2013-08-26

金貸し、窮地の暴略 その3 〜窮地に陥る必然構造

 
近年、金貸したちの陰謀が白日の下に晒され、支配の仕掛けもうまくいかなくなっています。その代表的な事例が以下の3つです。
 
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 9・11同時多発テロ         クライメート事件          アラブの春(エジプト)
9・11同時多発テロは、石油利権を狙った米国金貸し勢力による自作自演であること。その結果としてイラク戦争は、「大量破壊兵器がある」と世界を騙し、米国により無理矢理引き起こされたこと。それが事件直後からネットで検証されてきた。
②地球温暖化は、データを継ぎはぎし、捏造され、CO2排出権市場の創出や原発推進に利用されてきたこと。しかし、クライメート事件などにより根拠が怪しくなり、市場も原発も逆風であること。
アラブの春のような民主化運動は、金貸し勢力の潰し合いで泥沼化し、支配体制が確立しにくくなっていること。
 
(詳しくは⇒金貸し、窮地の暴略 その2 〜00年以降の金貸しの戦略と結果〜
 
そして、金貸し勢力が目論見通りの結果を達成していないということは、そこには次の二つの要因が横たわっていると考えられます。ひとつは、金貸し勢力同士の潰し合いが激しくなってきたこと。もうひとつは、われわれが金貸したちに騙されにくくなってきたということです。なぜ、いま、そのような状況になってきているのでしょうか。
 

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窮地に陥る金貸し二大勢力、その必然構造
 
 
【窮地①=儲けのパイが縮小】
 
金貸しのように、何も生産せずに(金融)市場で儲けるには手口は大きくは二つしかありません。一つはカネを貸して金利を稼ぐ方法、これは生産者から掠め取る方法。もう一つは商品市場などの相場取引で儲ける方法です。これは同業者から掠め取る方法。
 
価値を創造し、新たなカネを生み出しているのは生産者であり、金貸しはそのカネを掠め取ったり、奪い合っているだけです。つまり、儲けの原資は生産者の創造した価値=生産高なのです。(信用創造の原資でもある)
 
生産といっても、タダ同然のものを1万円で売るようなものも含まれます。そんな“生産”も含めて、その生産高を総計したものが総生産、いわゆるGDPです。つまり、市場の儲け(の総体)はGDPに規定されます。
 
さて、そのGDP。世界GDPは今なお右肩上がりです。
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しかし、日本がそうであるように、先進国では国の借金=国債発行で補填されており、市場のパイは実体として縮小し、儲けの原資拡大は専ら国家頼みだということです。国を支配しているかに見えて、どんどん依存度は高まっています。
 
国としても借金は無限大というわけにはいきません。先進国の債務残高・GDP比率は軒並み上昇し続けています。国債消化に不安を覚え、限界と判断されれば、国家紙幣の発行(中央銀行廃止)という荒技も登場します。それを避けたい金貸しにとっては、国の借金を急成長させるわけにもいきません。 
 
このように儲けのパイの縮小が、二大金貸し勢力の焦りや国家の借金頼みという状況を生み、それが少ないパイを巡る潰し合いを作り出しています。
 
※図は2011通商白書(左)、2012中小企業白書(右)
 
 
【窮地②=巨大資金の成長限界・自滅構造】
 
国の借金は元々過剰資金なので、投機市場に吸収されていきます。市場では利回りを確保するため、資金の何倍もの取引が行われます。常態バブルともいうべき投機市場で勝ち続けている二大勢力は資金は肥大化してきます。その資産額は、一説には、ロスチャイルド400兆ドル、ロックフェラー200兆ドルとされています。(菊川征司著「闇の世界金融の超不都合な真実」より)一方、市場の取引総額は、年間で為替1000兆ドル、債権100兆ドル、株式50兆ドル、貿易20兆ドル、金20兆ドル、石油10兆ドル、そこまでで計約1200兆ドルです。
 
二大勢力が仮に、総資産を10%(60兆ドル)増やそうとすれば、通常のファンドの感覚でいえば利回りは10〜20%ですから、600兆ドル規模の取引を行う必要があります。全取引が1200兆ドルですから、ほとんど不可能でしょう。資産が市場の取引規模に近づくまでに膨れ上がってしまうと、それに見合う資産拡大を図るのは極めて困難だということです。要するに、図体が大きすぎて、通常の取引では埒が明かないのです。
 
