2013-06-07

『世界経済の現状分析』【21】イスラエル、シリア、イランの対立背景を探る。

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前回は、「〜アラブの春から2年 中東情勢の現状〜」と題して、その後の中東情勢をみていきました。
今回は中東情勢が上手くいっていないのかはなぜか?米戦争屋、金貸し勢力が関連しているのか?を追求していきたい思います。

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○過去の『世界経済の現状分析』シリーズは以下をご覧ください。
『世界経済の現状分析』【1】プロローグ
『世界経済の現状分析』【2】米国経済の現状(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【3】米大統領選の分析その1(両候補の政策の違い)
『世界経済の現状分析』【4】米大統領選の分析その2(両候補の支持層の違い)
『世界経済の現状分析』【5】米大統領選の分析その3(米大統領選の行方?)
『世界経済の現状分析』【6】中国経済の基礎知識
『世界経済の現状分析』【7】中国経済の現状(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【8】中国、新体制・習近平でどうなる?
『世界経済の現状分析』【9】中国経済のまとめ
『世界経済の現状分析』【10】欧州経済の現状①(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【11】欧州経済の現状②(独・仏 VS PIIGS 格差問題の分析)
『世界経済の現状分析』【12】EU経済の現状③(EUの政治状況、右翼化?)
『世界経済の現状分析』【13】ロシア経済の現状(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【14】ロシア経済の現状〜プーチンの焦り
『世界経済の現状分析』【15】コラム:新たな天然ガス資源「シェールガス」
『世界経済の現状分析』【16】ブラジルの経済の現状(ファンダメンタルズと金貸しの戦略)
『世界経済の現状分析』【17】『世界経済の現状分析』インド経済
『世界経済の現状分析』【18】ASEAN経済の現状(ファンダメンタルズ)
『世界経済の現状分析』【19】ASEAN・アジア分裂を狙う米国TPP
『世界経済の現状分析』【20】〜アラブの春から2年 中東情勢の現状〜
では、初めに今年の5月に起こったイスラエルのシリア空爆について扱いたいと思います。
★シリアの空爆の背後にはなにが?
■現アサド政権と反アサド政権の対立の構図
現在シリアは内戦下にあります。現アサド政権と反アサド政権の支持勢力は、以下のようになっています。
☆現アサド政権支持:中国・ロシア・イラン等(多極化(反米非米)勢力
☆反アサド政権支持(≒自由シリア軍):米欧やサウジアラビア等(米国覇権 に従属する勢力)
しかしながら、シリア情勢の裏には、現アサド政権の天然ガスのイスラムパイプライン建設調印に端を発します。2012/08/21【リンク
記事を要約しますと

・2011年7月シリアのアサド大統領は欧州へイラン産の天然ガスを運ぶイスラムパイプラインに調印。
・欧州へ供給される石油と天然ガスのパイプラインに関して影響力を高めたいトルコ。
・イランが天然ガスの輸出経路を持つことを快く思わないサウジ・カタール。
・自分たちの消費する天然ガスをロシアに牛耳られたくないNATO。
・イランの宿敵イスラエルとそれを支援する米国戦争屋(ロックフェラー)。
・シリアに対するNATO及びアメリカの軍事介入(おそらくロックフェラー)に対して、ロシア、中国、インド、パキスタン、ベネズエラ他30余の国が批判。

このように、内戦における構図は、独裁アサド政権とそれに反旗を翻した反体制派の対立に見えますが、実はシリアへ伸びるパイプライン延伸による利害関係を背景として、各国等の勢力がそれぞれの派を支持している状況が見て取れます。
■欧州諸国の対シリア

一方、元々欧州諸国は、シリアとの関係強化を強めた背景もあり、米とは一線を画して主に経済面での協力を推進。特に2003年夏以降、米・シリア関係の悪化とシリアのEU重視の姿勢が相まって、シリア・EU連合協定締結交渉が加速化。仏はシリアの旧宗主国であり、シリアとの政治的・経済的関係は他の欧州諸国のそれに比べて特に強い。
2011年3月以降のシリアにおける反政府デモを受け、当局の弾圧に抗議し、EUは対シリア制裁措置を累次に亘り発出。【リンク
他方、欧州委員会は、シリアにおける紛争により、人道的危機の規模が急速に拡大していることへの対応として、6,500万ユーロの追加援助を発表。【リンク

●欧州もシリアの反政府デモに対する当局の弾圧に抗議し、EUは対シリア制裁措置を発動しています、おそらくそれは(戦争は回避すべき)という人道的立場をとっていることが見て取れます。
■米国の反体制派に対する援助
また、米国が、シリアのテログループに資金を援助していた事実も浮かび上がりました。【リンク
今回の空爆の前には、オバマ大統領は、反体制派への初の直接支援として、食糧や医薬品などの提供を決めていたことも報じられている。【リンク
■今回の空爆の背後に
このような状況下で、今回のイスラエルのシリア空爆は起こりましたが、米国オバマ大統領、欧州諸国のシリアに対する軍事介入に対して慎重姿勢である事を考慮すると、イスラエルが単独で相当危機感を強めた結果行われたとも読めますが、一方、米国戦争屋が背後で、シリア内戦を更に全面戦争下におくべく、イスラエルをたきつけたという事も考えらなくもありません。
板垣英憲「マスコミにでない政治経済の裏話」より【リンク

