2007-12-04

CO2排出権を買い始めた日本

「ハンガリーって先進国だっけ?」こんな疑問もあるのですが・・・・・
%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%BC.jpg
出典
「CO2排出枠を購入〜ハンガリーの最大1000万トン(政府交渉へ)」(2007.11.26:毎日新聞)

政府は京都議定書で義務付けられた日本の温室効果ガス削減の目標達成に向け、ハンガリー政府から排出権取引(ET)により、余剰排出枠を買い取ることを決めた。

この記事の詳細によると、1,000万トンのCO2排出量を200億円で購入する目論見らしい。・・・・?????
応援おねがいします

にほんブログ村 経済ブログへ


要は、経済活動停滞中の東欧(今回はハンガリー)から、余剰分を買う。 CO2削減には寄与していない行為ってことは素人にも分かる
こんなんありか?って感じですよね。
一応、ハンガリーに支払う代金は、使い道を省エネなどの環境対策に限る「グリーン投資スキーム(GIS)」で行われるとの事ですが・・・・
しかし、この方式は「ET」(引用記事中にも記載有ります)と呼ばれ、「京都メカニズム」(京都議定書に定められた温室効果ガスの削減方法)の一つなんです。
ここで、この「京都メカニズム」というものを調べてみると・・・・下記の三つの方式がある。
①クリーン開発メカニズム(CDM)
先進国同士が途上国で削減事業を共同実施し、成果の一部を自国の削減分ににできる。
②共同実施(JI)
先進国同士が共同で事業を実施し、その削減分を投資国が利用する。
③先進国同士で各国の削減目標達成の為に排出枠を売買する(ET)
①②は何らかの、削減事業をするって事でまだしもだが、「③はないよな〜」
フェアじゃないって考えるのは、私だけでしょうか?
でもこれで、削減目標4,000万トンの内、1,000万トンつじつまが合うのですから、なりふり構わずって所でしょうか?
%EF%BC%A3%EF%BC%AF%EF%BC%92%E5%89%8A%E6%B8%9B%E7%9B%AE%E6%A8%99.JPG
出典
日本政府は、今後ポーランドなどとも交渉して行くらしい・・・・
しかし、この調子で全部お金で帳尻合わせると、800億円支払うことになるわけで、京都議定書って、決めただけで大きな金が動くって事が実感できて来ました。
ところで、世界TOPの産CO2国のアメリカではどうしているのか気になるところですが、ちょっと面白い記事を見つけました。
アメリカ:石炭火力発電復権の動き(janjan:2007/20/20)
「バンク・オブ・アメリカ」や「シティ」などの米国の大銀行が巨額の資金を石炭火力発電所につぎ込んでいる。
現在建設が予定されているのは150基ほど。「熱帯雨林アクションネットワーク」のレベッカ・ターボットン氏によると、これによって大気中への炭素の排出が6〜11億トンも増加するという。現在、地球上全体では80億トンが排出されているから、相当の増加量だ。

さっきの計算で行くと、この増加分だけでも、
最大11億トン×200億円/1,000万トン=2兆2,000億円分
CO2排出量が増加することになる。

2006年、「シティ」は、380億ドルをエネルギー産業に投資したが、石炭などの「汚いエネルギー」のわずか200分の1の資金しか代替エネルギーに投資しなかった。これが、米国で「最も環境にやさしい」と呼ばれている銀行のやっていることなのだ。


批判も少なくないらしい。
しかし、アメリカの電力事情を見てみると無理もない。
%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E4%BA%8B%E6%83%85.JPG
出典
見ての通り、石炭火力発電が、電力需要の1/2を占めていて、原子力発電は停止していくロートルばかり。国内に石炭はたんまり埋蔵されているわけで、石炭火力を建設しないって手はない。しかもここに来て原油の急騰。今後、石炭に傾斜して行くことも間違いないでしょう。
シティやバンカメの先見投資は流石というか当然なのでしょうね。
現在でも、石炭火力は、発電量50%を担いながら、発電由来C02排出量の80%を占めている。
今後アメリカのCO2を押し上げていく中心的な存在になることは間違いない。
実際、アメリカの空がどんなことになっているかは?この事件が良く物語ってくれています。
北米大停電

2003年8月14日に起こったアメリカ史上最大の停電。ミシガン州からニューヨークにまたがる一帯,北米で最も人口の過密した帯状の地域を暗闇に包んだ。−−−<中略>−−−環境面では,停止していた米国中西部の発電所の風下にあたる地帯で,空がいつもよりきれいになり,停電後の24時間に航空機が採取した空気は,二酸化硫黄(SO2)が90%減少,オゾン濃度が半減。一方,視界は40km 以上向上していた。

実際は、CO2よりも、公害の方が問題な気もしてきますが・・・・・
こんな動きもあるようですが、何処まで本心でしょうか?

アル・ゴア元副大統領や、上院議員のジョン・エドワーズ、ジョン・ケリー、ハリー・リードの各氏は、石炭火力発電所の新規建設凍結を訴えている。


実際は、CO2排出量が増えて、排出権が沢山売れたほうがゴアさんチームにとっては「都合が良い方向」という気がしないでもないですが・・・・
このまま日本政府は、まんまと食い物にされていくのでしょうか???

List    投稿者 gokuu | 2007-12-04 | Posted in 08.金融資本家の戦略No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2007/12/419.html/trackback


Comment



Comment