2008-11-27

『新プレトンウッズ体制は出来るか?』その3:存在感増す中国「新秩序の必要性と改革を主張」

いきなりですが、11月14~15日に開催されたG20列席写真をご覧下さい。 
 
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(中国国際放送局より) 
 
前列中央は議長国アメリカブッシュ大統領です。その両脇をブラジルルラ大統領と中国胡錦涛主席が占めています。(席順からという発想も旧いですが)中国の存在感は十分に感じ取れます。 
 
もう一つの資料、主要国の外貨準備高にも注目すべきと思いました。すでに(2008年現在)中国の外貨準備高は世界第一位であり、世界全体の23.3%を占めるに至っています。 
 
 
 
(画面クリックで大きくなります。各国外貨準備高一覧はウィキペディアのデータより加工)
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G8からG20へ、新金融サミットの中で、急激に存在感を増す中国の実態が浮かんできました。中国は夏の北京オリンピックを開催し、2010年には上海万博開催を予定しています。また年率にして8%以上の経済成長率の維持を必須とし、外貨準備高はついに世界一となりました。
このように経済的な力を背景にG20新金融サミットでも新興国を代表して、『新秩序の必要性と改革を主張』しました。ある意味、1944年より延々と継続してきたプレトンウッズ体制に問題ありとの認識と、その体制の改革を主張したとも言えると思います。 
 
具体的に中国の主張はどのような内容だったのか、紐解いてみます。 
 
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『中国の胡錦涛主席、G20金融サミットで発言』(中国国際放送局より) 
 
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その前に胡錦涛主席のプロフィールを紹介しておきます。 
 
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胡 錦濤(こ きんとう、ホゥー・ジンタオ、1942年12月21日生)『ウィキペディア』 
 
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胡錦涛主席の発言内容は

内容

で示します。 

現在、国際金融危機は局部から全世界へ、先進国から新興国へ、また、金融分野から経済分野へと広がり、世界各国の経済発展と人民の生活に大きな影響を及ぼしました。この金融危機発生の原因としては、マクロ的経済政策が適切でなかったこともあるし、金融面の管理・監督が不足だったこともあります。これに対して、正しい認識がなければ、教訓を汲み取り、今後二度と発生しないように防ぐことができません。金融危機に効果的に対応するため、世界各国は自信を強め、緊密に協力をとらなければなりません。

『マクロ経済政策が適切でなかった・・管理・監督が不足だった・・』という表現ですが、暗に世界基軸通貨であるドルを背景にして(アメリカが)世界の指導と支配に有利な制度を築きあげ、さらに価値の無い債券やデリバティブを使った金融部門を作り出し、その抑制を出来ず、金融危機の発端となった現状認識は、正に1944年固まったプレトンウッズ体制(ドル機軸通貨、IMF・世界銀行体制)の問題点を示唆する発言と重なります。

現在、あらゆる必要な措置を講じて、一日も早く市場への信頼を回復させ、金融危機の蔓延を防ぐことが急務となっている。先進国は担うべき責任と義務を背負い、自国それに世界の経済と金融の安定と発展にプラスとなるマクロ経済政策を実施し、投資者の利益を守るべきです。これと同時に、各国はマクロ経済政策に関する協調を強め、経済・金融に関する情報交流を拡大し、国際金融監督管理面の協力を強化し、各国と国際金融市場の安定に必要な条件を作るべきです。

経済成長を保つことは金融危機対策の基礎といえます。各国はマクロ経済政策を調整し、必要な財政、通貨手段を通じて、経済成長を積極的に促すことによって、世界的な経済後退を防ぐべきです。また、それを実現するために、各国が共同で措置を講じ、国際的なエネルギー・食糧市場を安定させ、投機活動を取り締まり、世界経済の発展によい条件を作らなければなりません。特に、各種の貿易・投資保護主義を防ぎ、ドーハラウンド交渉が早期進展を遂げられることを推進していくべきです。

G20に先立ち、中国政府は11月5日に総額4兆元(日本円で約57兆円)の景気対策を発表しました。経済成長を積極的に促すとの発言を裏付ける政策で、世界に先駆ける姿勢を顕著に示しました。さらには次の4つの提案へつながります。この提案こそ、中国胡錦涛主席の真骨頂では・・と感じ取ります。

国際社会はこの金融危機の教訓を真剣に汲み取り、十分協議を重ねて、国際金融システムに対して必要な改革を行うべきだと思います。第一に、国際金融監督管理面での協力を強め、国際監督管理体制を整備すること。第二に、国際金融機関の改革を推進し、発展途上国の国際金融機関での代表性と発言権を高めること。第三に、地域的な金融協力を支援し、地域的な金融救済体制の役割を十分発揮させること。第四に、国際通貨システムを改善し、国際通貨システムの多元化を推進することです。

現在の国際金融システムを担っているIMF体制を改革整備すること、地域的な金融救済体制、国際通貨システムの多元化などの提案は、アメリカとドルによる一極支配から脱皮すること、即ち新プレトンウッズ体制への提案と受け止めて差し支えないと考えます。

経済のグローバル化が進む中、世界各国の経済・金融関係は日増しに緊密になっています。この金融危機は先進国の金融市場に大きな衝撃をもたらしただけでなく、多くの発展途上国も影響を与え、それに、この影響はさらに拡大していく傾向があります。このため、国際社会は金融危機に対応する際、発展途上国特に後進国へのダメージの減少に配慮すべきです。発展途上国の金融安定と経済成長に助け、発展途上国への支援を確保し、発展途上国の経済・金融安定を守るべきです。

国際的な金融危機で、中国の経済発展にも影響があります。中国は情勢の変化に応じて適時に政策を調整し、マクロ調整を強め、経済の比較的急速な成長の勢いを保っています。中国経済発展の基本的な情勢は変わっていません。これこそ、国際的な金融安定を保ち、世界経済の発展を促すための重要な貢献と言えることでしょう。中国政府は今後も引き続き効果的な措置を講じて、マクロ調整を強化し、内需とりわけ消費の需要を拡大していきます。これと同時に、経済発展方式の転換に力をいれ、経済構造を調整し、農業の基礎的な地位を打ち固め、農民の所得増加を実現させます。改革を深め、開放を拡大し、経済の安定かつ急速な成長を保ち、世界経済の安定に建設的な役割を果たします。

繰り返しになりますが、経済成長率(年率)8%を絶対とし、実際にその実績を保ち、北京オリンピック、2010年上海万博と中国の勢いは衰えそうもありません。今回迎えている世界金融危機をどう乗り越えるか?これは中国の指導者にとって最も重要な政策につながってゆく必定があり、事実57兆円もの景気刺激対策まで行った上で新たな世界金融体制構築という大目標を掲げ、ひた走る姿に重なってきました。

特に改革案の第三「地域的な金融救済体制」、第四「国際通貨システムの多元化」を推進すると主張し、会議後、コスタリカ、キューバ、ペルー(APECに参加)と中南米諸国を訪問、また、G20前にはキューバに物資援助を行い特別視したところに、(多元外交という)中国の意図を汲み取れます。

中国に引き続いてロシアも中南米諸国を訪問、アメリカ・中国・ロシアの関係にも目を離せなくなってきています。G20を終えて各国が具体的にどう動くか注目し続けたいと思っています。 
 

List    投稿者 hassii | 2008-11-27 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨, 07.新・世界秩序とは?3 Comments » 

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コメント3件

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