自主管理への招待(7)〜労働の解放のために:自主管理の原則〜
類グループは、1972年に「類設計室」を設立以来、全員経営参加の共同体として、教育事業部(類塾)、不動産事業部、農業事業部(類農園)、社会事業他、社会の要請に応えた事業を展開してきました。リンク:類の軌跡(沿革)
”共同体”という時代を先取りした組織を創る試みは、実現基盤の発掘(理論構築)と試行錯誤の連続でしたが、40年近くの年月を経た現在、共同体経営を社会に広げるべく外に向かって打ち出すまでになってきました。
(類グループについては、類グループホームページ、ブログ「共同体類グループの挑戦」 をごらんください。)
今回は、自主管理への招待シリーズ最終回「類グループの自主管理の原則」をお届けします。
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私たちは、疎外された労働を克服し、より人間的な労働を実現してゆく基盤を、以上のような意識生産の必然性の認識において獲得し、ひき続いて実践的に労働の解放をめざす新しい生産体を創ってきた。それが、類設計室である。
私たちは何よりもまず、自らの生きる場を自らの手で築いてゆきたいと願う。そして新しい歴史時代を、自らの力の及ぶ地点まで実現してみたいと願う。だがそこで何よりも問われるのは、私たちが永い間奪われてきた、総体的な関係能力(組織能力)の獲得である。現実に、生産体の内部から権力体制を廃棄してゆくためには、技術者が自らの手で組織を管理し、経営などの活動を担い続けてゆかなければならない。ところがそこで求められているものこそ、意識生産に要求される関係能力の真髄なのである。技術力だけでなく組織能力をも獲得してゆく事、そのようにして狭い専門領域に閉ざされてきた自分自身を広大な類的対象に向けて開き出す事、そこにこそ意識生産者に委ねられた本来の人間労働の世界がある。今なお多くの技術者は、そのような活動に背を向けている。だが新しい時代は、既に始動している。その実現は、現代に生きる人間に与えられた、わけても意識生産者に委ねられた最大の課題ではないだろうか。
私たちは、以上の認識に基いて自主管理の原則を確立してきた。すなわち、第一に<誰もが生産の主体となるために、技術活動と共に組織活動をも担い切る事>、それを通じて第二に<誰もが組織の主体となるために、多様な関係能力を獲得してゆく事>、それを前提として第三に<会社のあらゆる活動を、誰もが自由に提起し、決定し、担当してゆく事>、これがその原則である。
類設計室は、現実に徹底した参加の体制で運営されている。その全体は、採算を含めて自主管理してゆく一〇人前後の室単位によって構成され、全社の代表をはじめとする活動のリーダーは投票で選出されている。そこで全員参加の軸と成っているのは各種の会議である。誰もが活動の全体を把むための日々の営業情報や設計分担は、毎朝の業務会議で報告され決定されてゆく。さらに、経営や営業の方針、その他の基本的な全ての問題は、週一回の密度で行われる単位会議で検討され決定されている。全員参加を保障するのは会議の密度だけではない。会社の全ての基本的な情報は資料化され、全員に把握されてゆく。もちろん会社の経理は全員に公開され、その全ての利益は能力に応じて全員に分配されている。
要するに、類設計室は共同体である。しかしそれは、決して甘い幻想の上に成り立っているのではない。自己の全意識を最も根底的な歴史認識に収束させてきた成果が、その実現を可能にし、自己の全能力を最も現実的な生産活動に投入してきた成果が、その発展を可能にしたのである。先に挙げた自主管理の原則も、<誰もが組織を管理する事>つまり常に組織の立場で問題を考える事であって、単に個人の立場で考える事ではなく、まして自分の好き勝手にやる事ではない。類設計室という一つの生産体を、誰か他人のものではなく自分のものとして捉える事ができるかどうか、それは会議をはじめ様々の類的な活動を、強制されたものではなく目的的な活動として獲得してゆくか否かに、かかっている。さらにそれは、最終的には自己の近代意識からの認識の転換にかかっているのである。狭い私益と職能の檻に留るか、自らの意識を解き放ち、全力を傾けて『類』の地平を獲得してゆくか、それを選択するのは、一生をかけた君自身の判断である。
『自らの生きる場を自らの手で築いてゆきたいと願う。そして新しい歴史時代を、自らの力の及ぶ地点まで実現してみたい』
私権の終焉によって、実現基盤は整いました。どこまで、何を実現できるか、あとは私たちみんなのやる気次第です
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