2007-05-08

ヘッジファンドという世界

マネー・カジノ経済の象徴的な事象が、ヘッジファンドの存在である。
ヘッジファンドとは、株式市場、債権市場、為替市場、商品市場という、短期に変動するマネー市場において、目先の運用益を最大限に追い求める仕組みである。
米・日・欧の政府と中央銀行による金融緩和(資金供給と低金利策)により、市場には資金が有り余っている。
この余剰資金を背景にして、ヘッジファンドの規模(ファンド本数および運用資産額)が、益々拡大している。

まずは、世界全体のヘッジファンドの運用資産規模である。

<ヘッジファンドの拡大加速 世界資産185兆円規模に 米調査会社推定>(フジサンケイ・ビジネス・アイ、2007/4/21)

>米調査会社、ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のケネス・ハインツ社長は19日、時事通信のインタビューに応じ、世界のヘッジファンドの資産規模が現時点で1兆5680億ドル(約185兆円)に膨らんだとの推定を明らかにした。今年第1四半期には600億ドルが流入したという。昨年1年間では1260億ドルと年間で史上最高の流入を記録したが、1〜3月だけでその半分近くに達したことになる。
リンク

ニューヨーク証券取引所上場企業の時価総額が約3,000兆円、東京証券取引所の時価総額が約600兆円、上海証券取引所の時価総額が180兆円であり、ヘッジファンドの185兆円が如何に巨大かが分かる。
ヘッジファンドの長期的な拡大を、金融庁のレポートから見てみます。

1兆ドルを超えた世界のヘッジファンド市場
近年、ヘッジファンド市場は目覚しい成長をみせています。米国のヘッジファンド調査会社が行った調査によると、2000年初めに3,240億米ドルであったヘッジファンド市場は、2005年1月には初めて1兆米ドルを突破し、以後も拡大を続けています。

図ヘッジファンドの数と資産規模
fig01.gif
(出所:Hennessee Group LLC。2006年1月のファンド数は未入手。)

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Hennessee Group LLCの最新データによると、2006末の世界のヘッジファンドの規模は以下のとおりである。

運用資産   1兆5350億ドル(約180兆円) 2005年末の1兆2230臆ドルから26%の増加
ファンド本数  9,550本 2005年末の8,900本から79%の増加
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「ヘッジファンドの平均利回りが12・0〜12・5%」(ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のケネス・ハインツ社長)であり、世界中の資金を引き付けている。
では、日本の資金がどれくらいヘッジファンドに流入しているか見てみよう。
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日本におけるヘッジファンドについては、金融庁が、2005年、2006と調査を行い、調査結果を発表している。
2006年調査によると

投資実績のある金融機関は、348機関(2006年3月末の投資残高 7兆4,381億円)、販売実績のある金融機関は、101機関(2005年4月1日〜2006年3月31日 2兆9,556億円)、設定実績のある金融機関は、64機関(2005年4月1日〜2006年3月31日 1兆3,276億円))なっている。
■ 調査対象会社の投資残高(2005年度末)
2006年3月末現在、国内の348の金融機関が約7.4兆円のヘッジファンドを保有している。昨年度末実績の約6.1兆円からは約22%の増加となっている。
●幅広い金融機関がヘッジファンドに投資
業態別の投資残高割合でみると、2006年3月末現在、保険会社が26%、信託銀行が15%、都市銀行等24%、地方銀行15%、その他(系統金融機関を含む。)が20%となっている。
■調査対象会社の販売額(2005年度)
国内の101の金融機関が、調査対象期間中(2005年4月1日〜2006年3月31日)、金融法人、事業法人、個人等に対し、約3.0兆円のヘッジファンドを販売している。昨年度の2.1兆円からは、約40%の伸びとなっている。また、2000年度以来の販売金額の累計額では、約8.8兆円に達している。
年度別販売金額推移(単位:兆円)

2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度  累計額  
   0.5    0.7    0.8    1.9    2.1    3.1    8.8

●個人に対する販売が2割以上に拡大
業態別の販売状況をみると、銀行、信用金庫、信用組合等の金融機関(48%)、信託銀行(10%)、保険会社(9%)、事業法人(6%)、個人(23%)、その他(4%)となっている。個人に対する販売の全体に占める割合は、昨年度の16%からさらに拡大し、2割以上にも達している。
●過半数のヘッジファンドは外国籍
調査対象会社が販売しているヘッジファンドの5割強は、引続きケイマン諸島を中心とする外国籍のヘッジファンドとなっている。

ヘッジファンドは概ね、以下のような運用を行っている。
ヘッジファンド戦略一覧

戦 略 名 内 容
マルチ・ストラテジー 複数の戦略を組み合わせた戦略
株式ロング・ショート 値上がりが期待できる個別株式銘柄群のロングと、
値下がりが期待できる銘柄群のショートを組み合わせた戦略
株式マーケット・ニュートラル 個別株式のロング・ポジションをコア・ポートフォリオとして
保有しながら、先物やオプションを利用することによって
市場下落リスクをヘッジし、ポートフォリオが市場の
指標の実績を上回るよう、絶対収益を狙っていく戦略
債券アービトラージ 割高な債券をショートし、割安な債券をロングにするポジションを
取る戦略で、一時的な価格のゆがみが合理的な価格に収斂する
過程における収益を追求するレラティブ・バリュー戦略の1つ
グローバル・マクロ 為替・金利・株式・商品等あらゆるグローバル市場で、市場のゆがみ・矛盾や
方向性に投資機会を見出し、現物・先物・デリバティブを用いた積極的な
運用により、市場の方向に関係なく収益を追求する戦略

ヘッジファンド調査(2006)の結果

List    投稿者 leonrosa | 2007-05-08 | Posted in 08.金融資本家の戦略2 Comments » 

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コメント2件

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