2008-10-05

基軸通貨の衰退過程と金貸しの動き 〜その1〜

72d_GBP_GBR_p1_50POUNDSboe.jpg 
かつて基軸通貨だったポンドの衰頽過程を探ってみました。 
 
基軸通貨はそれ自体に崩壊構造を持っていると考えられます。
まずは、簡単にその崩壊構造です。
               ↓
【ポンドが基軸通貨の崩壊構造で衰退していく】 
 
英国では、産業革命後基軸通貨体制が19世紀半ばに確立したが、基軸通貨になることで通貨の価値は上がっていき、自国で生産された商品よりも、同等の質で安価な他国の商品輸入が多くなっていきます。輸入が多くなると自国産業は衰退し、国力低下につながという衰退過程を持っています。 
 
そこで、資金蓄積のある投資家や金貸したちは、国力低下を見越して国内より儲かる海外投資へと市場の目を向けていったのです。
つまり輸入ドライブにより、国内産業は低下していくのです。  
 
😈 ここで金貸したちは、イギリスで起こった産業革命の台頭をし始めた、アメリカへの投資を始めます。イギリスの産業は徐々に衰退していき、投資によってお金の流れてきたアメリカは産業が盛んになります。  
 
ポンドの衰頽過程を見ていく中で、はたしてポンドは基軸通貨の崩壊構造のみによって衰退していったのか ( 😈 金貸しの動きと何か関係があるのではないか)
イギリスポンドからアメリカドルへ移行していく流れの中で、ポンド崩壊に大きく影響を与えたと考えられるのが、 
 
①第一次世界大戦のFRB創設とアメリカの遅い参戦
②イギリスの再び金本位制への転換
③第二次世界大戦前に主にドイツから大量の金をアメリカに転移させたBISの役回り
この3つの出来事に関する金貸しの動きにポイントをおき、崩壊体制を見ていきたいと思います 
 
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>≪①第一次世界大戦のFRB創設とアメリカの遅い参戦について≫ 
 
まずは①を見ていく前に、FRBとは何者なのかをみていきます。
【アメリカ(世界)の市場を操るFRB・FRS】 
 
>連邦準備制度理事会 (Federal Reserve Board) …連邦準備制度の統括機関。中央銀行に相当。
14年任期の理事7人によって構成され、理事の中から議長・副議長が4年の任期で任命される。議長・副議長・理事は大統領が上院の助言と同意に基づいて任命する。
金融政策の策定と実施を任務としており、また連邦準備制度の活動の最終責任を負う。 
 
>連邦準備制度(Federal Reserve System, FRS)…アメリカ合衆国の中央銀行で、ワシントンD.C.にある連邦準備制度理事会 ( Federal Reserve Board, FRB) が全国の主要都市に散在する連邦準備銀行 (Federal Reserve Banks, FRB) を統括する組織形態を特徴とする。
金融政策の策定と実施を任務としており、また連邦準備制度の活動の最終責任を負う。       

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

 
 
上記を見る限りでは、FRB・FRSはアメリカの公の機関のように思えますが、実はその正体は全くの別者だったのです  
 
>連邦準備制度(FRS)には12の連邦準備銀行(FRB)が12の地区にある。その株式は、それぞれの民間銀行が保有している。つまり連邦準備銀行は株式会社で、その株主は欧米の大手の銀行なのだ。つまりFRBはアメリカの政府機関ではないのだ。アメリカ政府はたったの1株も所有していない。 
 
>12の連邦準備銀行の内、ニューヨーク連邦準備銀行が金利を設定し公開市場操作を指揮することによって合衆国の通貨の日々の供給と価格をコントロールしている。つまりこの制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主である。そのニューヨーク連邦準備銀行の最大の株主は、ロックフェラーとクーン・ローブが支配するナショナル・シティ・バンクとJ・P・モルガンのファースト・ナショナル・バンクである。従ってこの2つの銀行が1955年に合併したことで、ニューヨーク連銀とそれを通して制度全体をコントロールするようになったのである。 
 
そして、その他にニューヨーク連銀の株式を所有する株主(大手民間銀行のオーナー)は、ロスチャイルド・ファミリー、そしてラザール・フレール、クーン・ローブ商会、ウォーバーグ商会、リーマン・ブラザース、ゴールドマン・サックス、ロックフェラー・ファミリー、J・P・モルガン財閥である。
😈 実際にアメリカひいては世界は、この金貸したちの影響を受けて動いているのである。 
 
>FRSの理事会=連邦準備制度理事会 (FRB=Federal Reserve Board)の理事は7名は、大統領が指名するが、株主である銀行側の意向が反映される人物となるようになっていて、アメリカ政府はFRBに対してなんらの権限も有していない。例えば経営内容の監査などもできない。
参照 日本国家戦略研究所 
 
この制度があることによって金貸したちは世界を相手に金儲けをしているのである。 8)
ではこの連邦準備制度がどのような目的で、どのような経緯で創設されたのかをみていきます。
 
 
【FRB設立に向けての思案】 
 
ポンドの基軸通貨体制の崩壊で、次の儲け先をアメリカにと目を向けた金貸したちは、国家の市場をコントロールできる、イングランド銀行のような(中央銀行)制度を、アメリカにも創設することを考えていました。 
 
