2011-05-14

『脱原発・脱市場 不屈の日本再生!』−7〜原発利権ペンタゴン〜

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毎週土曜のシリーズ『脱原発・脱市場 不屈の日本再生!』
これまで、次々と原発の真相を明らかにしてきましたが、前回は、その利権構造に切り込みました。
産・官・学という強固な利権構造でしたが、実はそれだけではありません。
 
この3者に加えて、公平な報道のはずのマスコミ、原発を誘致した自治体が加わります。
この5者による、より強固な結託、名付けて、『原発利権ペンタゴン』
 
一緒に追求した仲間からはこんな感想が聞かれました。
つくづくマスコミに騙されているんだな、僕ら・・
国民は蚊帳の外、というよりこの利権構造に囲まれている??
原発は作り出すと増え続ける構造にあるのかも
利権構造の根深さを感じるし、これを崩すのは難しく感じる
なんでこんなに利権を求めるんだろう??

 
その見事な利権構造の実態とは
 
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産・官・学の関係は、前回の記事【「脱原発・脱市場 不屈の日本再生!」6  〜原発推進の3角関係〜】を参照して頂くとして、、、
まずはマスコミですが、産・官からの多額の広告料をもらい、原発推進に有利な報道をしています。そして学者を巻き込み、マスコミの偏向報道にお墨付きを与えます。
また、原発自治体に対しては、原発推進団体を通じて、様々な広報活動を展開しています。
 
電力会社とマスコミの結託関係について、ずばり指摘している記事があったので紹介します。
るいネット【原発文化人の罪-ビートたけし氏「地震起きたら原発へ逃げるのが一番安全」、勝間和代氏の朝生発言】より引用

> ジャーナリストの川端幹人さんが「金と権力で隠される東電の闇——マスコミ支配の実態と御用メディア&文化人の大罪」(『別冊宝島』1752号、2011年5月12日発行) と題した記事の中で、「原子力・電力業界がメディアに流している金は、年間2,000億円に迫る。現在、広告出稿量第1位のパナソニックが771億円、強大な広告圧力でメディアから恐れられているトヨタが507億円だから、この金額がいかに大きいものであるかがよくわかるだろう」と指摘しています。

『別冊宝島』の記事の最後で、川端さんは、これまで様々な問題を起こしてきた電力会社が、原発利権構造の中にメディアも取り込み、メディアを支配し、国民的な批判の広がりを封じ込めてきた事例を紹介しながら、「しかも、実際にこのやり方で批判を封じ込めることができたため、この傾向はどんどんエスカレートしていった。その結果、安全対策のコストをカットしても、政治家や総会屋、メディア対策に金をつぎ込め、という空気が社内を支配するようになった。つまり、メディアはたんに原発の安全性チェックをスポイルしただけでなく、それをコントロールする電力会社の危険な体質も助長してきた。二重の意味で国民の安全を危機にさらしてきたのである。今後、福島原発の危機は確実に長期化するだろう。そして、そのまま電力会社からの金が止まれば、メディアのタブーが減退し、東電に対して、手のひらを返したような激しいバッシングが始まる可能性もある。だが、そういう動きが起きたとしても、私たちはこの国のメディアがやったことを決して忘れてはならない。彼らこそが世界をパニックに陥れた最悪の『人災』の、まぎれもない共犯者なのである。」と結んでいます。

この他、マスコミ報道の実態、その見事な戦略は、シリーズ5回目 〜原発安全?! PA戦略って何?〜 で詳しく紹介しています。
  
次に、原発自治体ですが、原発を誘致することで、国から多額の交付金をもらい、また電力会社からは固定資産税をもらう事で、財政を潤わせています。
 
国からの交付金の仕組みはこちら
【よくわかる原子力〜電源三法交付金 地元への懐柔策】より

○電源三法交付金
いわゆる電源三法とは、1974年6月3日に成立した次の3つの法律をさしています。
・電源開発促進税法
・電源開発促進対策特別会計法
・発電用施設周辺地域整備法

