2017-12-01

世界を操るグローバリズム-12~第一次世界大戦はオーストリア皇太子暗殺が原因なのか~

 

 

 

世界大戦1 世界大戦2

第1次世界大戦の主要な目的の一つがグローバル化にあるとのことです。これは各国の主権を制御し、世界統一政府を目指そうとする金貸しが背後にいる。

確かに、オーストリアの皇太子殺害がきっかけで、ヨーロッパ全土を巻き込む大戦に発展したのかは、まったく説明が付かないことです。しかも4年もの間続き、死者2000万人にも達した。

 

新秩序を設けるには、それまでの秩序を崩壊させる必要があるというのも金貸しの考え方とのこと。戦争による利益を超えた統合目的が戦争には秘められているということは、なるほどです。

 

以下、『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く(馬渕睦夫著)

からの紹介です。

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■■ 第3章 第一次世界大戦とロシア革命の真実

■第一次世界大戦はオーストリア皇太子暗殺が原因なのか

 

第一次大戦がなぜ起こったのかを理解できる人は少ないと思います。

教科書では「オーストリアの皇太子がセルビア人の青年に暗殺されたことがきっかけで始まった戦争」ということになっていますが、それが戦死も含め2000万人も死者が出るほどの戦争に至ったのは理解しがたいことです。

 

確かに、当事国にとっては重大なことだったと思いますが、ヨーロッパの国々を巻き込み、アメリカ、ロシアを巻き込み、日本も巻き込まれました。それほどの世界的な大戦争をする必然はどこにもありませんでした。

 

しかし、大戦争をすると利益を得る集団が世の中には存在しています。戦争で利益を得る軍産複合体のような勢力は軍拡競争を煽り、戦争を煽ります。第一次世界大戦についても、既存の歴史観に縛られないで、煽られた戦争であった可能性を考えて見る必要があります。

 

戦争については、原因からではなく結果から考えてみると見えてくるものがたくさんあります。

 

第一次世界大戦の結果、何が起こったのか。一番大きな動きは、国際連盟が設立されたことです。国際連盟設立で得をしたのは誰かを考えていくと、大規模な戦争が勃発した理由が推測できます。

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国際連盟というのは国際主義を推進するための機関であり、言い方を換えると各国の主権を制限するものです。これはユダヤ思想そのものなのです。

世界の国の主権を廃止して、世界から国境をなくし、世界統一政府を作ろうとする。今の言葉で言えばグローバリズムです。

 

国家の主権を超えて、各国の上に国際連盟というものを置く。これは世界統一政府に向けての第一歩です。

 

国際連盟はアメリカのウィルソン大統領が提唱したものですが、各国で設立受け入れの気運が高まったのは、2000万人もの戦死者を出してしまったからです。この荒廃ぶりを見て、文明国がこのような悲惨な戦争を二度としてはいけない、世界平和のために「新しい秩序」をつくろうということになり、国際連盟が設立されました。

 

今までになかった新しい秩序をつくるには、既存秩序の崩壊が前提になります。安定した世界の中では新秩序の機運は生まれません。世界を著しく荒廃させれば、人類は必ず新秩序を求め始めます。それが目的で第一次世界大戦を引き起そうとした人がいたのでは、と考えると、歴史は一変して見えてきます。

 

第一次世界大戦のもう一つの側面は、ロシア革命との関連です。

日露戦争の際に革命の萌芽がつくられ、革命的な反皇帝の雰囲気がロシア国内に醸成されました。その動きさらに徹底させるには、更なる混乱が必要でした。

 

歴史の中では戦争と革命は表裏一体です。戦争で物資を破壊し、人心を荒廃させる。そうすると新しい秩序を求める気運が高まり、革命がやりやすくなります。

 

こういった視点で歴史を眺めて見ることも重要です。

 

■主権の制限が中途半端に終わった国際連盟

 

第一次世界大戦だけでは国際主義者が期待したような世界秩序は生まれません。

国際連盟によって各国の主権をある程度制限することには成功しましたが、世界統一政府を目指す人たちにとっては不十分でした。

 

また、国際連盟の提唱者であるアメリカが議会の反対で批准をしませんでした。

アメリカが国際連盟に入らなかったのは、アメリカ議会の三分の一以上の議員が反対したからです。議員の過半数の票は超えていましたが、批准に必要な三分の二には達しませんでした。

 

国際連盟は、第一次世界大戦を望んだ人たちの意に添わない結果に終わりました。もう一度大きな混乱が必要だと考えた人たちが第二次世界大戦への流れをつくっていきました。第二次世界大戦後には、今度は国際連合というものができました。国際連盟よりもさらに国家の主権を制限する体制です。

このように結果から見ていくと、起こるはずのない大規模な戦争が起こった経緯が見えてきます。既存の歴史書は一連の流れを説明してくれませんが、論理的に詰めていけば、大きな流れが浮かび上がってきます。

 

軍拡競争を煽って戦争を仕掛ける人がいなければ、あれほどの犠牲を払った無益な戦争が起こる必然性はなかったと思います。第一次世界大戦には停戦のチャンスはいくらでもありました。ところが、どういうわけか、その都度停戦の機会はつぶされて、4年間もの間、流血が続きました。

 

第二次世界大戦はさらに長く続きました。1939年から数えると6年間にも及ぶ戦争でした。第二次世界大戦も停戦のチャンスは何度もありましたが、停戦には至りませんでした。

戦争というものは、突発的に起こることはまずありません。

自衛のために戦った日本のように、侵略に立ち向かった戦争がないわけではありませんが、多くの場合、必然性のない戦争が起こっています。必然性のない戦争が起こった背景には何があるのかをよく見極める必要があります。

List    投稿者 tasog | 2017-12-01 | Posted in 07.新・世界秩序とは?, 08.金融資本家の戦略No Comments » 

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