2009-06-16

ブロック経済前夜8 〜ドイツ編1・ドイツの「ハイパーインフレ」が起きたのなんで〜 

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           (そんなに持って何買うの?) 
※写真はコチラからお借りしました
ブロック経済前夜シリーズも8回目になりました!
(そろそろ明けませんか?という声はあると思いますが・・・
以下バックナンバーです
・ブロック経済前夜1 〜イギリスによる国際金本位体制の成立〜
・ブロック経済前夜2 〜第一次世界大戦、そして英国・ポンドの凋落〜
・ブロック経済前夜3 〜アメリカ大戦景気から世界恐慌へ〜
・ブロック経済前夜4 〜ファシズムは金貸し支配に抵抗するための国家収束〜
・ブロック経済前夜5 〜アメリカ編1・フーバー大統領と保護貿易〜
・ブロック経済前夜6 〜イタリア編〜
・ブロック経済前夜7 〜アメリカ編2・ルーズベルト大統領と金貸しとのつながり〜
現在の金融破綻によってハイパーインフレへの懸念が沸き始めていますが、日本においても起きてしまうのでしょうか?
分析する上で、過去史上最悪のハイパーインフレとして引きあいに出されるのが
第一次大戦後のドイツでの例です。
第一次世界大戦は、1914年から18年に掛けて、ヨーロッパを主戦場として戦われました。
敗戦したドイツでのインフレ率の上昇が激しくなったのは、第一次大戦終結から5年たった、1923年の事です。前年からドイツを襲っていたインフレが其の年の10月に入って一段と激しさを増すことになります。
一体どんな状況だったのでしょうか?
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1.ハイパーインフレ時の物価状況
・1923年1月〜12月の一年間で、パンの金額なんと16億倍!
(1923年1月:250マルク → 同年12月:3,990億マルク)
・その他同年11月の物価は
 ジャガイモ1Kg:900億マルク
 卵1個    :3,200億マルク
 ミルク1L  :3,600億マルク
 バター1ポンド:2兆8,000億マルク
・1年間で対ドルレートで7ケタ以上も下落する
・10兆マルクや100兆マルク紙幣などの高額紙幣も登場
2.何故、ハイパーインフレが起きたのか?
①モノの需要発からのインフレ要因

第一次世界大戦後、ドイツは、連合国側に対して1,320億金マルクの賠償金支払いが課された。しかし、これはフランスのように、国土を戦場とされはしなかったものの、膨大な戦費負担などによって痛手を被っていたドイツにとっては、支払い能力をはるかに上回っており、賠償金の支払いはしばしば滞った。これを理由に1923年1月11日、イギリスの反対を押し切ってフランス・ベルギー軍6万が、借金のカタとばかりにドイツ最大の工業地帯であり石炭などが豊富に埋蔵されているルール地方を軍事占領した。このため、従来の賠償金支払いに加えて、現地で進駐に抵抗する住民のストライキのため、生産活動は停滞し、またドイツ政府がこの行動に対し1日4千万マルクの補助金の支出を決定した。※コチラから引用

それまでドイツの賠償金はベルサイユ条約に基づいて200億金マルクとされていたが、1921年4月27日、ロンドン会議の決定でドイツの賠償金は1320億金マルクにまで引き上げられてしまった。
それまでの戦費負担に加え、報復としか考えられない程の敗戦賠償金支払いが滞ったことにより、モノの供給施設を差し押さえられてしまったのです。
この結果、
国内供給力▼→市場の物量▼→需要発の物価上昇
つまり、モノの需要発でのインフレ要因がまず一つ考えられます。
②体制側からのインフレ要因
一方、体制側、つまり紙幣のマネーサプライはどうだったのでしょうか?
なんと、大戦前に比べて紙幣供給量が2940億倍!になるほど、なんの担保も無いお金をジャブジャブ刷ったのです!

