2009-04-21

『人類の適正数』とは何によって規定されるのか?

4月18日の記事にバランスさんから提起いただいている疑問、せっかくですので追究してみたいと思います。
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画像は「寄生獣」。増えすぎた人間を減らすべく、パラサイトがどこからか送り込まれ人間を襲う、というストーリーだったですね。
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まず、なんでこんなに人口が増えてきたのか?を考えてみましょう。
るいネットにも紹介がある、 『★教育とパソコンと科学の、個人運営の【ハマダ】のindexページ』 さんから引用させていただきます。(元HPに繋がらないので、キャッシュを貼らせていただいてます。)

★ 貧しいから人口が増えるのか?(それが本当の原因か?)
人口爆発の正確な定義はありませんが、急激に人口が増える事を人口爆発とします。
20世紀以後の約100年間で、地球上の人口は4倍以上になりました。
これは、人口爆発だと言っても過言では無いでしょう。
人類の約10000年にわたる長い歴史をみても、最近の100年間の人口増加は異常です。
それでは、この100年間では、いったい何がおこったのか?

                            
確かにそう感じます。
誰もが一度は行き当たる疑問ですね。                                            

そして、その原因は何なのか? 対策は何をすれば良いのか? これから検討してみます。
よく言われるのは、発展途上国の人口増加を取り上げて、
                                                             
1、貧しいから 
2、教育水準が低いから
              
3、避妊法が広く知られていないから
                                                        
などと、一般には考えられていますが、これは本質を見失った議論です。

ふむふむ、ではその本質とは??                                      

1、人口爆発の結果、貧困がひろがってしまったのです。
地球上の全ての生物は、環境の中でバランスをとって生き延びて来ました。
環境が豊かになれば、生物の種類も、個々の生物の個対数も増えます。
また、環境が貧しくなれば、生物の種類も、個々の生物の個対数も減ります。
人間だけが、例外では有りません。大昔の恐竜が絶滅したのも環境が急激に変化したからです。
現在の地球上でも、急激な人口増加も人口減少もせず、安定的に生活を維持しているのは、
先進国の影響を全く受けない、ごく少数のへき地に住む、先住民族のみです。

なるほどそうですね。ではなぜ人類(≒現代人)はここからはずれてしまったのでしょうか?

急激な人口爆発を起こしているのは、先進国と経済的に繋がっている、
むかし植民地だった諸国や産油国などの資源輸出国であります。これは、何を意味するのでしょうか?
貧しさは人口爆発の原因では有りません。急激な人口爆発が結果として貧しさをつくり出したのです。
日本の歴史を振り返ると、ここ100年間で人口は約4倍に増えました。
アメリカは200年間で人口は約10倍に、ヨーロッパ諸国は300年間で人口は10倍に増えました。
先進諸国は、精神的な荒廃、物質的な欠乏、環境の悪化などから、すでに人口爆発を終了しています。
言葉を代えるならば、人口が増える余地が、全く無くなってしまったと言う訳です。

先進国の影響を全く受けない先住民族は人口的に安定しており、影響を受けるようになった国は人口爆発する。
これはどういうことなのでしょうか?

2、人口爆発の原因とメカニズムについて
人口爆発の原因とメカニズムを、下に1つの物語りとして表記します。
ここに古典的な先住民族の村が有ります。人々は何1000年前からここで暮らして来ましたが、
人口は長い間では、多少の増減がありましたが、長い歴史で見れば、ほぼ一定でした。
そして、この村には、先祖からの多くの言い伝えや、掟があり、人々はそれを守って来ました。
例えば『一人でかってに山え入ると祟りがある』『木を多く切ると祟りがある』
『物を独り占めにすると祟りがある』『生物を必要以上に殺すと祟りがある』・・・など
これらの事は、先進国の人々にとっては迷信だと思われます。
しかし、根拠が全くない訳ではありません、深く考れば『自然の知恵、生存を維持するための知恵』です。そして、これを守る事で、この古典的な先住民族は、何1000年間も生き延びて来ました。

本来、人類の生活は、山や木、ほかの生物といった「自然」との密接な係わり合いが大前提だったようです。

人口爆発は、外部からの要因がきっかけになって起ります。
この村では昔からコーヒー豆を自給自足で栽培していましたが、外国人がこの村にやって来て
その外国人がコーヒー豆の取引きをしたいと申しました。
コーヒー豆の取引きをすることは、昔からの掟に反するが、物やお金による誘惑に負けて、
村人全体の話し合いの結果、外国人と取り引きする事に決まりました。
それから、村びとはより多くの物やお金を手に入れるため、土地のほとんどをコーヒー畑にかえて
商品作物となった、コーヒー豆の栽培に励みました。
その結果、村全体は以前に比べて大変豊かになり、人口は大幅に増加しました。

