『実現論 序』:私権時代から共認時代への大転換(上)
第1回:『実現論 序』:近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機(上)
第2回:『実現論 序』:近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機(下)
前回のエントリーでは、今の日本の抱える危機を突破する可能性が私達生産者にあることが解りました。今回は、「現実世界を動かしている力の構造」について紹介していきます。
(実現論:序2.私権時代から共認時代への大転換(上)より)
【現実世界を動かしている力の構造】
市場社会の崩壊と大転換の時が迫っているが、この危機を乗り越え新しい社会を実現するためには、まず、この現実世界を動かしている力の構造を知らなければならない。
従って、まずはじめに、現実世界の力の構造とその現在の状態を明らかにしておこう。
いつも応援ありがとうございます 😀
(以下、実現論:序2.私権時代から共認時代への大転換(上)より引用)
私有制度に基づく社会では、誰もが、私権(地位や財産)の獲得を目指して争う。教科書に載っているいわゆる文明社会とは、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会に他ならない。(※収束=統合とは:リンク)
当然、そこでは私権の獲得に必要な力がものを言うことになり、力の弱い者は力の強いものに従うしかなくなる。力の原理である。
私権社会は、このような力の原理によって統合されている。
その力とは、武力闘争の社会では武力であり、市場競争の社会では資力である。それらの力は、社会を統合する統合力であると同時に、闘争相手を倒す制覇力でもある。
この力を体現した勢力が、武装勢力や金融勢力であり、これら中核勢力がこれまでの社会を動かしてきた。
Q.私権時代はいつから始まったのでしょうか?
それは、今から8000年前の遊牧部族まで遡ります。当時母系だった牧畜集団は、乾燥化により父系の遊牧小集団と母集団となっていきました。遊牧小集団間での結婚では、娘に持たせる婚資が発生します。この婚資に私有意識が芽生え始め、この意識は男にも広がっていき、やがて略奪闘争が勃発、5000年前には古代国家が成立します。これが私権時代の始まりです。
では、これら中核勢力はどのようにして社会を動かしてきたのか、その支配構造を古代と近代のそれぞれについて少し具体的に見てみよう。
古代初期、王国が誕生した段階では、武装勢力を率いてきた部族長が王となり、将たちが貴族となって、国を治めていた。
ただし、部族長は、もともと祭祀を司る長でもあったが、王国が誕生する前後に、祭事は神官(後に教団)に委ねられてゆく。次に、国の規模が大きくなると、政治も官僚に委ねられていった。
そして、教団勢力が大衆の共認支配を担い、官僚勢力が大衆の法制支配を担うことによって、現実に社会を動かすと共に、その権力をどんどん拡大していった。
その結果、王は、形の上では最高権力者だが、それは表向きだけで、実権は官僚や教団が握って好きなように社会を動かすようになり、王は彼らが進める彼らに都合のよい施策に、お墨付きを与えるだけの存在にまで形骸化する。要するに、名前だけのお飾りである(日本の天皇がその典型)。
【図解】武力闘争の社会
Q.なぜ部族長は祭事を神官に委ねたのでしょうか?
部族集団には守護神がおり、深く信仰されていました。この守護神のお告げを唯一聞くことができたのが祭主でした。国家の段階になると、それぞれ異なる守護神を持つ部族を説得するためのストーリー(神話)構築能力が必要となるので、武力で権力を握った王は、この能力が高い人物を神官にしたと考えられます。そして、武力の時代の終焉を迎え、王はお墨付きを与えるだけの存在になったのです。
それに対して、市場社会では、金貸しが、官僚を支配し、教団に変わって登場した学者とマスコミを支配し、そして官僚機構が大衆を法制支配し、教宣機関(大学・マスコミ)が大衆を共認支配している。
こうして見ると、古代と近代では、社会統合と大衆支配の仕組みは、基本的にはまったく同じであり、ただ統合力=制覇力が、武力から資力に変わっただけである。
なお、武装勢力は、国家が成立するまでの戦争状態では序列の頂点にいるが、国家が確立すると官僚に実権が移る。その後も戦争状態よりも平和な期間の方が長いので、官僚が実権を握り続ける。そうなれば、再度、戦争状態になっても官僚支配は変わらず、武装勢力は官僚の下orよくて横並びの位置に止まる。
それに対して、金融勢力が君臨する市場では、市場競争が(戦争状態が非日常であった古代と違って)日常的に存在している。従って、市場社会では、金融勢力が常に頂点に君臨し続ける。しかし、金貸しは決して社会の表には出てこない。
その意味では、古代より近代の方が、支配勢力の力の蓄積はより巨大なものとなり、かつ、表からは見え難くなっている。
【図解】市場競争の社会
Q.なぜ金貸しは社会の表に出てこないのでしょうか?
金貸しは集団の間でだます人達です。社会の表に出て、集団統合の責任を負うこととは無縁の存在だからです。
ロスチャイルドやロックフェラーに代表される金融勢力=金貸しは、近世以来、配下に諜報・工作機関を持ち、目星をつけた政治家や官僚や学者を、一般的には利益誘導によって、勝負所では買収と脅迫を使い分けながら、支配し続けてきた。その力は、王室さえも操れるほどである。
マスコミにいたっては、利益誘導や脅迫による支配だけではなく、金貸しが直接的に経営支配しているケースが多い。
要するに、力の頂点に君臨する金貸しが、政治家や官僚や学者やマスコミ等の統合階級を支配し、その統合階級が大衆を法制支配+共認支配しているというのが、現代社会の基本構造である。
ジェイコブ・ロスチャイルド デイビッド・ロックフェラー
力の頂点に金貸しがいるという現代社会の構造とその金貸しが社会の裏に隠れていることが解りました。今後、この構造はどのように変化していくのでしょうか?(次回へ続く )
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2011/09/1689.html/trackback
norway hermes | 2014.02.01 17:58
hermes outlet picasa 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 【続新春企画】新政権で日本の外交どうなる?(1)安倍政権就任後の動き