2007-11-16

プーチンさんの資本主義学習

連日、サブプライム関連記事で満載です。
NIKKEI NETから拾い上げて見ますと。

(11/6)米GM、4兆5000億円費用計上・サブプライムで収益見通し悪化
(11/7)米モルガン、37億ドルの損失計上・10月末、サブプライム関連で
(11/9)米銀、融資基準引き締め
(11/8)サブプライム損失、17兆円弱も・FRB議長
(11/9)ユーロ圏、08年は2.2%成長に減速・欧州委
(11/11)欧米金融機関、サブプライムの損失拡大
(11/14)IMF、欧州各行にサブプライム取引情報の開示要求
(11/14)みずほFGが業績下方修正、サブプライム関連損失響く

米国、欧州や日本など世界経済への影響度はかなり深刻です。しかし、ロシア経済に関する記事はあまり見掛けません。ロシアはどうなの????

エネルギー輸出国として一躍経済発展を遂げつつあるプーチン・ロシア経済にとって、米国のサブプライム問題など痛くも痒くもない・・・屁の河童(失礼)なのでしょうか??
                               CA8AILQF.jpg
              
クリック オネガイシマス

にほんブログ村 経済ブログへ


見つけました!ありました!!

ロシアも御多分にもれずサブプライムの餌食となっています。

 
ロシア、サブプライム余波続く 有力企業、資金調達困難に

信用力が低い米個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の余波がロシアで続いている。欧米勢による資産の引き揚げに伴い、外国からの借り入れに依存してきた国内銀行の資金繰りが悪化しており、中央銀行は連日、市場への資金供給に追われている。

 「我々は600億ドルまでの資金を供給する準備がある」。ロシア中銀のウリュカエフ副総裁は先週、政府系新聞のインタビューでこう表明した。中銀によると、国内金融機関は来年初めまでに500億ドル規模の海外からの借り入れが返済期限を迎える。中銀が「最後の貸し手となる」と強調することで市場の沈静化を図ろうとしたのだ。

 サブプライム問題による信用収縮はロシアを直撃した。8月には55億ドルの資金が流出。通常は2−3%程度のロシアの銀行間の翌日物金利は一時、10%に跳ね上がり、中銀は100億ドル規模の資金供給を続けた。

 政府は「資金流出は予想したほどではなかった」と繰り返し強調し、金利は一時的に低下に向かったが、9月も53億ドルが流出したことが明らかになった。中銀は再び資金供給に追われている。オーストリアのライフェンセン銀行のヨハン・ヨナッハ会長は「流出額は憂慮すべき規模だ」と指摘する。

 世界最大のエネルギー輸出をテコに高成長を続けてきたロシアの不安の元には巨額の債務がある。政府が欧米からの借金を前倒しで返済した代わりに民間の借り入れがこの数年で急増した。昨年末時点で2600億ドル規模に膨らんだ借金の利払いを含む返済額は年間100億ドル近くとの試算もある。しかもバブル気味の消費ブームで輸入が急増し、経常収支は2009年に赤字に転落するとの見方が強まっている。

 プーチン政権と一体となった圧力による企業買収で事業を拡大した石油会社ロスネフチ。同社は予定していた50億ドルの外貨建て社債発行を断念した。政権と敵対して解体に追い込まれた石油大手ユーコスの資産買収などで膨らんだ250億ドルの債務返済にあてる計画は中に浮いたままだ。

 独占天然ガス会社ガスプロムも子会社の社債発行を延期した。400億ドルの債務を抱える同社は英BPから奪い取った東シベリアのガス田の買い取りも先送りせざるをえなくなった。政府系銀行VTBは貸出原資の3割強を海外からの借り入れに依存。5月のロンドン市場での新規株式公開で80億ドル調達したが、株価は初値と比べ30%近く下がった。

 国策企業であるこの3社は有事には政府による直接支援が期待できるが、大手証券のアナリストは「今後3カ月間に信用不安と企業のデフォルトが連鎖的に起こる可能性を否定できない」と警戒を強めている。

 「安定化基金は本当にあるのか」。ロシアの投資銀行には海外投資家からこんな問い合わせが相次いでいる。危機時に備え、政府が原油収入の一部を蓄えてきた同基金は公式には3000億ドル超。海外勢は「腐敗した政治家や官僚にかすめ取られ、額面通りには残っていない」と疑っているという。プーチン政権が築いた経済の「健全性」に不信の目が向けられ始めている。

(モスクワ=古川英治) 日経金融新聞 2007年10月18日
                              CAO3B3A0.jpg

’03年から’07年までロシアの家計貯蓄率は低下する中で、消費拡大するという傾向が顕著に現れています。まさにサブプライム現象を呈しバブル化している状況といえます。また、ロシアは海外資金頼りの債務経済で世界金融の影響を強く受けやすく、世界資本の嫌気がロシア経済を急激に低迷させる可能性は大きいと考えられます。文字通り「金貸しは、国家(ロシア)を相手に金を貸す」典型ともいえます。

エネルギー輸出を基盤に、確たるプーチン王朝を築き上げようとするプーチン体制にとって、突然、思わぬ障壁が目の前に立ち塞がったようです。

List    投稿者 unkei | 2007-11-16 | Posted in 07.新・世界秩序とは?4 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2007/11/399.html/trackback


コメント4件

 匿名 | 2013.08.01 12:29

本当に狂ってますね。この世の中。

 匿名 | 2013.11.09 16:28

賢いですね。その頭脳をもっと他に使えば良いのに。人間の価値は頭脳ではなく倫理が重要ですね。

 hermes poland | 2014.02.01 11:35

hermes fr recrutement 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 消費期限切れ弁当、安く売るより廃棄する方が儲かる?

 wholesale bags | 2014.02.09 19:02

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 消費期限切れ弁当、安く売るより廃棄する方が儲かる?

Comment



Comment