体、雑誌である。個人情報や殺人予告でもなければ、嘘の情報を書き込んでもスルーされやすい。名誉毀損のような内容でも、途中で間違っていたとか、間違いを指摘する書き込みがあれば名誉毀損自体が成立し難くなるのだ。その悪意の部分をピックアップした「まとめサイト」にせよ、スレッド自体が「ゆるされている」異常、それをまとめサイトで強弁できる。抗議を受ければ「削除します」で終わり、名誉毀損で訴えることが難しいのだ。その間、RSSで「悪意の見だし」は凄まじい勢いで拡散している。相手を貶めるという目的は果たしている。やった者勝ちというのが実情なのである。
実は、2000年代から、この「まとめサイト」の悪質性は、ネットユーザーの間で、何度も問題視されてきた。とはいえ、この手の悪質な「まとめサイト」は信用度が低く、ネットユーザー自身が閉鎖に追い込むなど対処したこともあり、影響力は限定的だった。「まとめサイト」自体、それほど閲覧する人は多くなかった。2ちゃんねるをコピペした怪しげなサイトという意識がネットユーザーにあったからである。
そのイメージをアドセンスが変えていくことになる。
■ネット洗脳システムの誕生――「まとめサイト」と「アドセンス」の結合
アドセンスに於けるビュー数は「視聴率」と同じ意味を持つ。特にアドセンスの契約は、「1日10万ビュー」がボーダー。1日10万を超える人気が出ると、広告代理店からアプローチがあり、先ほども述べたように「1ヶ月30万円」で契約する。
月30万円あれば、専業しても生活ができる。「プロ化」していくこととなる。多くの管理人は、仕事をやめて、人気を獲得しようと更新数を増やし、サーバーを増強するなど投資を行なう。
ところが、1日10万ビューを切ると、代理店は情け容赦なく契約を打ち切ってくる。プロ化している分、生活が破綻する。ゆえに管理人は、なんとしてでもビュー数を確保しようと必死になる。
グーグルは、そんなプロ管理人向けにリアルタイムの「ブログランキング」というサービスまで始めている。要するに視聴率グラフと思えばいい。プロ管理人は、ランキングをこまめに確認して、どんな記事が人気なのかをチェックするのに余念がない。先ほど例に出した「ベンジャミン逮捕」という記事が、とても人気があるとしたらどうだろう。政治や国際情勢とは無関係の芸能人ネタや軍事ネタを扱っている「まとめサイト」でも、何とか取り上げたいと考えるだろう。
ソース(情報源)となった2ちゃんねるのスレッドを確認して「嘘」や「捏造」、悪意ある自作自演と気付いたとしよう。趣味でやっているときならば、絶対に扱わなかったはずだ。そうした誠実さが、この際との信用を高め、人気となった理由であろうし、仕事の合間、必死に努力した成果でもあっただろう。
しかし、今は「プロ」なのだ。アクセス数を稼がなければ、路頭に迷う。悪魔のささやきに負け、ランキングを上昇させている「まとめサイト」に見習って似たような記事をアップする。かくして「ベンジャミン逮捕」のネタは、多くの人気まとめサイトの記事となって、どんなRSSにも酷い見出しが掲載され続けることになる。
話しはそれで終わらない。
「ベンジャミンネタは、どうやら受けがいいようだ」。ボーダーギリギリで悩んでいる管理人の中には、そう考える人達も出てこよう。逮捕、スパイ、行方不明と続いた。それ以上、インパクトのあるネタはないか・・・。そうだ、レイプ発覚、ホモ説でもいい、となる。この手の悪意ネタは、どんどんエスカレートする。そうして、今度は、別の管理人が2ちゃんねるにスレッドを立て、自作自演の書き込みをして自分のまとめサイトに記事をアップする。すると、どうだ。予想通り、グーグルのブログランキングは急上昇、自分以外の管理人も続々と似た記事をアップしているのではないか。そいつらに先を越されないよう、もっと「ひどいネタ」を仕込んでおかなければ!かくして、ネットユーザーの間で「極悪非道の最低人間、自称ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード」という情報が「共有」され、常識となる・・・。
自分自身をサンプルに説明してきたが、もはや説明するまでもあるまい。
これがネット洗脳のシステムである。
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