2014-02-15

【特集:デフォルト研究】(8)帳簿上の処理で借金帳消しは可能か?

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前回は、日銀に照準を当て、日銀のバランスシート、会計、そして実はそこに現れていない益について扱いました。
今回は、帳簿上の処理で借金帳消しは可能か?について扱います。

過去のエントリーはこちらからどうぞ
(1)デフォルトの歴史 
(2)デフォルト事例(日本の終戦直後) 
(3)デフォルト事例(ロシア財政危機) 
(4)デフォルト事例(アルゼンチン財政危機) 
(5)’13年総括、デフォルトスキムの整理 
(6)バランスシートって何? 
(7)日銀のバランスシートはどうなっている!?
 
 
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さて、前回は、通貨発行益にスポットを当て、中央銀行のバランスシートは、実はバランスしていないと言えるが、原理的には無限に紙幣を増刷できるのが、中央銀行であり、要は、中央銀行のバランスシートは、帳簿上の整合に過ぎない=帳簿上で処理しているだけであるという中間結論を出しました。
 
今回は、このように中央銀行でさえ(だからこそ)実態とは異なる帳簿上の処理でどうにでもなるのならば、帳簿上の処理で国の膨大な借金を帳消しすることが出来るのではないか?
に焦点を当ててみましょう。
るいネットからの引用です。大胆な仮説です。
●米国債デフォルト後の世界経済はどうなる?1〜国債を暴落させて国の借金を減らす軟着陸説
リンク

リセット説の前提となるのは国債暴落を引き金とするハイパーインフレだが、消費欠乏が衰弱し世界的に生産力が有り余っている現代では、ハイパーインフレは起こらない。
かつ、リセット説では大暴動→秩序崩壊が必至で、金貸しにとっても危険極まりない。
そこで金貸しの目論みとして考えられるのが、より安全な軟着陸路線、つまり、デフォルトによって国債を暴落させた上で、中銀が国債を暴落した時価で買い取ることで国の借金を減らすという目論みである。

国債が暴落すると紙幣への信頼も大きく揺らぐので、金(ゴールド)に裏付けられた新紙幣発行が不可欠となる(現在、金価格は’72年値の5倍に高騰しているが、これはロスチャイルドが’00年頃から新紙幣の裏付け用の金を買い占めているためだと考えられる)。
国債を1/10に暴落させた上で、中銀が新紙幣で旧国債(日本では1000兆円)を時価(100兆円)で全銀行から買い取る。中銀が買い取った国債の簿価は1000兆円のままなので、それだけでは国の借金は減らない。旧国債1000兆円を新国債100兆円に交換or評価換えする必要がある。
これによって、中銀のバランスシートは資産負債とも100兆円でバランスする。中銀にとっては新紙幣100兆円で新国債100兆円を買ったのと同じことであり、旧国債1000兆円が新国債100兆円に減価しても痛くも痒くもない。
但し、国債が1/10に暴落すると(物価は上昇しないが)、国債=資産に大穴が開く世界中の銀行は、帳簿上は破産する。
全銀行が保有する額面1000兆円の旧国債を100兆円で中銀に売れば、銀行には900兆円の大穴が開く。そのままでは銀行が潰れるので、中銀が900兆円を中銀債(巨額紙幣)で銀行に資本注入する。(つまり、中銀が全銀行を支配する)
中銀のバランスシートは、資産が新国債100兆円+銀行への資本金900兆円=計1000兆円、負債が新紙幣100兆円+中銀債(巨額紙幣)900兆円=計1000兆円でバランスする。資産と負債が10倍に膨らむだけである。
これによって国の借金が1000兆円→100兆円に減り、差額900兆円が銀行に移転する。これは中銀の貸付先が国家から銀行に変わることを意味する。ツケ回しされた銀行も、中銀から900兆円の資本(中銀債)を受けるから倒産はしない。中銀は銀行から配当収入を得ることができる。

どうでしょうか?すごい手法ですね?この手法を取り入れると、理論的には、帳簿上のバランスシートも資産と負債がバランスし、中銀も市中銀行も全く困らない。ということになります。しかしながら、このような手法は、過去事例を探しても全く実行した国はありません。なぜでしょうか?
通貨発行益で紙幣をいくらでも発行できるという打ち出の小槌を持つ中央銀行、そして中央銀行が市中銀行を救済して結局は、金融機関のみが生き残り儲けている。金融機関は、それが世の中に知られるのが怖い。からではないか?
という仮説をたてましょう。
さて、これまで、中央銀行と銀行をバックで操作することを金貸したちは、背後で、様々画策してきました。
それに対して、時の権力者たちは、金融機関に関して国家が介入しようとすると、その特権を失う恐れがあると感じたか、金貸したちは、様々な陰謀を繰り広げてきたようです。過去の事件を列挙してみましょう。
●FRBに抵抗する者はことごとく暗殺されてきたリンク

