2009-03-13

G20の可能性を探る G20な国々⑦トルコ共和国 その2

皆様、こんにちは。
G20な国々シシリーズ⑦トルコ共和国 その2になります。
今回はG20でのトルコ共和国の可能性を探ってみたいと思います。

カッパドキア
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まず、トルコ共和国現在の状況です。(ジェトロ参照)

IMFとのスタンドバイ協定は、08年5月に完了したが、
世界的な金融危機の影響を受けて、融資交渉が持たれ、
09年1月にはIMFミッションが訪問。政府は協定合意に向けて、
09年度予算について、財政赤字を26.2%圧縮して緊縮姿勢を示した。
世界金融危機の影響により、トルコ経済は08年下期以降大きな減速がみられた。
9月から11月にかけて、7年振りに鉱工業生産指数が3ヶ月連続減を記録。
稼働率の低下や生産縮小、解雇の動きなどの影響がみられた。
支出面でも、消費者態度指数が低下し、消費者心理の冷え込みがみられている。
2007年の実質GDP成長率は、4.5%と政府目標の5%を下回り、
2002年以降の6年間で最低となった。
主因としては、干ばつの影響で農業が不振だったことや、
選挙に伴う市場の様子見で経済が停滞し、
民間消費が冷え込んだことなどが挙げられる。
2007年の国際収支統計の経常赤字は、膨張する貿易赤字を主因として、
375億7,500万ドルと前年比17.8%拡大
GDP比では過去最高を記録した06年の6.1%よりは改善したが5.8%に達している。
2007年の物価上昇率は、消費者物価指数(CPI)が8.4%、
生産者物価指数(PPI)が5.9%(各々前年末比)と、前年からは改善したが、
目標の4%を大幅に超える結果となった。
前年以来の干ばつの影響で食料品価格が上昇したことや
エネルギー価格の高騰が続いていることがインフレ圧力になっている。

・貿易赤字、インフレなど経済状態はあまり良くないようです。I
トルコの産業問題について

産業は近代化が進められた工業・商業と、
伝統的な農業とからなり、農業人口が国民のおよそ40%を占める。
もっぱら軽工業が中心で、繊維・衣類分野の輸出大国である。
経済部門における財閥の力が大きく、
近年では世界の大手自動車メーカーと国内の大手財閥との合弁事業を柱として
重工業の開発が進められている。
トルコにおける重工業は、鉄鋼・コンクリート・セメント・石油精製など
基礎的な素材分野が中心であったが、
近年では国内財閥と外国資本の合弁による自動車生産が
大きなシェアを占めるようになった。
外資系自動車産業はトルコにおける投資の拡大を表明しており、
今後も生産の伸びが期待される。
ただし、トルコでは基礎的な機械・自動車部品生産能力が未熟で、
生産設備にいたってはほぼ完全に輸入に頼っている。
そのためトルコでは自動車輸出が5ドル増加するたびに
4ドル輸入が増加するとも言われており、
この状況を改善するための国内産業の強化が模索されている。
トルコ自動車工業会が13日発表した1月の同国の自動車生産は、
前年同期比65.8%減となった。

・地理的条件から、他国の自動車企業が工場を造り、輸出しているようです。
そのため、今回の金融危機で大きな影響を受けているのは間違いありません。

では農業はどうでしょうか?(Wikipediaより抜粋

トルコにおいて農業は現在においてもGDPの約16%、
全就業者の約45.5%を占める主要産業である。
GDPと就業者割合からのアンバランスからも読み取れるように、
「貧しい農村」という言葉は現金収入という観点からすれば、
トルコにおいては現在でも基本的には間違った見方ではない。
トルコは建国以来、もともと広大な耕地面積を持つうえ、
戦略物資である食糧の確保は国家の独立の維持に不可欠との観点から、
一部嗜好品を除き食糧の完全自給を行ってきた。
しかし急激な人口増加と、一部農地の荒廃により、
ついに食料の輸入額が輸出額を上回る輸入超過の状態に陥った。
トルコ農業の大きな問題は、オスマン帝国以来連綿と続く農地の大地主制である。
これらはとくに農地改革がまったく手付かずだった東部に多いが
西部での農地改革もかなりの抜け穴が存在し、大地主制はほぼトルコ全国に存在する。

