2009-06-08

■アメリカ金融史10〜アメリカ(人)の意識を統合する観念=自由

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前回記事(リンク)でアメリカという国が市場を維持するためには戦争に頼るしかない構造にある、ということが見えてきました。 
 
そのようなアメリカを支える思想は何なのか?を扱ってみようと思います。 
 
●アメリカ人が『自由』にこだわるのは何で?
移民の集まりであるアメリカは、民族的統合性を欠いていて、社会的に分裂構造を内包している為、他の社会より人為的な統合観念を強力に必要としてきたからです。 
 
それは、メイフラワー誓約の成文契約から始まり独立宣言から一貫して法文化や、アメリカの政治体制を定めた憲法(1787)が世界最古の成文憲法という点に現れています。「契約→法文」「理念→価値観念」に対して意識過剰なぐらい脅迫観念的にこだわるのです。 
 
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●なぜこだわるのでしょうか?
今までシリーズで何度か言われてきたようにアメリカは、独立以来わずか200年の歴史(イギリス領植民地の設立からでも400年)しかなく、アメリカ社会は近代(市場)とともに始まりました。 
 
当時のヨーロッパの封建・君主制の固定された身分社会からの抑圧から逃れてきた移民によって建国され、そして現在も移民を受け入れることで維持されてきた国家ともいえるのです。 
 
そして、この移民の国に「アメリカンドリーム」があると言われる様になった背景には、この当時の人々が移民してきて何もないところから富を獲得するに至ったからです。 
 
この国は『誰にも自由に富を獲得する機会が平等にある』ということが、
・アメリカン・リベラル  (=自由→私権を勝ち取る自由)
・アメリカン・デモクラシー(=政策決定の参加が開かれている→誰にも私権を勝ち取る                           機会が平等にある)
という観念に置き換えられ、国家の統合観念となっていったのです。 
 
この観念が、アメリカのとって市場拡大・成長・大国化の源泉であり逆に言えば限界、他国にとっては問題の素となっていきます。 
 
近代の経験しかない多元的な移民の集まりの国ゆえに、強い警戒心を持った排他意識で、自己の存在(アイデンティティー)となっている『自由』という観念に執着しているということなのです。 
 
●『自由』へのこだわりが帝国主義をもたらした
建国から第一次世界大戦のころまでの産業を市中にして広大な大陸を市場化していくまでは、富の獲得の機会がはっきりと意識できたのですが、第一次大戦を経て大陸のフロンティアが消滅すると、『誰にも自由に富を獲得する機会が平等にある』という理念は崩れ始めます。 
 
そして、その後に起こった株価の大暴落から、世界大恐慌(1929〜1933)を迎え、恐慌に対して何もしない政府に不満が高まり、ニューディール政策を公約とするルーズベルトが大統領に当選します。しかし、土着的共同性がないゆえに、自己の「富」を最優先する自由の国アメリカでは、国家主導で平等に福祉を施すニューディール政策は成功しません。 
■アメリカ金融史9 〜市場の維持・拡大には戦争しかないアメリカ〜 
 
しかし、ニューディール政策で、大衆の意識は、『自ら私権を獲得する機会を求める』というものから、『国家が権力によって獲得した富みの配分に国民が参加することを要求する』という方向に大きく変化します。その結果、国家が能動的に富を獲得し、その私権を国内に還元して分配する必要が高まり、国家の能動的行動は、他国への侵略行為を助長し国家権力を肥大していきます。  
それが、アメリカの帝国主義に繋がっているのです。その手段として「武力介入」が発生し、そのために軍事力も拡大し続けてきたのです。 
 
つまり、大衆の『自由』へのこだわりがアメリカに帝国主義をもたらしたのです。 
 

List    投稿者 shijimi | 2009-06-08 | Posted in 08.金融資本家の戦略9 Comments » 

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コメント9件

 mihori | 2009.12.15 3:10

北欧やチェコやアメリカでトリウムの研究が進められてるとありますが、
日本ではあまり行われていないってことなんでしょうか?
Dr. Done氏が、トリウムの原子炉開発を担われていたというのにびっくりしました。
ちょっぴり専門的だったのでちゃんと理解できているかはあやしいですがf(^^;、トリウム原発がこんなに小さく実現できるものなんだと衝撃を受けました!なんか勝手にすごく大きなものと思っていたので。でも、そうやって実現できるのも諦めずに追求⇒協働者の発掘をされていたからなんですね☆
しかし、このトリウム原子炉を84万基という数は、実現可能なものなのでしょうか?続きが気になります!!!