◆南北戦争(1861〜1865年)とリンカーンの暗殺
これは一般には奴隷開放戦争といわれているが、米国を乗っ取るための分断化、弱体化を狙ったものである。北軍のエージェントとしては、民主党の大物オー ガスト・ベルモント、南軍は陸軍長官であったジュダー・P・ベンジャミンらの暗躍が挙げられよう。国家負債のための利子付き債権の発行の立案を拒んだリン カーン大統領が暗殺され、後を継いだアンドリュー・ジョンソンは、即座に同法案に署名している。これにより「利子付き債権」を引き受けたのはロスチャイル ドを中心としたユダヤ金融資本で、米国を乗っ取る足がかりを持ったことになる。
◆タイタニック号沈没と財界有力人の抹殺
FRB法案の成立1年前に起きた豪華客船、タイタニック号の沈没も、反対派の財界有力人を抹殺するために起こしたとみられよう。反対派は3人死んだが、 乗る予定だった推進派のJP・モルガンは病気を理由に乗っていない。彼は、タイタニック号の船会社、ホワイトスターライン社の親会社だった国際海運商事 (IMM)の経営者の一人だった。
◆Executive Order 11110とケネディ暗殺
1963年6月4日、ケネディ大統領は、FRB抜きで通貨を発行する権限を政府に与えるExecutive Order 11110に署名した。これにより、11月22日に暗殺されることになった。また、ケネディ大統領は、ベトナム戦争に反対(米軍事産業の利益に反する)、 麻薬撲滅(世界最大の麻薬取り扱い組織であるCIAの利益に反する)、イスラエルの核査察を主張(イスラエルの利益に反する)などを主張して、米国の実質 支配者にとって、はなはだ厄介な大統領だった。
※なお、Executive Order 11110は今でも有効だが、それを行使した大統領はいない。
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近年では、オバマ大統領も1兆ドル硬貨を二枚発行し、FRBだけが持つ、特権に大統領が介入するという手法を取り入れようとしましたが、結局実行には至りませんでした。
リンク

さて、前述した通貨発行益で紙幣をいくらでも発行できるという打ち出の小槌を持つ中央銀行、そして中央銀行が市中銀行を救済して結局は、金融機関のみが生き残り儲けている。金融機関は、それが世の中に知られるのが怖い。からではないか?

という仮説から、更に突っ込んだ分析をしている投稿があったので紹介します。
るいネットからの引用です。
●帳簿上の処理だけで国の借金はチャラにできるリンク

おそらく、理論的には【リンク】のように帳簿上の処理(新紙幣発行)によって、国の借金を減らす軟着陸は可能である。もっと言えば、借金をチャラにすることだって可能である。
何故ならば、中銀には通貨発行益という「打ち出の小槌」があり、「打ち出の小槌」を使えば、国家(あるいは市中銀行)の借金や損失の穴埋めをすることはいくらでも可能だからである。
しかし、理論的には可能だとしても、実際には中銀の「打ち出の小槌」によって借金をチャラにしたという例はほとんど聞いたことがない。一体これはなぜであろうか?
表向きの理由としては、「打ち出の小槌」のように通貨を発行したらインフレになってしまうから(あるいは、財政規律を守る必要があるから)、「通貨の番人」である中銀としては無制限に「打ち出の小槌」を使うわけには行かないということになるのだろう。
しかし、おそらくそれは真の理由ではない。貧困の消滅したデフレ経済構造(供給力>消費力)下では、「打ち出の小槌」でマネーをばら撒いたからと言ってインフレにはならない。(実際、日銀の異次元金融緩和が開始されて1年近くになり、7〜8兆円/月もの国債を買い上げてきたが、ほとんどインフレにはなっていない。)
真の理由は、金貸しが、通貨発行益という「打ち出の小槌」を持っていることを人々には知られたくないし、手放したくないからであろう。もし、「打ち出の小槌」を使って国家を相手に金を貸し、その金利収入で配下の市中銀行を儲けさせている、あるいは、金融緩和政策という名目で配下の市中銀行に利益供与をしている(ex.国債を市中銀行が持っている価格以上で買い取ってあげる)ということがバレてしまったら、中銀のやっていることの本質は結局金貸しグループを儲けさせているだけではないかということになり、中銀は存在理由を問われる。
そして、そんなに旨みのある「打ち出の小槌」があるのなら、公共のため=国家のために使うべきであり、通貨発行益は国家に帰属させるべき⇒国家紙幣へ切り替えるべきという議論になりかねない。そうなれば、金貸しは絶対的な金儲けの手段を失う。

この仮説から見えてきたことは、結局は、金貸したちは、自分たちの利益を失うのを恐れている。そのために圧力をかけてく相手(時の権力者達)を全力で陥れ、世間には、儲けている実態を巧妙にかくしているといわざるを得ない。金貸し達は、それを恐れて、屁理屈をつけて人々を騙しているだけとは言えないでしょうか。
さて次回は、このシリーズの最終回です。お楽しみに!

List    投稿者 orisay3 | 2014-02-15 | Posted in 08.金融資本家の戦略No Comments » 

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