・農業も大地主制が残っているため、農業も可能性が少ないと言えそうです。
さらにもう一つ大きな問題があります。それが上記にもあった人口急増問題です
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・日本に比べれば、きれいなピラミッド型で問題ないように思われます。
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・2003年は1979年の倍の人口になっています。
 急激な人口増加の状況は間違いありません。失業率が高いのもそのせいと考えられます。
 あきらかに産業と不釣合いな状況です。
 これまでの状況を考えますと
・地理的な条件から、自動車工業が中心であったが、
 今回の金融危機からくる不況で大打撃を受けた。
・農業も大地主制が残っているため貧富の差が大きい。農地も荒廃しているところもある。
・人口の急激な増加と産業が不釣合いが起きている。
上記から、EUへの加盟は過剰人口のため、
仕事先を拡大をしたいというのが大きいのではないのでしょうか?
この状況では、EUに対して逆らうことが出来ず、G20での発言も影響が少ないと考えられます。

しかし、それでもイスラム教の国ですから、ぶれない処もあります。

トルコ首相、ガザ問題でイスラエル大統領と激しい応酬 ダボス
スイス・ダボス(CNN)ダボスで開かれている
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の討論会で
29日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの侵攻で
ペレス同国大統領とエルドアン・トルコ首相が激しい応酬を交わし、
最後には首相が壇上から一方的に去る事態となった。
 首相はこの際、司会者が発言の時間配分で不公平な方法を取ったとして、
「参加者に話をさせないのは不公平だ。
ダボスには二度と来ない」との捨てぜりふを残し、会場を去った。
トルコはイスラム教徒が多数派の国で、討論会での首相の態度を支持する数千人が30日、
空港に詰め掛け、パレスチナ旗などを掲げながら帰国の首相を出迎えた。
 エルドアン首相は空港での会見で「私の発言は、イスラエル国民にではなく、
同政府に向けられたものだ」とも指摘した。
 討論会でペレス大統領は、イスラエルは平和を尊重し、ガザ侵攻の責任は
パレスチナ強硬派ハマスにあると主張。
エルドアン首相が異議をはさむと、司会者が制し、時間がないと発言の機会を与えなかったという。
 首相は、発言の時間をもらえるまで司会者の腕を軽くたたき、最後に1分間が与えられた。
首相はこの中で、ペレス氏に対し「声を大きくしてしゃべるのは心理的に負い目があるからだろう」と
切り出し、「イスラエルは殺人を知りつくしている。いかにして海岸の子供を殺害するのかも知っている」と述べた後、会場を立ち去っていた。
 この際、ペレス大統領は発言の時間で優遇されたと司会者を批判。
「彼には25分やり、私には12分だった。正しいことではない」ともいさめていた。

・アメリカを始めアラブ諸国も困っている問題に対して、
 きっぱりと意見するあたりは筋が通っている国なのかもしれません。
・ヨーロッパとアジアの間という地理的、歴史的にもあるトルコ共和国ですから、
 国内の経済的な状況が良くなったりすれば、数少ないイスラム世俗国家
 でもありますので、世界のまとめ役にもなれる可能性を持っているとも考えられます。
・親日的な国なのですから、私たちももっとトルコ共和国に興味を持っても良いと思います。

List    投稿者 warasi | 2009-03-13 | Posted in 07.新・世界秩序とは?2 Comments » 

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コメント2件

 hermes bags united kingdom | 2014.02.01 12:45

hermes 81927 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 米カリフォルニア州破綻!!?

 wholesale bags | 2014.02.09 22:47

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 米カリフォルニア州破綻!!?

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