ゴールドの真相に迫る18〜「狙われた日華の金塊」とは?
前回2回を通じて、天皇の金塊を紹介しました。
ゴールドの真相に迫る16〜「天皇の金塊」とは?(1)
ゴールドの真相に迫る17〜「天皇の金塊」とは?(2)
天皇の金塊と同じくフィリピンに隠匿された金塊の存在について書かれた原田武夫著「狙われた日華の金塊」がある☆原田氏によると、情報元や金塊の所有者や金の集積の背景など「天皇の金塊」とは違っている。今回は、「狙われた日華の金塊」を「天皇の金塊」との違いにクローズアップして紹介する♪
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●金塊はイギリス王朝一族の所有ではなく、日中の共同管理下にある
前の記事で紹介したように、「天皇の金塊」では、金塊はイギリス王朝一族が所有しているとあったが、原田氏は下記の3点を根拠に、金塊は日本勢と中国勢が共同管理していると書いている。
①「マーケットの猛者」からの情報
原田氏は、フィリピンに眠る莫大な金塊の情報を、彼が「マーケットの猛者」と呼ぶ、世界中を飛び回り、莫大な金額の取引を繰り返す金融関係者に教えてもらったそうである。その人が言うには、
日本勢と中国勢は、実のところ共同で金塊を管理しています。その莫大な量の金塊はフィリピン・ミンダナオ島にある地下金庫に置かれているのです。現場で直接管理しているのはヴァチカン銀行。(中略)
宗教事業協会(通称:バチカン銀行)
先ほどはわかりやすいようにあえて日本勢と中国勢と言いましたが、この仕組みのトップにあって全体を差配しているのは政府ではありません。中国勢においては華僑・華人ネットワークの最高幹部たち、日本勢においては旧華族や旧軍人たちの間の緩やかなネットワークだと言っておきましょう。(中略)
そしてこのネットワークが差配している金塊はこの数十年で集められたものではない。大航海時代より始まる東西交易の中で、東アジアへ徐々に集まったものなのです。(中略)
いずれにせよ、アメリカであれ、イギリスであれ、日本勢と華僑・華人による緩やかな人的ネットワークが監理しているこの金塊の全貌を把握してはいない。
旧華族や旧軍人達が管理している、ヴァチカンが絡んでいることは、「天皇の金塊」とよく似ている。しかし、金塊の管理者や集められた過程など違いもある。
②シーグレーブ夫妻の大作「ゴールド・ウォーリアーズ」=原点の読み解き
そこで、原田氏は、「天皇の金塊」の原点となる「ゴールド・ウォーリアーズ」を直接紐解いていった。すると、マルコスの時代に、従者・ベンの地図を元にフィリピン勢が盛んに発掘作業を行い、次々に金塊を手にしていくと同時に、その陰に隠れるかのようにではあるが、日本勢がこの頃から「黄金の百合」の発掘を行った形跡がある。
その後、マルコス政権関係者による金貯蔵庫採掘作業が開始。そのような中、ベンは1972年に日本人がバンバンにあった山下奉文陸軍中将(当時)の宿営地近辺で発掘作業を開始していると聞いた。日本人たちがそこで掘り出したサイト(第9サイト)から夜間に何かを積み出していたのを付近の農民たちに目撃されている。
このことなどから、日本勢は全部と言わずとも「黄金の百合」の少なからぬ部分を再び手にしている可能性があり、アメリカやイギリス王朝が全部を支配しているのではないと原田氏は考えた。
③唐の時代から続く華僑・華人NW(日本・フィリピン含む)
黄金の百合の一部は中国から略奪した金なのに、日本が華僑・華人ネットワークとの共同管理をしているのは一見矛盾していることのように見えるが、東アジアの歴史をじっくり紐解くと明らかになると書いている。
★華僑・華人ネットワークにおける海上活動は、8〜9世紀唐の半ばから徐々に、タイ、マラッカ、ヴェトナム、ジャワ、フィリピン、長崎、朝鮮と中国沿岸地域をつなぐ「金融」と「情報」を要とする貿易ネットワークが形成された。
フィリピンは、華僑・華人ネットワークにとって、アジアにおいて実に500年近くにもわたって決済手段として流通する「銀」の集積ポイントであり、とても重要な場であった。
★日中関係全般が表面的に見る限り必ずしも円満と言えない状況であっても、金融マーケットの当局者同士は仲が良いという状態は昔から現在まで一貫して同じだからだ。尖閣諸島や、東シナ海ガス田開発問題を巡る緊張関係がある中、とある日本銀行OBより「日本銀行が最も仲の良い中央銀行は中国人民銀行だ」という発言を公開の場で聞いたことがあり、その場にいた中国側の関係者も大いに頷いていた。
また表面的にも、「人民元の自由化」への圧力が高まる中、中国はアメリカに変わる安定的に中国製品を購入してくれる一方、代金として大量の外貨を支払ってくれる存在=日本勢に接近する十分な理由がある。
つまり、中国国家の動きとは別に華僑・華人ネットワークが何らかの目的で金塊を集めて管理するということはありうるということらしい。
●計画破産を企てる米国が金塊を狙う?