アメリカの中央銀行制度(FRB)創設は、創設の中心を担ったポール・モリッツ・ウォーバーグの渡米から始ったのです。 
 
ポール・モリッツ・ウォバーグはドイツのハンブルグとオランダのアムステルダムにある投資銀行M・M・ウォーバーグ商会の幹部でした。アメリカ到着後すぐに、主にロスチャイルド・グループが提供した資金によってニューヨークの投資家クーン・ローブ商会に出資してパートナーになり、その一方ハンブルグのウォーバーグのパートナーにも留まったのです。ここでアメリカの鉄道事業で確固たる支配力を築き、中央銀行制度の創設を進めていきました。 
 
そして、アメリカの中央銀行である連邦準備制度の創設に関する会合が、1910年11月にジョージア州にあるジキル島で行われました。メンバーは以下の7人です。  
 
一、ネルソン・W・オルドリッチ。共和党上院議員で「院内幹事」、全国通貨委員会委員長、J・P・モルガンのビジネスパートナーで、ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアの義父。
二、エイブラハム・ピアット・アンドリュウー。連邦財務次官補。
三、フランク・A・ヴァンダーリップ。ナショナル・シティー・バンク・オブ・ニューヨーク頭取。当時最大の大物銀行家で、ウィリアム・ロックフェラーと国際投資銀行クーン・ローブ商会を代表して参加。
四、ヘンリー・P・デイヴィソン。J・P・モルガン商会上級パートナー。
五、チャールズ・D・ノートン。J・P・モルガンのファースト・ナショナル・バンク・オブ・ニューヨーク頭取。
六、ベンジャミン・ストロング。J・P・モルガンのバンカーズ・トラスト・カンパニー社長。
七、ポール・M・ウォーバーグ。クーン・ローブ商会のパートナーで、英国およびフランスの銀行界のロスチャイルド王朝を代表して参加。ドイツ及びオランダのウォーバーグ銀行グループの長であるマックス・ウォーバーグの兄。
 
 
まさに世界を牛耳っている金貸しばかりですっっ  
 
😈 ジキル島の集まりから生まれたのは典型的なカルテルでした。カルテルとは、独立したビジネスが集まってメンバーの生産や価格、マーケティングの調整を行うグループのことです。カルテルの目的は、競争を抑制し、利潤を上げることです。この目的は、共同で産業を独占し、カルテルがない自由競争の場合よりも高い価格で一般市民に商品やサービスを売ることによって達成されるのです。 
 
>ここでまとめられたアメリカの中央銀行創設に関する内容は、「オルドリッチ法案」として議会に提出されたが、彼とJ・P・モルガンとの関係がとり沙汰され廃案に追い込まれた。
そこで再度、今度はこの法案を手直しした後に銀行改革法案の形で別の議員から提出させ、1913年議会で通過させたのだ。この時、表立っては銀行家たちは「反対」を表明した。このため現代でのこの連邦準備制度は民間銀行に批判的な機構と思われていると言われている。
この時のタフト大統領は中央銀行創設案には反対だったため、モルガンは進歩党を設立し、セオドア・ルーズベルトを支持し、共和党を分裂させることによって伝統的な党路線を離れて中央銀行創設案を支持する民主党のウッドロー・ウィルソンを大統領に選出させた。 
 
>1913年に、ウッドロー・ウィルソン大統領がオーウェン・グラス法に署名し、同年多くの上院議員が休暇中の12月23日に、ワシントンD.C.に駐在する連邦準備制度理事会と12地区に分割された連邦準備銀行により構成される連邦準備制度が成立した。  
 
【第一次世界大戦のアメリカの遅い参戦】
戦争の利益 😈
金貸したちは、戦争当事国政府に金を貸して利子をとるだけではなく、(もちろんそれもあるが、)一番の見返りはつねに、市場で政治的に優遇されることでした。 
 
>ヨーロッパに戦火があって、英国とフランスは多額の債務を背負うことになった。それぞれの中央銀行と地元商業銀行が融資の要請に応じきれなくなったとき、困り果てた政府はアメリカ人に助けを求め、1915年モルガン家が英国陸軍省と融資契約を結び、その他の国についても取引し、多額の利益を得た。
その後、戦況が連合国側に不利に展開し始め、ドイツと枢軸国の勝利は目前になっていた。
しかし、モルガン・グループは英国とフランスに15億ドルの債権を持っていた。戦況が不利になって、投資家は全額を失う脅威に直面した。そこで、アメリカ参戦への道を歩んでいったのです。  
 
>ここでもまた、アメリカ合衆国が勝敗の帰趨を決定できる時期に参戦し、さらに多額のアメリカドルを連合国側に融資すれば、戦争終結後の和平条件を左右する立場に立てるという考えのもと、仕組まれたルシタニア号の沈没を理由に参戦したのである。  
 
ウィルソンは連邦準備制度理事会の理事を指名し、連邦準備銀行が戦争の資金を準備し、この連邦準備銀行の株主たちがマスコミを使って参戦を宣伝し、銀行家の支援で大統領となったウィルソンが参戦を決定したのである。  
 
イギリスの産業が落ち込み始め、金貸しがアメリカへ目をつけた時から、金貸したちはアメリカでの儲けるための制度を確立し、さらに儲けるために戦争へと向かっていったのです。  
 
草思社 「マネーを生み出す怪物 連邦準備制度という壮大な詐欺システム」 著G・エドワード・グリフィン  吉田利子 訳 参照

List    投稿者 marimo | 2008-10-05 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨, 08.金融資本家の戦略4 Comments » 

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コメント4件

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