為替で儲ける仕組み〜固定相場編〜
前回の記事、『通貨は投資家が決める 〜為替取引実態と為替の変動要因〜』にあるように、変動相場制のシステムは、
為替変動を考える上でまず知っておくべきことは、この実需取引の割合が全為替取引の数%しかないことです。
残りの90%以上の為替取引は、国際資本取引によって行われます。
国際資本取引とは、平たく言えば巨額の資産移動です。(中略)
我々の使う「円」の価値や輸出入で儲ける企業の業績は、全てこの国際資本取引次第
の通り、資産を持つもの(=金貸し)に有利な(=莫大な利益を得られる)仕組みになっていることは明らかです。
さて、変動相場制に対して、固定相場制。実は、この固定相場制にも金貸しの儲けに繋がる大きな役割があったことが発覚したんです
まずは、固定相場と変動相場の移行の歴史から押えてみましょう
■固定相場制と変動相場制の移行の歴史
(日本を守るのに右も左もないからお借りしました♪)
意外にも、固定相場制⇔変動相場制は、結構頻繁に入れ替わっているんですね
■固定相場制の役割とは!?
①基軸通貨体制の普及
ドル=金本位制を中心とした固定相場制を導入することで、ドルの信用を金の裏付けによって高める事で、世界の貿易が安定して行えるように、ドルを中心とした世界の通貨体制を組みかえることに成功しました
固定相場制を守るための「管理通貨制度の監視役」としてIMFを設立。
「管理通貨制度の監視役」の中身はと言うと…金ドル本位制のもと
1.各国通貨は米ドルとの交換レート(IMF平価)を決定
2.為替相場がIMF平価の前後1%以内で変動するよう、各国通貨当局が為替相場に介入
3.国際収支などに大きな不均衡が発生した場合、IMF平価は変更可能
4.各国の政府・中央銀行は米政府に対し、米ドルを1オンス=35ドルで金に交換することを請求可能
これにより、
○ドルでしか、金と交換できない!
○金との交換を請求できるのは、通貨当局のみである
ドルの信用を金の裏づけによって高める事で、世界の貿易が安定して行えるようにドルを中心とする世界の通貨体制を組み替えました。そうすることでどの国もドルが必須となるので、中央銀行(FRB)を牛耳る金貸しは紙幣発行権を持っていることをいいことに、ドルを刷り、ばら撒くことで、利益を得ていきます。
しかし、これは基軸通貨が衰退するまでの限定付きですが。。。
②後進国からの収奪する仕組み
後進国が固定相場制になると、他国の価値の高い通貨高に固定するので、実態以上に自国通貨高となる。そうすると、貿易に不利になり、輸出▼輸入△になってしまうので、貿易赤字は膨らみ、国内産業は衰退し、外貨準備高も底をつきてしまう また、固定相場の信認を得るため、実態以上の通貨高を維持するため、政府による自国通貨の買い支えが必要となり、財政赤字となっていく (こう見ていくと、後進国のドル固定相場制は必ず通貨危機に至る構造を持っていることが分かりますね…)
この場面で、IMFが登場するのです 8)
上の図のように、外貨準備高が底をつきてしまう(=必要なドルが足りなくなる)と、自国の中央銀行ではどうにもできないので、他国から借りるしかありません。そこでいかにも“いい人”を装って現れるのがIMFなんです!このIMFただでは貸しません この支援と引き換えに、“金貸し達の儲けに繋がるような”規制緩和、民営化、経済と金融の対外開放を迫るのです。
例えば、
韓国⇒緊縮財政と経済の仕組みをグローバルスタンダードに改革することを要求!中央銀行を完全に支配化に置いた。
アルゼンチン⇒銀行・産業の過半が多国籍企業に支配される
このように、後進国から搾取することで、金貸し達は資金を巻き上げてきたことが分かります
IMFではないですが、日本も同じような仕組みで資金を巻き上げられているんです★
『戦後日本の高度経済成長を検証する NO.4 〜無償援助の裏に隠れた穀物メジャーの存在!〜』
援助を“金貸し側の有利な条件”をのませて実行していくことで、金貸し側の有利な状態に持っていく。この構造って普遍的な金貸しの搾取構造なのかもって思いました。
■現在の固定相場制と変動相場制の国
ちなみに…
今現在固定相場制と変動相場制の国どれぐらいの比率なんだろう〜?って調べてみると、
なかなかデータが見当たらなかったのですが、1つヒットしたサイトによると、
2004年のIMFの発表では、
固定相場制101カ国
変動相場制 86カ国
だそうです。。。変動相場制といいながら、実は変動相場制の国の方が少なかったんですね〜
参考記事: 日本を守るのに右も左もない
『国際金融機関どうなる?』18.〜金貸しは固定相場の元、世界経済を成長させ、変動相場で一気に刈り取る〜
『国際金融機関どうなる?』6.国際金融機関は何をやってきたか?(IMF編) 〜ドル固定相場制→通貨危機→IMFによる金融支配の周到なシナリオ〜
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