「狙われた日華の金塊」によれば、この華僑・華人ネットワークが管理する金塊を今破産寸前のアメリカが狙っているという。
20世紀後半から現在に至って、アメリカは、大量に国債を発行し米ドルはどんどん紙屑化が進行しているし、アメリカから中国に渡った金の一部がタングステンだったという事件があったりして、経済はガタガタの様相を呈している。そんな中、日本・中国を巻きこんだ“計画破産”を企てていると言う。
というのも、アジアには、歴史的に集めた富をとにもかくにも貯め込んでしまう「退蔵性向」があり、欧米は常にそれをおそれてきた。現在、中国の急成長に見られるように、再び富は着実に東アジアに集積している。
この「アジアの退蔵性向」がどれほどすさまじいものであるのかについて端的に示した数字がある。かつて1820年に中国、インド、東南アジア、朝鮮、そして日本からなる「アジア」は世界の総所得の内、実に58%を占めていた。その後、19世紀における欧州での産業革命、さらには20世紀に入るとアメリカの工業化が進むことにより、1950年には西欧とイギリスの4つの急植民地とが世界所得の56%を占める一方、アジアのシェアは19パーセントにまで落ち込んだ。ところがこの頃から再びアジアは成長を取り戻し、1992年の段階で既に37パーセントにまで回復。2025年には57パーセントに到達し、実に200年ぶりにかつての地位を取り戻すことが期待されているのだ。
欧米勢は、いつの時代もこうしてアジアが蓄積してきた富を、「仕掛け、壊し、奪い去る」を繰り返してきた。今回も狙いはそこにある。
アメリカ勢は、「計画的に」デフォルトし、日本勢・中国勢が対米貿易で得た大量の外貨準備の米ドルに穴をあけることにより、再び奥の手=黄金の百合を使うことを余儀なくさせ、黄金の百合を手に入れることを企てているのである。
「天皇の金塊」によると、金塊はイギリス王朝のもの。「日華の金塊」によると、金塊は日本と中国のもの。事実はどちらなのだろうか?
次回は、副島隆彦「新たなる金融危機に向かう世界」「日米地獄へ道連れ経済」から金に関する部分をご紹介します。
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コメント11件
saki | 2011.11.07 21:28
金貸しが焦り、支配構造を維持するために
自分達も資産としてもっている現紙幣の価値を一旦ゼロにしなければならない理由がよくわからない。現物を既に支配しているのであれば、現在の紙幣の価値を維持するほうが合理的のようにも感じるが・・
MITA | 2011.12.28 21:48
>その背後に支配層の思惑があるなんていうトンデモ
な話は、飼われた立場のマスコミからはとても報道でき
ない内容でしょうし、同時に、そこがわからないから国民
の思考もストップしてしまいます。
3.11以降、マスコミでは報道されない事実が次々と発覚し、
ますます私たち国民が社会を考えていかなければない時代と
なってきましたね。思考がストップしないためにも、真実の
追求、そして今後の社会を一緒に考えていきましょうね。
>これからも更新楽しみにしています。
ご愛読ありがとうございます。シリーズの更新が終わった
ので是非読んで下さいね。
MITA | 2011.12.28 21:50
>SAKIさん
現在、金貸しの収入源である銀行は、預金者に払い戻しが出来ない状況で、負債を抱えており、収入源である銀行は潰れてしまいかねません。でも、現紙幣の価値をゼロにすれば負債を踏み倒すことが出来ますよね。
なので、リセット後には、現物の価値は変わらないので、現紙幣を現物に変え、現紙幣の価値をゼロにした方が金貸しにとって都合が良いということですよ。
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非常に有益な情報ありがとうございます。
震災時は貿易赤字に伴って自然と円安になるはずですが、それを上回る勢いで円が買われているという現象は普通に考えれば凄く不自然なんですよね。
その背後に支配層の思惑があるなんていうトンデモな話は、飼われた立場のマスコミからはとても報道できない内容でしょうし、同時に、そこがわからないから国民の思考もストップしてしまいます。
逆に裏の事実を知ることで、皆も考え出すようになるのだと思います。
これからも更新楽しみにしています。