2008-04-29

地方分権化のグローバリズム

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自民党と民主党によるねじれ国会問題が盛んにマスコミに取り上げられていますが、地方分権化については主張の中身に違いはあるものの全ての政党が賛成しており、今のままでは地方分権化からさらには道州制へと粛々と進んでいくことになりそうです。
実は、先進諸国において地方分権化がグローバルスタンダードになっており、そのグローバリズムにはややきな臭ささも感じるところです。
ということで、今回は地方分権化のグローバリズムの動きを概観してみたいと思います。
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以下は、「地方自治の軌跡と展望」(昇秀樹氏著)から抜粋・引用させていただきました。

1980年代にヨーロッパやアメリカで始まった地方分権改革が、東西冷戦終結ともあいまってグローバルスタンダード(世界標準)となってアジア、日本、中南米等でも分権改革が進められているととらえた方が真相に近いと言えるだろう。

「経済のグローバル化」が「国民国家の存在感を希薄化」させ、「地方政府の役割を再浮上」(分権化)させた
「近代資本主義」が「封建領主」を滅ぼし(近代国家の誕生)、「現代資本主義」が「近代国家」を希薄化させ、「分権化」を促す

●19〜20世紀は「1国資本主義体制」の下で資本主義が発展して来たが、20世紀末になって交通・通信技術のさらなる発達(巨大なタンカー、ジャンボジェット機の出現、パソコン、インターネットの普及等)に伴い、ヒト、モノ、カネ、情報が国境を越えて大量に流通するようになると、現代資本主義とその担い手たち(グローバル企業等)は、近代国家の関税、パスポートチェック等を経済活動を妨げるものとしてその撤廃を要求し始めた。
●社会と社会の谷間に誕生する市場経済は、政治システムの枠組みを越えて膨張する。
…「正義」を追求する政治システムは自由・平等・博愛を基準とせざるを得ないが、欲望を追求する経済システムでは、効率・競争・利益最大化が編成原理となる。
…政治システムは価値共有のためにボーダーを必要とするが、利益を追求する経済システムはボーダーを必要とするわけではない。
●ヨーロッパ統合の動きは第2次大戦直後から始まっていたが、1980年代を契機に飛躍的発展を遂げて、生産物だけでなく労働と資本という生産要素の自由な移動を妨げている障害を除去し、さらに通貨統合・ユーロの導入まで実現。
●1980年代経済のグローバル化が急速に進行し、アメリカ、日本の世界の中でのGDPシェア増大、ヨーロッパのシェア低下、アジアNIESの台頭…という環境の中でEUは統合を強化し、範囲を拡大してきている。
●グローバル化した1980年代以降、近代国民国家は経済面では狭すぎ、国民生活を守るには広すぎるという欠点を露呈し始めた。
●資本主義の発展、グローバル化の結果、国民国家が果たしてきた福祉、雇用など国民生活のセーフティネットを張る機能をローカル化、下の方に分岐させている

一方、日本での地方分権化の動きは以下のようになっており、欧米発のグローバルスタンダードとしての地方分権化の動きに追従してきているとみなせる。

・1990年発足の第3次行革審から、行革と地方分権が一体のものとの考え方で次々と答申
・1993年衆参両院で「地方分権の推進に関する決議」
・1994年細川内閣、行政改革推進本部内に地方分権部会設置
・1995年「地方分権推進法公布」、財界主導の「地方分権推進委員会」発足
・1999年「地方分権一括法」成立
・2002年から「三位一体改革」

1980年代に入るとアメリカ経済に陰りが見られるようになり、1985年プラザ合意を経て、円高・日本の内需振興策が誘導され、バブルが創り出された。
91年のバブル崩壊もあり、グローバル経済化の進展の下、財界主導で地方分権化が進められてきている。
グローバル市場化の中では、企業を自国内に引き止めるために先進諸国間の法人税引き下げ競争が起こり、消費税の引き上げで税収を確保せざるを得ないのは先進諸国共通の状況となっている。
一方、国民への福祉サービスなどは、国が行う画一的な施策では対応できないという論理から地方自治体に財政負担を押し付けられてきている。
グローバル市場化から地方財政の破綻に至るこれまでの動きを社会システムの変化といった表面的な視点からだけで捉えている限り、本質を見誤るのではないかと思います。
EU統合の動きやアメリカ経済の破綻から日本買いへと進展してきている動きの背後に国際金融資本の存在を見据えることが必要だと思われます。
したがって、市場頼みの地方再生策では閉塞状況は打開できない可能性が高いし、いま進められている地方分権化そのものについても改めて考えてみる必要があると思っています。
byわっと

List    投稿者 wyama | 2008-04-29 | Posted in 08.金融資本家の戦略3 Comments » 

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コメント3件

 ゆい☆ | 2008.08.11 16:11

>主要農産物の貿易率(生産に占める輸出の割合)です。国単位で食料の自給を目指しますので、貿易に回る比率は、他の工業製品に比べれば小さいです。
すごく意外でした!!
日本は輸入しまくっているからか、もっと高いと思ってました★
穀物は『貯蔵と保管をどうする?』が重要なのもなるほどでした☆
一番の気付きは、世界の食料貿易を穀物メジャーが支配していたんだってことかも。知らなかったぁ・・・。

 leonrosa | 2008.08.12 10:56

ゆい☆さん、コメントありがとう!
食糧は、その国の気候と歴史により、固定されています。
例えば、日本のお米。多雨で湿地が多い為、稲作が2000年に渡って続いて来た。(タイ、ベトナムも基本は同じですね。)
一方、乾燥地帯は麦。地中海沿岸とアジア内陸部は小麦ですね。
そして、お米は粒食(そのまま調理)、麦は粉にしてからパンやナムに焼き上げる。
だから、食糧を輸出する為には、人々の意識を変え(洗脳し)、その国の食文化そのものを変えないと上手く行かないのです。
余剰農産物(小麦)を抱えた米国が、洋食(パン食)を根付かせて、日本を市場化した。
その意味では、食糧貿易比率30%というのは、かなり高い比率です。

 wholesale bags | 2014.02.09 17:18

金貸しは、国家を相手に金を貸す | <食料価格高騰はなぜおこるの?>その5 穀物メジャーって?①食物貿易と輸送施設

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