既に第一次世界大戦中よりドイツでは戦時国債の乱発によってインフレが進行していたが、このような大支出に国庫は負担しきれず、やむを得ず、紙幣の大量印刷で対抗した。しかし、なんら裏付けのない紙幣乱発は状況を致命的なものとし、歴史上例のないのハイパーインフレが発生した。※コチラから引用

3.なぜ、このような事態(紙幣が大量に出回る)が起きたのか?
お金を刷る、中央銀行(ライヒスバンク)が国家によって制御できず、私物化されてしまったということが起きたのは何故なのか?

敗戦国となったドイツは戦勝国(を通じてモルガン商会等)に戦前のGDPの3倍(!)という莫大な額の賠償金を支払わなくてはならなくなりました。そしてその取立てを円滑にするために賠償委員会が設立されました。主なメンバーは当然モルガン等ウォール街の金融家です。そしてライヒスバンクはこの賠償委員会の監督下におかれ、賠償金を支払うための他の機関(ドイツの国会や政府)からは完全に独立した存在となったのです。※コチラから引用

一般に「ハイパーインフレの第一段階」とされて居るのは、半年で物価が18倍になった 1922 年 6 月以降です。この時点でライヒスバンクの理事会が、政府や議会に対して独立性を獲得し、(信じられないことですが)勝手に私企業の手形の割引を初めました。この年の下期には割引額が前年実績の500倍以上になったとあります。−−独白「手形で中央銀行から金を引き出して投資し、インフレで減価したマルクで返済する。ただ同然の設備が手元に残る。ぼろい話です
(中略)
何故こんな馬鹿なことが起こったかと言うと、6月に民社党のラーテナウ外相が暗殺され、政敵であった、ラインランドの重工業資本をバックとする右翼政治家シュティンネスが実権を握って、その一派がライヒスバンクを乗っ取ったらしいのです。※コチラから引用

※シュティンネス、フーゴ(一八七〇—一九二四)——ドイツの大企業家。
一八九三年、シュティンネス会社を設立し、産業各部門に進出。その勢力は全ヨーロッパに及んだ。一九二〇年にはドイツ民主党の国会議員。
彼と、国際金融家達との直接的なつながりは不明ですが、当時のロスチャイルドをも凌ぐほどの大富豪だったそうです。一部の大富豪(金貸し)達の私益目的だったということです。

ハイパー・インフレを仕掛けた目的は、貨幣的富の集中・中産階級(自営業)の破壊・産業の集中・国際借り入れの導入だと推測します。
天文学的な物価上昇についていけない事業家は、物価高に対応して増やした債務を背負って倒産することになります。(「信用創造」が銀行が行うのですから、あそこは今日で潰そうと思えばハイパー・インフレ下では資金繰りがつかなくなりすぐに倒産します。銀行家はそれにより担保物件を手に入れます)※コチラから引用

通常の経済理論からは考えられない事態には、必ず人為的な作用があり、ドイツのハイパーインフレも、今なお続く金貸し支配の一部だったということでしょう。
上記①の需要発、②の国際金融資本の仕掛けた紙幣供給発からの要因により、とてつもないハイパーインフレが起きてしまった、ということです。
4.現代において「ハイパーインフレ」は起きるのか?
以上のことから、①物的需要発、②紙幣供給発が同時に起こることで、
ハイパーインフレが起こり得るとすれば、
①については、
貧困を脱した先進国(特に格差が各国に比べ、相対的小さい日本)では、
そもそも物的需要も低いので、(一部の商品では有り得るが)物需からの全体的なインフレ要因にはなり得にくい。

また、②に関しても
デジタルマネー化している現在、紙幣量を増えること自体考えにくい。
あとは金貸し支配度によるが、金融破綻を契機に金貸し支配の力も衰え始めている。

つまり、①、②の両側面から見ても、「ハイパーインフレ」は起こりえないのではないでしょうか。
次回は、ドイツでのハイパーインフレがおさまったのは「兌換紙幣」に切り替わったからだと言われるが、それは何故なのか?というテーマを扱っていきます。
続きも宜しくお願いします。

List    投稿者 tutinori | 2009-06-16 | Posted in 07.新・世界秩序とは?2 Comments » 

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コメント2件

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