2022-10-31

中国分析 ~ 権力強化と自給化? ~

現在の世界情勢の動きの底流には、アメリカ支配から中露が運営する世界体制への過渡期があり、そこからさまざまな事象が表れてきている。・・・その中国はどのような未来像を持っているのか?

中国、新体制へ。

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24人の中央政治局員をほぼ、習近平の側近(太子党・陝西派)で固めたこと
その24人のうち、軍・軍需関係者が4人昇格だという。
※従来、共産党の従来の最大派閥だった共青団派(胡錦濤の派閥)、そして上海派(江沢民の派閥)はポストから消えた。
※鄧小平は、党総書記・国家主席・党中央軍事委員長という、党・政府・軍の最高職位を兼務する最高指導者が、10年ごとに交代する制度を慣行として作ったが、それも覆し権力強化の路線へ。

★重要な点は、
・中国は欧米と協調し、輸出を増やし、世界の工場となって豊かさを築いてきたが、同時にアメリカ並みの貧富の格差、私腹を肥やす権力者という矛盾を拡大させてきた。その鄧小平以来30年に渡る改革開放・欧米協調路線を明確に否定(胡錦涛の強制退席)。
・習近平は、国内の貧富の格差と官僚の腐敗(習近平は、反腐敗キャンペーンで、権力者を血祭りにあげて大衆の人気を獲得)から、大衆の支持を基盤としている点。
・同時に欧米金貸しの影響力を排除。
・同じ目標をアジア・アフリカに向ける。地域覇権国としてアメリカに代わり台頭する。

★習近平の政策
・12年に最高指導者になってすぐ「一帯一路」を策定し、東南アジアやアフリカに進出。
・同年AIIB(アジアインフラ投資銀行)を創立。
・国内の金融・不動産バブル潰し。
・香港での民主化運動弾圧、アリババのジャック・マーなどの処分。
明確に覇権を準備し、鄧小平の集団指導体制から権力集中体制を築いてきた。

そして、金融市場の主役は既に中国
・2018年のNY株価暴落を仕掛けたのは中国。リンク
タイミングを狙って、いつでも暴落を仕掛けることができる。

最近の動きとして
・コロナ後の供給制限→インフレを仕掛けているのも中心は、中国。
※インフレの目的は短期的には、欧米金融システムへの攻撃であり、長期的には自給体制への誘導か?
・食料の戦略的備蓄
・不動産バブル崩壊を控えて、インフラ投資へ。「一体一路」も近隣諸国へのインフラ投資。

☆これらの動きは、グローバリズムと金貸しの影響を排除し、食料・インフラ・資源・・・とより内需での繁栄と自給的な経済圏構築を目指しているように見える。

★今後、
・恐らく欧米金融資本本丸への仕掛けが行われる。
→株暴落や米国債引き揚げへ(台湾侵攻は囮?)、中国の輸出は激減する。
・金融危機が、中国にも波及する。強権を持って、不動産バブル崩壊と金融危機にケリをつける。
・敵対派閥粛清と、金融崩壊による治安維持までは中国主要都市ロックダウンは続けられる(2025年頃まで)。
・対外的には着々と途上国・ロシアと新経済圏を構築、欧米凋落後、こちらが主導する。
※プーチン、習近平と、長期独裁体制のほうが、民主主義より安定することになる。これが今後、世界の国体のありかた(vs民主主義)にも影響してくるだろう。

by タロウ

List    投稿者 inoue-hi | 2022-10-31 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨, 07.新・世界秩序とは?No Comments » 

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