「経済学って、本当に正しいの?」5 〜市場における歪んだ計算式〜
いつもブログ記事を読んでいただいてありがとうございます。
経済学って、本当に正しいの?」シリーズの第5弾になります。
前回の第4弾では「何故これほど市場を絶対視するのか」に注目し
「不確実性の時代」とは人為的に仕組まれたものであるということがわかってきました。
今回のテーマの前に経済学の歴史(変遷)を少し復習してみます。
船に載せられて大西洋を渡る黒人奴隷
アヘン戦争戦闘図
その前にいつものようにバナーでの応援をお願いします。
【経済学概略史メモ】
略奪貿易
↓
重商主義・重金主義
↓
18C後半:古典派(アダムスミス)
重農的市場主義(土地+労働力)→ 労働価値説(マルクス)
↓
19C後半:新古典派(リカード、ワルラス)→限界効用説
↓
20C前半:ケインズ理論(有効需要の原理)→大きな政府=需要の創出
↓
不確実性の時代(スタグフレーション)
↓
21C:新市場主義
詳しい説明は次回に紹介いたします。
現在の経済学の大きな指標としてGDP(GNP)があります。
GDP、GNPの詳細については
GDP リンク
GNP リンク
で紹介しています 。
過去のるいネットの秀作投稿でそのことを指摘した投稿がありますので紹介します。
「市場における歪んだ計算式」 リンク
白人の土地に対する意識の象徴的な事例が本にありました。
1854年、アメリカ・インディアンの酋長シャトルがいったといわれる次の言葉です。
「白人がわれわれの生き方を理解できないのは周知のことである。
白人にとって、一つの土地は、他の土地と同じなような意味を持つ存在でしかない。
白人は夜忍び込んできて、土地から、自分の必要とするものを何でもとってしまう
余所者にすぎないからである。
白人にとっては大地は兄弟ではなく、敵である。一つの土地を征服しては、
また次の土地に向かっていく。
・・・・・白人は、自らの母親でも、大地でも、自らの兄弟でも、また空でも、
羊や宝石と同じように、売ったり、買ったり、台なしにしてしまったりできる
「もの」としか考えていない。
白人は、貪欲に、大地を食いつくし、あとは荒涼たる砂漠だけしか残らない」
(引用:社会的共通資本 宇沢弘文)
当然この背後には「自然界は人間の利益になるように使用すればよい」
という価値観がある。
だからそのような狂った視点から見ると、(市場において)歪んだ計算方式が生まれる。
例えば、国民総生産から人工資産の原価償却分は控除されるが、
自然環境の固定資産は同様の価値があるもとのして取り扱われないため、
混乱が生じ、破壊がいたるところで表れる。
この計算は世界銀行や国連のような世界機構が用いている
国民所得計算方式に深く根ざしているので、
このような計算方式では、結局天然資源資産の破壊と所得の創造が
区別はなされていない。
そういう意味では、自然を手段化したアダム・スミス等の経済学も
白人から生まれるのも当たり前かもしれない。
これまでの記事で経済学は市場拡大を目的とした学問であることがわかりました。
では市場拡大のための原動力はどのように変わってきたのでしょう?
市場拡大の方法は
大航海時代による略奪貿易
↓
国家間の貿易重視主義と植民地政策
↓
農業による自然資源の破壊と疎外労働
↓
工業による資源、エネルギーの消費と人々の消費活動(快美欠乏)
↓
国家による需要の無理な拡大と国債発行
↓
金融工学による金融商品の氾濫と実体経済との剥離化
と変わってきています。
経済は上記のものを消費していかないと活動出来ません。
市場拡大を無理やりにでもし続けるためには、自然や人、国家が消費されつづけます。
市場拡大によって一番得する人々は金融資本家です。
国家が借金し国債を発行すれば、資本家に利子としてお金がどんどん流れて行きます。
市場拡大をし続ければ、自然や人(労働力)、国家は消費され減っていきます。
つまり今の自然や人が疲弊されし続ける現実社会になった原因は
金融資本家が搾取するために市場が無理やりに
拡大させていったためだと考えられます。
その行為を正当化するために経済学が利用されてきたと考えられます。
最近国債発行について報道されていましたが、このような根本的なことは報道されていません。
また「国家紙幣」にすれば国債発行やその利子を払う必要がないとも考えられます。
国家紙幣の本当の意味〜新しい社会的活動(仕事)の創出 リンク
次回はその経済指標であるGDPについてもっと詳しく調べてみたいと思います。
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コメント4件
ジャーニータビスキヤネン5世♪Fchan♪ | 2010.05.23 1:36
アショカ財団を支援している(過去?現在も??)団体にロックフェラーと読んで、「んん!?なんか怪しくない?」って想いました。
そして
>また行政に依存していない資金源を持っているとはいえ、ロックフェラー財団等の資金援助をうけている点などは、社会起業家達が金貸し達の後進国における新たな市場拡大の可能性として目をつけられているのではないかという懸念もあります。
とな。んんっ!そうそう、私の違和感はこういうこと☆
せっかくイイコトしてそうなのに、なんでそう繋がっているんでしょう??
(金貸しの名前についつい反応しちゃいます。。)
このシリーズもいよいよ大詰めなんですね(^^)
>活力再生需要を事業化する可能性は、案外身近なところにあるようです
案外身近って、一体どんなとこ?
ここ?それともあそこ??
誰にでもできるのかな?どうすれば上手くいくのかな?
すっごく気になります♪
今後の展開、楽しみですね♪♪♪
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hermes outlet las vegas 金貸しは、国家を相手に金を貸す | シリーズ「活力再生需要を事業化する」8〜社会的企業を支える「アショカ財団」〜
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k | 2010.05.23 1:19
>序列支配からの脱却ができたとしても今度は市場の奴隷になり続けることになります。
なるほど〜!
しかもグラミンの相互監視システムって、集団の再生どころかお互いに疑心暗鬼にさせてて、信頼関係とは真逆の方向に向かってますね。