電力会社は販売電力量に応じ、1,000キロワットアワーにつき425円を、電源開発促進税として国に納付しています(電源開発促進税法)。このうち、 190円が電源立地勘定で、235円が電源多様化勘定(2003年10月法改正により「電源利用勘定」に名称変更)となります。2003年予算で、この税の総額は4855億円になります。(電源開発促進税率は、今後段階的に引き下げられる予定。)
もちろん最終的にこの税金の負担は、消費者が電力料金に上乗せされて支払っています。
納められた税金は、特別会計に組み込まれ、発電所など関連施設の立地及び周辺市町村に対し交付金などの財源にあてられます(電源開発促進対策特別会計法)。

しかし、原発自治体の実態は、一見豊かに見えますが、目先の利益に踊らされた悲惨な状況が覗えます。
  
原発自治体の苦しい台所事情を指摘した記事を紹介します。
るいネット【原発交付金漬けとなった自治体の構造的問題】 より引用

新潟県中越沖地震で被災し、運転停止した東京電力柏崎刈羽原発がある柏崎市の会田市長は、同市が震災に苦しむ中、「節電に努めるなど、被災地の痛みを分かち合うところがあってもいいのではないか」と電力供給の最大基地である首都圏がこれまでと変わらない生活を享受していることへの反発を吐露している。
ところが、その後の記者会見で、「原発は地球温暖化に貢献するので大事と言われているが、(火力発電の再稼働で)逆に温室効果ガスの排出量を増やすような状況が出てきている」と指摘し、暗に、運転再開を容認する立場に転じている。
この発言は、柏崎市のような、原発交付金に頼らざるを得なくなった自治体財政の苦しさを物語っている。
例えば、柏崎市は1985年に1号機が、7号機が1997年に完成し、1985年から2000年にかけては、原発関連の財源依存度は30%(毎年50〜100億円規模)ほどにもなっている。ところが、原発関連財源は運転を開始してから5年も経つとどんどん減ってくる。その後、柏崎市の財政は、2001年から赤字になり、地方交付税の交付団体となった。これは、2000年以降原発関連財源が急激に減ったからである。
さらに、柏崎市議会で新しい税金を取る条例が通った。これは使用済み核燃料に課税することを容認するもので、自治体では日本で始めてである。市当局は向こう5、6年で30億円程度を見込んでいると言われる。
このように、原発に頼る経済にいったん入り込むと抜け出せなくなるというのが日本の原発立地自治体の構造的問題である。。
「原発は地球温暖化に貢献するので大事と言われている」と言う市長は、本来の交付金頼みの財政を立て直すという役目を怠り、温暖化という社会的な共認が得られ易い都合の良い観念を使い、市民を欺いた訳である。
このように、温暖化という観念は、原子力交付金という巨大な利権を誘導し、一方で地方経済を破壊しているということに我々は気づかなければならない。

CO2温暖化説の真相についてはこちら
シリーズ4回目〜原発推進のために仕組まれたCO2温暖化説!〜
  
この間、浜岡原発を全停止するという方針を出した直後、地元自治体はすぐさま、交付金が無くなると困る、と訴えていました。
(毎日新聞:静岡・浜岡原発:全面停止へ 戸惑い、歓迎交錯 地元市長「財政どうなる」
  
それほど、交付金依存症になっているんですね。。。
参考リンク:【原発立地市町村の財政状況】 
 
以上を踏まえて、原発利権ペンタゴンの相互関係を表した図はこちら  

 
原発利権に関しては、見事な五角形というよりは、原発自治体は半分騙されている気もしますが、結局、この原発利権ペンタゴンに対し、一般国民は全くの蚊帳の外、ということは言えると思います。
強いて言えば、税金を払って、マスコミの偏向報道を得ているだけです。
何の得もしないし、騙され続けているだけ。。
  
このような事実構造の中で、放っておくと、原発は増え続けるだけなんです。
この利権構造を崩さなければ、原発無き社会は実現できないでしょう。
  
そして、もう一つ、原発が無くならない理由として挙げられるのが、エネルギー問題です。
 
よく言われるのは、原発がなければエネルギーが足りなくなる。耐乏生活を余儀なくされるという意見。
 
それは本当なのでしょうか??
 
その辺りを次回扱いたいと思います。
脱原発に向けて、エネルギー問題は解決できるのか?
乞うご期待!!

List    投稿者 vaio | 2011-05-14 | Posted in 08.金融資本家の戦略2 Comments » 

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コメント2件

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