骨抜きとなったCOP26 地球温暖化⇒脱炭素の観念支配でひと儲けを目論む金貸し勢力
◆骨抜きとなったCOP26
英国グラスゴーで開催されたCOP26は、ロシア、中国、トルコが不参加。争点となった石炭火力発電使用についても、中国・インドの反対により、土壇場で「段階的な廃止」から「段階的な削減」の表現に留まるなど、開催国として息巻いていた英国の目論見は外れる結果となった。
【参考】COP26、石炭火力「段階的削減」で合意-1.5度に抑制追求も明記
英国・EU諸国は、早速、気候変動問題⇒脱炭素市場における主導権を握ろうと営業に熱心。COP26は新市場創出のための政治ショーであることが透けて見え、興覚めするばかりである。
【参考】
・COP26で露呈「脱炭素=カネ儲け」の構図。合意する海運業界、決裂する自動車業界…各国の思惑は?
・独メルケル首相、中国の石炭火力発電クリーン化で独技術後押し
・「グレタさんは利用されているだけ」COP26で浮き彫りになった欧米諸国の二枚舌
他方でEUだが、石炭火力発電の性急な廃止を求める声の裏にはフランスを中心とする原発推進の思惑がある。福島原発事故(2011年)を受けて脱原発の流れが広がったEUだが、近年は小型モジュール炉(SMR)を中心に原発を新設する動きが顕著だ。かつて挫折した欧州加圧水型炉(EPR)を含め、EUは原発の輸出再開をもくろんでいる。
・日本を蹴落とす意図も?「ガソリン車とハイブリッド車の販売をやめる」24カ国と海外の大手自動車メーカーがCOP26で合意…
「日本は2015年頃からエンジン技術の革新的なものをどんどん発表してきた。たとえばウィーンで毎年開かれているシンポジウムがあるが、そこでも日本の研究が最も注目される状態が続いていた。ハイブリッド車に関しても、トヨタが1997年に初代プリウスを出した時、各国が買って分解し、“これはダメだ、作れない。全部特許で抑えられているし、我々がこちらに行くのは無理だ”と慌ててしまったくらいだった。そこでヨーロッパ勢はディーゼル、あるいはガソリンエンジンを小型化し、ターボで走らせるダウンサイジングターボの方向に行った。
ところが、そのハイブリッドが売れてきてしまった。今はドイツのフォルクスワーゲンも日本にハイブリッド車を入れているくらい、実はどんどん出てきている。中国はそれこそ中国全土の車の半分をハイブリッドにしようと計画が進んでいる。ただ、やはり日本のハイブリッドが売れてしまうので、各国のメーカーとしては面白くないわけだ。また、その中国は日本の約5倍にあたる、年間2500万台くらい自動車が売れていて、このままではガソリンが足りなくなるので、2017年からはEVを買ってくれた人には補助金を出すという活動をやっているくらいだ。
一方、EUでは1km走るごとに95gまでしかCO2を出してはいけない。しかもメーカーには販売台数を加味した加重平均95gという規制も出てきた。やはり米中のIT、そして中国の自動車産業が伸びてくる中、産業構造を変えなければ、このままではジリ貧に陥る、何か一発逆転の手はないか、と考えたのではないか。つまり日本を蹴落とす、という意図も確実にあると思う」
◆地球温暖化CO2犯人説⇒脱炭素革命の観念支配で、大掛かりな儲け話を創出しようとする金貸し勢力
表立って張り切っているのは英国・EU諸国だけでない、当然背後には金貸し勢力が控えている。
・「地球温暖化」騙るビジネス 大がかりな産業構造の転換迫る 張り切っているのは金融の猛者たち
COP26の開催と平行して、日本を含む世界45カ国の民間金融機関のグループは「世界経済の脱炭素化のために100兆㌦(約1京1400兆円)の資金を用意できる」と発表した。これは「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟」=GFANZというグループで、世界45カ国、約450の民間金融機関が参加している。日本からは三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディングスなども参画している。3日時点での資産総額は世界全体の金融資産の約四割にあたる130兆㌦にのぼる。GFANZの共同議長はCOP26の会合で「世界が使いたければ資金は用意してある」とのべたと報道されている。
:::中略:::
脱炭素市場を世界の金融資本が狙う背景には、コロナ禍により世界経済は縮小し、投資先は先細りであるが、他方で金融緩和による金あまり状況にあることがある。既存の産業構造や社会経済構造を維持するのではなく、新たな産業構造・社会経済構造への「変化・変革」によって、新たなより魅力的な投資先の開拓を必要としている。
拙ブログのタイトルの通り「金貸しは国家を相手に金を貸す」のである...
MASA
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