そして、更に豊かになるために、コーヒー豆の栽培の効率を上げる目的で、
才覚のある人が、ひとり一人の小さい土地を集約して大規模な農園をつくり、コーヒー栽培をしました。
ここで、土地所有者と小作人と言う、身分の差(つまり階級差)が発生しました。
この段階では、働き手(小作人)多い方が生産が多くなるため、
出生率は上昇し、さらに、人口は爆発的に増加しました。

集団外との取引開始=市場の発生により、その集団は豊かになり、人口増。
効率化・生産性UPを実現するために人口爆発、ということのようです。

更に生産性を上げるため、化学肥料や農薬を大量使用して、自然の生態系が破壊されました。
そして、不毛の土地が大幅に増加しました。また、機械を導入して生産性を上げるようになりました。
その結果、働き手(小作人)が余るようになりました。すなわち、貧困が増えはじめた訳です。
最終的には、化学肥料や農薬で不毛になった土地と、大量の貧困層(難民)が残されました。

実例として、
「緑の革命」の事例: 貧しい国を助けたいという善意と情熱だけでは、市場派に利用され片棒を担ぐ事になる
が参考になります。

上記した物語は一例ですが、世界中の発展途上国では、ここ100年間に実際に起った事柄です。
以上の事から、『貧しさが人口増加の原因』とは言えなくて、
豊かさの際限なき追求で、人口の爆発的な増加が起り、その結果として貧困が広がったのです

 
豊かさの追求が起点になり、市場が発生し、自然を破壊する。
人口は爆発的に増えるが、同時に格差が生み出され、一握りを除いては貧困層に没落する。

ということになります。      
このような状況を見ると、確かに人類はこれ以上増えてはいけない、管理せねば、と思ってしまいますが、ちょっと視点を変えて状況を整理する必要があると思います。
まず、日本を始めとした先進国ではすでに貧困を克服していること。
ついで、元々人類史の99.9%は自然の摂理の中にあるということです。

とりわけ、縄文体質を色濃く残す、我々日本人がどう行動するかが鍵を握っているといえるでしょう。
もはやこれ以上豊かになる必要はないのだから、改めて自然と同化し、自然の摂理に則った社会をどう作り出してゆくか、という課題になるのです。そのために思考をめぐらせ、どうするかを考えてゆくということです。
最終的には日本だけでなく、市場社会に飲み込まれ、貧困にあえぐ国々にも日本的手法を広めていくことになります。
そうすれば、おのずと人口問題は解決することになるでしょう。
そしてこのことは、自然を征服する対象としてしか捉えていなかった、西洋式の思考方法からの完全なる脱却を意味します。

List    投稿者 ohmori | 2009-04-21 | Posted in 08.金融資本家の戦略6 Comments » 

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コメント6件

 mukai | 2009.10.17 22:59

>金融資本家は「個人」や「自由」という近代思想を巧みに利用して、
>秩序を不安定化する共認形成に成功したとも言えそうです。
政治家、経済学者、マスコミは「規制」「保護」の政策は国全体の
高度成長を実現する要因となった。
しかし、このシステムは「変化」に対しては機能せず、高度成長が
終了した今、この体制は不要で自由に競争した方が全体の利益に繋がる、
といった意見が多い。いわゆる「規制緩和論」である。
しかし近年、電力、貿易、雇用、通信、金融の自由化とか規制緩和が流行
のように行なわれて来た結果、果して全体の利益になっているのだろうか、
より貧富の差が拡大し、格差社会を作り出しただけではないだろうか。
 

 緑一色 | 2009.10.19 2:37

マスコミが政府、その奥のアメリカから操られているのは、明らかですね。
例えばBSE問題も結局アメリカに押し切られたようで、牛肉の輸入は継続されています。
ところで、それ以外の輸入品の安全性についてはどうなっているのでしょうか?マスコミからはほとんど報道されませんが、びっくりするくらい多くの違反品が日本に入ってきています。
厚生労働省 輸入食品監視業務 違反事例速報http://www.mhlw.go.jp/za/0803/c09/c09-09.xls
輸入届出における代表的な食品衛生法違反事例http://www1.mhlw.go.jp/topics/ysk_13/tp0419-1q.html
そのことを一言も報道しないマスコミには怒りを、何ら対策をしていない官僚や政治家には腹立たしさを感じます。

 通行人 | 2009.10.20 14:30

近代市場の拡大は、国民国家間の戦争の歴史と言っても過言ではない。
欧州では、18世紀初頭にナポレオン戦争、主要国の王位継承戦争が頻発する。また、欧州列国が、インド、アフリカ、中国への植民地戦争を行っている。
19世紀には、大きな普仏戦争がある。
20世紀前半は、二度の世界大戦。
明治以降の日本の市場拡大でも、日清戦争・清国からの巨額な賠償金が拡大の原資となる。日露戦争では、国土拡大で、市場の外延拡張が行われている。
戦争による富の収奪が、近代市場の拡大原資であるとの論も成立する。
附)囲み部分は何処からの引用でしょうか?

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