そこで、大掛かりな仕掛けが必要になります。それが、例えば、サブプライムローンのような複雑怪奇なしくみです。そのような闇システムは、知らず知らずのうちにプレイヤーを引きずり込みます。その結果、短期的に数兆ドル規模の儲け(誰かの損失)を生み出せます。更に、損失補てんとして、多額の税金を投入させれば、まさに一石二鳥なのです。
 
しかし、この方法は、あまりに金額が大きいため、後遺症も大きくなります。一部人間の儲けはその他大勢の損になるからです。そのようなイカサマ大バクチをバレないように打たなければ維持できない巨漢となってしまっているのです。
  
  
【窮地③=容赦ない潰し合い】
 
先進国は成長限界に達しています。そうなると新たな市場の開拓が必要です。その矛先がかつての東南アジアや中南米でした。現在は中東やアフリカに向いています。それがアラブの春の正体です。反体制派のデモや革命⇒体制派による武力制圧⇒人権蹂躙の国際世論⇒民主化、という仕掛けは金貸し勢力の常套手段ですが、それがスンナリと進まなくなっています。
 
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ゴールドマン・サックスがポストBRICsとして挙げた“NEXT11”  民主化に向けた紛争がおきている国々
 
パイ縮小で、金貸し勢力は必死です。敵の縄張りへナリフリ構わず仕掛けたり、アフリカのような新興地を簡単には取らせなまいと主導権争いが激化していっています。
 
 
【窮地④=笛吹けど踊らず】
  
人々がカネを欲しがっている場合、儲け話しは魅力的です。高度成長社会やバブル経済下であれば、不動産や金融商品への投資は活発になります。それは同時に、儲け話しに乗り易く、だからこそ、その手の話しに騙され易いということになります。
 
しかし、先進国を中心に豊かさが実現され、人々はカネや地位といった私権に魅力を感じなくなり、儲け話しにも乗り難くなっています。騙しの手口を冷静に見られるようになり、美辞麗句は酔わされるものから、怪しい誘いへと逆転します。
 
obamatosuuchii.jpgそれは、世界を舞台にした壮大な騙しも同様です。アメリカの大統領が口走る“民主化”や“平和”という語句も、かつては正義に聞こえたものが、昨今は、欺瞞にしか聞こえなくなりました。 傍から見ていると、仕掛けもワンパターンで、辟易してきます。
 
  
 
 
【窮地⑤=ネット発、素人たちの注視が陰謀の露呈を後押し】
 
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福島の原発事故でも、現場の状況から、放射能の拡散、事故原因の分析も、東電や国の発表よりも早く、正確なものも発信されました。
                                 原発事故を追及するきーこさんのブログ 
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同じリークでも、かつてのようなマスコミ経由の場合では、余計なフィルターがかかったり、反対勢力からのもみ消し工作などが入り、ここまでの露骨な情報の露呈はありません。
                                    9・11を追及する服部さんのブログ
 
  
金貸し勢力衰退の中で台頭してきた“第三勢力”
 
金貸し二大勢力は、いよいよ窮地に追い込まれ、潰し合い合戦で消耗してきています。これに乗じて台頭してきているのが“第三勢力”です。具体的にはロシアや中国、あるいは反米同盟諸国です。これらは、単に、二大勢力の衰弱とともに浮上する金貸し的第三勢力ではありません。その顔ぶれからもわかるように、金貸したちに対抗する「集団主義的国家勢力」です。これらの国々は、金貸しの脅しにも屈せず、支配されずにとどまっている勢力といってもいいでしょう。
 
この金貸し勢力の衰退と第三勢力の台頭という状況は、明らかに、市場主義から脱却していこうとする今後の世界共認の方向性を暗示しているのです。
 
 
 
金貸し勢力の窮地図解
 
以上、展開した内容を図解化してみました。(図を拡大して見る
  
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金貸しの行き詰まりは、1970年頃からすでに始まっており、現在の状況はその結果=必然だと云えます。儲けのパイの縮小、騙しの無効化、反対勢力の台頭などにより、金貸し勢力はいま、窮地へと追い込まれつつあります。第三勢力の台頭とともに、金貸し包囲網が形成されつつあるといっていいでしょう。
 

List    投稿者 staff | 2013-08-26 | Posted in 08.金融資本家の戦略No Comments » 

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