 ケンちゃん | 2009.12.15 9:43

常温核融合のエントリーをトラックバックさせて頂きましたが、うまくトラックバックできませんでした。
よかったら見て頂けるとうれしいです。
http://ken-an-china.jugem.jp/?eid=293

 Dr. Done | 2009.12.15 13:01

あそーさん
第2回のブログにコメント、ありがとうございました。Done Done!
文章だけでなく、画像まで観賞(!)してくださり、嬉しく思っております。さっそく第1回目の分から、画像を大きくしました。今回は、設計図ですが、ベクトル化のやり方だ分からないものですから、とりあえずこんなもので・・・。4回目からは、画像も楽しんでいただけるようがんばります。といっても、実際にがんばっているのは、協力者のデザイナー、Qさんなんですが・・・。
mihoriさん
毎度コメントありがとうございます。Done Done!
ご存知の通り、原子力に関しては、高速増殖炉もんじゅに拘り続ける日本は、世界でも最もl硬直的な政策をとり続けている国です。プルトニウムの産生を永続するこの政策は、実は世界にとっては潜在的な「核の脅威」となっているわけで、日本がその気にねれば、直ちに核兵器をつくることができるわけです。
つまりアイゼンハワー大統領の発想と全く同質の核政策を、暗黙のうちに日本がとっていると非難されても仕方がないわけです。こうして、日本の政府および原研においては、トリウム原発は、無視、軽視どころか、敵視すらされてきたのです。実は原研の労組も、立場は原研と全く同じで、民主党の原子力政策は、原研労組を基盤に当選している議員が書いているものですから、民主党にもトリウム炉を認める気はさらさらありません。
いっぽう、オバマ政権が、トリウム炉の実現に向けて舵を切るのは、時間の問題であると思われます。今や、原子力政策や核政策について、世界で一番問題なのは日本であると言えます。日本のマスコミも、トリウム原発については、長年、基本的には無視、軽視、敵視を続けてきており、問題です。さらにウラン−プルトニウム・サイクルとトリウム・サイクルを一把一からげに「反原発」を叫び続ける日本の反核運動も、事実上は敵に贈る存在になっています。
次の映像をぜひごらんいただき、感想等お聞かせいただけると嬉しいです。普天間基地を辺野古に移転するか、グアムに移転するかという問題についても、示唆に富む映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=itFI87hixy0
ケンちゃんさん
毎度コメントありがとうございます。
常温核融合や常温核転換などは、自然界においては日常茶飯事に起きている普遍的な「事実」であって、イデオロギーでどうのこうのとあげつらうテーマではありません。科学者たるもの、まず事実に対して謙虚でなくてはなりません。めんどりにカルシウムを含まない餌を与えても、ちゃんと卵はカルシウムの殻に包まれて産まれてきます。めんどりの体内で、核変換が行われている証拠です。
核融合はまず科学のテーマとして、次に工学のテーマとして、そして将来は産業のテーマとなるべきものだと思っています。また、超伝導コイルが安価に量産できるようになれば、僅かな太陽光エネルギーから、使っても減らない誘導電流エネルギーを無限に取り出すことも夢ではありません。いずれも22世紀には、当たり前のごとく実用化されているエネルギーでしょう。
私はトリウム原発について、科学者レベル、工学者レベルの研究開発段階から、これを産業家レベルのテーマにするべく取り組んでいるわけです。22世紀のエネルギーまでを架橋するエネルギーは、トリウムしかないと認識しています。したがって架橋するまでに必要な核エネルギーの総量は「1兆kWe」と言っているわけで、その先には、核融合や超伝導誘導電力が実現する時代が訪れ、後進がバトンを継いでくれるものと信じています。
私の余命はあと15年なので、それまでにトリウム原発の産業基盤を人類規模でグローバルに実現したいのです。常温核融合や超伝導の研究者たちには、常に、「後は頼むよ」という願いをもっています。トリウム原発の産業化を人類規模でグローバルに取り組んでいる人が他にいないようなので、私は私のミッションの意義を理解しています。と同時に、応援してくださる方が、一人でも増えることを願って、このブログを書いている次第です。
Done Done!
Dr. Done

 yaga | 2009.12.16 16:52

>次世代エネルギーを論じるに当って、人類が必要とするエネルギーの総量を、計数的にもイメージ的にも、時系列的にも、はっきりと把握することはきわめて重要です。
次世代エネルギーというと、可能性の片鱗が見えてくるところまでで精一杯なものが多いと思います。
そんな中、Dr. Done氏の探求は現実の必要性が出発点になっている、というところに、共感させられました。

