2010-02-22

宇宙船地球号パイロットのマニフェスト(13)                 ケース・スタディとしての「朝鮮半島エリア」(上)

北朝鮮といえば、条件反射的に「近くて遠い国」という言葉が浮かんできます。実は私の父はかつて朝鮮の警察官をしていたことがあります。ですから辛うじて私の世代ぐらいまでは、北朝鮮に関して「近くて遠い国」という思いがあるのかもしれません。しかし、若い世代にとっては、朝鮮半島がかつては日本の一部であったことすら知らないというのが実情なのでしょう。その上で、何かと厄介な国であるという思いだけは、とても強いのではないでしょうか。
しかしながら北朝鮮と日本、ないしは朝鮮半島と日本との関係をどうするのかという問題は、厄介者として「触らぬ神に祟り無し」で済ませられることではありません。「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」なのですから、彼我の事実関係をきちんと把握すれば、諸問題は必ず全て解決するに違いありません。
GGUの12万人の卒業生たちは、宇宙船地球号のコクピットのクルーとして、また金融新時代のフィナンシャル・パワー・エリートして、千人一組で、世界120のマーケティング・エリアのどこかにアロケートされ、その地域の問題解決に当るわけですから、まさに彼我の事実関係をきちんと把握してかからなければなりません。
以下、2回にわたって、仮に私が朝鮮半島エリアをアロケートされた場合を想定して、具体的な展開のイメージを書いてみようと思います。
ということで、13回目をお届けしますが、例によって今後の進捗を一覧にしておきます。バックナンバーについては、リンクになっています。
 1.「石油・ドル本位制」に代わる世界システムをつくる
 2.石油に代わる代替エネルギー資源としてのトリウム
 3.人類が必要とする8万kWe、84万基のトリウム原子炉
 4.トリウム原発によるBOP優先の安価な電力供給計画」
 5.トリウム・エネルギーが生むポスト・ドルの準備通貨「UNI」
 6.地域通貨「アトム」から国際準備通貨「UNI」への出世街道
 7.「見えざるカミの手」による布石か? シーランド要塞跡
 8.金融崩壊の今こそ、金融再生を担う新しい人材が必要
 9.工程表に従い、エンジニアリング企業とシーランドを確保
10.2050年の人口を基に策定したマーケティング・エリア
11.総額1680兆円の建設費を要するトリウム・エネルギー
12.トリフィン・ジレンマのない「アトム」だから「UNI」に出世できる
13.ケース・スタディとしての「朝鮮半島エリア」(上)(本稿)
14.ケース・スタディとしての「朝鮮半島エリア」(下)

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ありがとうございます。
6カ国協議共同声明による各国間の利害の鍔迫り合いは進んでいる
最後に、「格差」と「貧困」、「戦争」と「紛争」を取り除く貢献の具体的なイメージを描くために、いささか特殊なケースではありますが、一つのケース・スタディとして、核に関する際立った問題を抱えている「朝鮮半島エリア」の北朝鮮を2回にわたって取り上げ、私だったらこの北朝鮮にどのように対処していくか、一つの考え方をプレゼンテーションすることによって、本投稿を閉じることにしたいと思います。
2007年3月の第6回以降2年半以上開催されることがなかった6カ国協議ですが、昨(2009)年10月24日のニューヨークにおける米朝の接触が、ひょっとしたら北朝鮮の6カ国協議への復帰のきっかけになるのではとの期待も見事に外れてしまいました。

nucleus_of_NorthKorea.jpg
北朝鮮の核をめぐる6カ国協議

それはともかく、今(2010年)から5年前の2005年9月の第4回6カ国協議では、初めて共同声明が発表されましたが、そこには次のような文言が織り込まれていたのです。

6者は、エネルギー、貿易及び投資の分野における経済面の協力を、2国間又は多数国間で推進することを約束した。

この共同声明を期に、真っ先に地下資源を押えるべく北朝鮮に進出したのが中国企業でした。今や6カ国協議を仕切ってきた中国にとって、北朝鮮は立派なビジネスパートナーとなっており、したがって中国にとっては、6カ国協議がすったもんだで長引けば長引くほど国益になるわけです。
韓国は東西ドイツの統一の歴史に学び、経済が上向きにならない状態で南北が統一するのはまずいという判断をもっており、経済が上向かない今、急速な北朝鮮への接近政策はとれない立場にあります。
英国のアイルランド系石油会社アミネックスの石油・天然ガス採掘権取得や英国系投資会社による北朝鮮系信用銀行株の取得、北朝鮮系鉄鉱石企業「コーメット」のロンドン証券取引所への上場、そして英国系アングロ−シノ・キャピタルの「朝鮮開発投資ファンド」の設立等について、米国はこれらを追認する一方で、日本に対しては盛んに「制裁」をけしかけてきました。制裁実行に踏み切った歴代政権下の日本が、その米国に誉められて、子どものように有頂天になっていたのが、つい先日のことのようです。
ロシアは石油・天然ガスとのバーターにより、北朝鮮の地下資源を獲得しようと、シベリア鉄道の北朝鮮への乗り入れに動いてきました。この合意を結んだ双方の当事者は、ヤクーニン鉄道省次官と、あの「金正男」です(http://mdcjbu.blog88.fc2.com/blog-entry-451.html)。
村八分にされている日本が無視するわけにはいかない「日朝平城宣言」
6カ国協議の中で、日本が自覚のないままに村八分にされていたのは明らかです。滑稽でもあり、悲しいことでもあります。
2002年9月17日、小泉訪朝によって交わされた「日朝平壌宣言」は、いわゆる「過去の問題」について、次のように宣言しています。

2、日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済協力を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。

かつて朝鮮半島を統治した日本にとって、北朝鮮の経済建設は喫緊の課題
少なくともこの宣言文が公式に存在する以上、今後日本が採るべき立場はきわめて明確です。核や拉致は、それはそれとして追及しつつも、この宣言の実行を積極的に急ぐことは重要であり、核や拉致の解決のためにも、不作為のままに時間の経過を見過ごすわけにはいきません。
悪名高い「韓国併合」後に、日本が朝鮮半島で、どのような植民地統治を、どのような目的で行ったかについて、日本人のほとんどはすっかり関心を失っています。関心の喪失は記憶の喪失となり、ひいては歴史そのものから、事実が消えていくことに他なりません。
戦前の日本が、朝鮮併合前後から官民をあげて進めたのは、北朝鮮での石炭、鉄、銅、金銀などの鉱山開発でした。また鉱工業を支えるために、発電所、鉄道、港湾の新設・拡張に取り組み、そして大規模な水力発電所の電力を利用した化学肥料の大量生産を行いました。こうして清津などの良港を含む北鮮工業地帯と、鉄鉱石、石炭、石灰石、タングステンなどが豊富な平壌を中心とした西鮮工業地帯が形成され、満州経営への供給基地が確保されたのでした。
日本がこうした過去の記憶を忘れ去っていないのであれば、現在から未来にかけて、「日朝平壌宣言」を実行していく上で、このような経済的な地政学的発想をもって臨み、日朝の双方にとっての経済的協力の実を取ろうとすることは、あまりにも当然の発想であり、疲弊しきった北朝鮮の経済環境を考えるならば、人道的な観点からも、一刻の猶予もしておれない喫緊の課題であるに違いありません。
(14)ケース・スタディとしての「朝鮮半島エリア」(下) につづく)

List    投稿者 Dr. Done | 2010-02-22 | Posted in 07.新・世界秩序とは?2 Comments » 

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コメント2件

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