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はじめ軍部は、よほど苛立ったのであろう。いまやトチ狂ったとしか思えないシリアのアサド大統領が先制攻撃してくる前に、先手を打って、シリアの化学兵器貯蔵施設を攻撃したということだ。「殺すか、殺されるか」の切羽詰まった心理状況のなかで、決断したのであろう。
一方、イスラエルの強い政治勢力である右派には、親イスラエルのふりをした反イスラエル勢力が多く混じっており、イスラエルを滅亡に追い込む中東大戦争を起こしたがっている。という情報もあり、彼らは、イスラエルをシリアとの本格戦争に引き込むという懸念もあります

さて 、次にうつります。
★イランとアメリカの関係はどうなっているのでしょうか?
その前に、第二次世界対戦後のイランの歴史について概略紹介してみたいと思います。
■第二次大戦後のイランの歴史
年表をご覧下さい。【リンク
イランと米国の関係は決して単純でなく、友好的な数十年間と敵対期間はあい半ばしています。いずれの時期も、相互関係のほとんどの経緯の焦点は、核の問題であった。
1950年代はじめ首相モサッデグは国民の圧倒的支持を集めて、石油の国有化を断行。1953年米英の情報部による周到な計画によって失脚させられ、国有化は失敗。この事件によってモハンマド・レザー・パフラヴィーは権力を集め、1970年代後期に、彼の支配は独裁の色合いを強めた。彼は米英の強い支持を受けてイラン産業の近代化を推し進める一方で、市民の自由を抑圧。独裁的統治は1979年のイラン・イスラーム革命につながり、新たにアーヤトッラー・ホメイニーのもとイスラーム共和国が樹立。
イランイスラム革命を期にイランは、完全に反米国家として君臨。
■現状のイランと米国の対立の構造
●イラン核協議、糸口見えず イスラエルで強硬論も【リンク
●アメリカとイスラエルのイランに対する挑発行為【リンク
●イラン、イスラエルが核関連施設攻撃すれば同国の都市を壊滅させると警告=最高指導者【リンク
●「イランへ単独攻撃可能」イスラエル軍【リンク
このように、アメリカはイランの核開発をやめさせるように関係各国と現在も協議を行っていますが物別れ状態。背後には、反イランのイスラエル。親イランのロシアがおり、情勢は、非常に複雑になっています。
しかしそもそもアメリカがイランにこれほど関与している本当の理由は何なのでしょうか?
■アメリカがイランを制裁する7つの本当の理由リンク
より紹介します。

■表向きの理由
●イランの核開発をやめさせるため
■本当の理由
①基軸通貨としてのドル防衛
②ニクソン・ショック→第四次中東戦争の流れ再び
③公共投資としての戦争で経済を潤したい
④中国・日本潰し
⑤中東石油の完全支配
中東の産油国のほとんどは、アメリカの影響下に入っていますが、イランとシリア  だけは、ロシアや中国を後ろ盾にしています。アメリカとしては、この2国を潰して親米の傀儡政権を樹立出来れば、中東をほぼ完全支配する事ができます。この事で、ロシアや中国の力を削ぐという意味もあるでしょう!
⑥イランの原油利権略奪
イランは原油の他にも天然ガスや鉱物資源もたっぷり!破産寸前のアメリカとしては、是非とも頂いてしまいたい!というところでしょうか?
⑦イスラエル援護のため

次シリア・イランの背後勢力について見ていきましょう。
■シリア、イランの背後の勢力は?
この二国の背後勢力を調査してみますと、中国とロシアが欧米の対抗勢力として力をつけており、実はこの二国がシリア、イランを後押し、加えて他の国々も巻き込んだ体制づくりを行っているようです。
●イランとロシアの関係【リンク
●上海協力機構(SCO)【リンク
●シリアでのロシア、中国、イランによる大規模合同軍事演習【リンク
●対イラン経済制裁と中国・ロシア【リンク
このように、ロシア、中国はイランと手を結んでおり、現アサド政権も支持しています。
特に上海強力機構は、今後の世界情勢をガラッと変化させる様相を呈しています。

SCOの加盟国、もしくは準加盟国の領域は地球上の陸地の約25%に達する。中華人民共和国の国境対策機構から、中華人民共和国・ロシア・インドといったユーラシア大陸における潜在的超大国(BRICs)、モンゴル、インド、アフガニスタン、イラン、パキスタン、東南アジア諸国連合(ASEAN)もオブザーバー加盟を申請するなど、北アジア、西アジア、南アジア、東アジアの連合体に発展する可能性を持つSCOは、いずれNATOに対抗しうる非欧米同盟として成長することを、アフリカや南アメリカの発展途上国・資源国から期待されている。

★まとめ
こうして、中東情勢を中心に見ていくと、国対国が、1対1の対立構造ではない実態が見えてきます。
要約しますと
・世界の勢力の構図は既に米国包囲網ができつつある事。
・反米国のシリアやイランの背後には、中国、ロシア、インドなどを中心とした国々が控えている事。
・更にこの背後の国々は、宗教や人種を越えて結びついているという点。
・彼らの結びつきは、今後、強まって行くことが考えられ、非欧米的な結びつきとして様々な国から期待されている点。
このような世界情勢を見ていくと今後の世界世論としては、既に戦争をする事はできないと思われますが、その中で、中東をめぐっては、現在、米国戦争屋(ロックフェラー)は、紛争・対立の火種を巻き、悪あがきを続ける一方で、それを押さえ込むアンチ戦争屋(ロスチャ)の金貸しの闘いの渦中にあるものと考えられます。
さて、次回は『世界経済の現状分析』シリーズ最終回です。これまで、21回に渉って扱ってきましたが、最後は、マクロな視点で世界経済情勢を俯瞰してみます。どうぞお楽しみに。

List    投稿者 orisay3 | 2013-06-07 | Posted in 07.新・世界秩序とは?No Comments » 

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