 Dr. Done | 2009.12.16 21:35

コメントを入力してください
vagaさま コメントありがとうございます。Done Done!
次世代エネルギーの問題を論じるとき、少なくとも石油の次世代として石油に代替するエネルギーについては、それが科学の段階にあるのか、工学の段階にあるのか、産業化の段階にあるのかを明確にしないで論じるわけにはいきません。石油に直接代替する次世代のエネルギーは、今すぐ産業化ができるのでなければ、現実的な代替エネルギーになることはできないのです。
とくに人類の3分の1が、電力を全く知らないことに配慮するなら、少なくとも次世代エネルギーは、現状のあらゆる電力生産コストよりも、はるかにローコストで供給できるものでなければ、広範な非電化地域を無くすことはできません。
今日本には、原発5000発を生産できるだけのプルトニウムが蓄積されています。世界が日本に向ける眼差しは、日本を潜在的な核保有国であると見ています。このプルトニウムを無くすという1点においても、次世代のエネルギーが、トリウムしかありえないことはあきらかです。もちろんトリウムが主役に躍り出るのは今世紀であって、22世紀には当然主人公は代わるでしょう。そのように考えるならウランよりもはるかに大きい埋蔵量をもつトリウムについて、21脊柱に枯渇する心配は全くありません。
エネルギーというテーマは、全人類的テーマであるわけですから、まさに全地球的・全人類的スケールで、産業化、商業化が考えられなければなりません。このテーマは当然ですが、科学者や工学者の手には負えないわけで、まさにグローバルな視野をもつマーケッターの領域に委ねられるべきテーマです。この連載は、そのような視野で書いていくつもりです。
次回は21日の予定です。お楽しみに・・・。
Dr. Done

 かつ | 2009.12.18 6:44

コメントでご紹介の映像「米核政策の「チェンジ」へ、鍵を握るのは日本」はホント考えさせられますね。
人類の歴史上で唯一、核兵器の犠牲になった国、日本の反対で米核政策の「チェンジ」を打ち砕いたらホントに悲劇です。
是非とも唯一の被爆国である日本からプルトニウムをも燃料として焼却し、エネルギーに変えてしまうことのできる唯一のトリウム熔融塩原子炉を普及させることを実現したいですね。
84万基という数はホント天文学的な数字ですが、どこに設置するかとかも考えておられるのでしょうか?私もmihoriさん同様、続きが気になります。
最近はCOP15などで温室効果ガス削減について論じられていますが、トリウム熔融塩原子炉でエネルギーを生成する際に発生する温室効果ガスは、他のエネルギー生成手段に比較して有効な手段なのでしょうか?素人な質問ですいませんがご教示いただけると嬉しいです。

 Dr. Done | 2009.12.18 17:07

かつさん
コメントをいただき、ありがとうございます。Done Done!
日本は原爆を5000発もつくれるだけのプルトニウムを備蓄しています。これで日本は被爆国であり、平和憲法の国ですので、核武装などめっそうもございません、という顔をしたところで、世界のどの国が信用してくれるでしょうか?
北朝鮮の核武装や、イランのウラン濃縮にケチをつける前に、ご自分の顔を鏡に映してとくとご覧じろ、などといわれて、返す言葉があるでしょうか?
反原発を叫ぶ人々こそ、先頭を切ってトリウム原発の推進を訴えてもらいたいものです。それができないのであれば、溜まる一方のプルトニウムを無くす方法をきちんと表明するべきでしょう。
84万基の設置計画については、はっきり申し上げればきちんと計画しております。基本的なポリシーは2050年の人口分布をもとに、人口に比例した設置を実現したいと考えています。その具体案の発表まで、楽しみにご期待ください。
「温暖化」が叫ばれている一方で、科学の世界では、すでに「寒冷化」にどう対応すればいいのかという議論も始まっています。温暖化の立証データに、作為があったことも暴かれています。事実に謙虚であり続けるためには、安直に「温暖化」阻止キャンペーンを鵜呑みにしない姿勢も大事ではないでしょうか。私に取ってCOP15は茶番にしか見えないのですが・・・。
ただしトリウム炉がエネルギーを生成する過程では、CO2の排出はありえません。ただし、炉を生産する過程で必要となるエネルギーの生成過程においては、CO2フリーということはありえません。
太陽光発電にしろ、風力発電にしろ、あるいは電気自動車にしろ、水素自動車にしろ、それらの装置は全て化石燃料によるエネルギーを使わないで作られているわけではないという事実も、しっかりと考慮にいれなくてはなりません。CO2フリーをうたい文句にするならなおさらのことです。
Dr. Done

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