2010-02-11

環境から経済を考える2 〜お金より環境でしょ〜

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前回、「環境から経済を考える」では、社会的共通資本の概要をご紹介しました。
今回は、そのシステム的なところに触れてみたいと思います。
まずは、前回のおさらいとして、社会的共通資本の定義を振り返っておきます。
社会的共通資本とは、
「市民一人一人が人間的尊厳をまもり、魂の自立をはかり、市民的自由が最大限に保たれるような生活を営むために重要な役割を果たすため、私有や私的管理が認められず、社会の共通の財産として、社会的な基準にしたがって管理・維持されるべき財」のことです。
具体的には・・・、
「自然資本」=自然環境そのもの
「社会資本」=道路・下水道・電気・橋・鉄道などのインフラ
「制度資本」=医療制度・学校教育制度・司法制度・行政制度・金融制度など
ですね。
では、さっそその中身にみてみます。
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市場原理の社会では、個々人が自らの私権欲求を満たすために様々な経済活動を行います。
そして、個々人は、その私権を最大限に拡大するため、その場である「市場」の規制やルールを嫌い、より自由な経済活動を求めます
しかし、時として個人の経済的メリットは、
遥かに大きなデメリットを社会(環境)に与えます。参照:「コモンズの悲劇」
その顕著な例が環境問題ですが、昨今の金融危機も、税金によって救済されているという点では、同じような側面をもっていると言えるでしょう。この市場原理を簡単に図式化すると、以下のようになります。

私権欲求 ⇒ 市場原理 ⇒ 規制やルールを否定 ⇒ 環境破壊、社会的不都合

社会的共通資本の理論では、社会全体の価値軸を転換させることになるでしょう。それは 

市場社会      : 個人 > 社会(環境)
社会的共通資本 : 個人 < 社会(環境)

さらに、この価値軸の転換は、所謂共産主義的な発想ではなく、
結果的にも個々人にとっても最大限の幸福を得られるだろうという点にあります。
そのためには、社会的な不都合を排除し、
人々にとって最低限必要なモノやサービスを社会全体として保障し、提供することになります。
この際、社会保障を現在の生活保護やベーシックインカム理論に見られるような「お金(現金)」の供給によって行うのではなく、物資やサービスそのものの充実によって実現することになります。
その理由はこんなところにあります。
以下引用 お金より環境でしょ〜社会的共通資本とミニマム・インカム wiredvision

>一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからといって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみればいい)。
>このような性質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なインフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。
>社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わる財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだろう。
したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。
したがって、社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によって行うべき。これが宇沢の主張である。
この考えは、ある意味、驚くべき逆説の理論だ。伝統的な厚生経済学では、最低生活保障は物資での供給ではなく、貨幣での供給のほうが望ましいとされる。なぜなら、その物資がいいならお金で買えばいいのだし、別の物資を好むならそれを購入することもできるからである。つまり、「貨幣」には「選択の自由」があるということだ。

この感覚は、既に社会インフラが充実している日本では感じにくいところだが、
諸外国では、度々この不具合に気づくところである。
日頃から、「お金!お金!お金!」と血眼に叫ぶ前に、
きれいな空気・水をはじめ、
「自然資本」=自然環境そのもの
「社会資本」=道路・下水道・電気・橋・鉄道などのインフラ
「制度資本」=医療制度・学校教育制度・司法制度・行政制度・金融制度など
という生活を取巻く環境をあたり前に享受できることにまずは感謝することである。
そうした、大切なことに気づかしてくれる理論であるように感じる。
次は、より具体的なところに迫ってみます。

List    投稿者 orimex | 2010-02-11 | Posted in 07.新・世界秩序とは?6 Comments » 

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コメント6件

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