2008-04-12

2008年中国経済は「不着陸」は言い得て妙

今年も桜満開となりました。
冬→春→夏→秋季節のサイクル、減速→停止→加速→トップスピードという速度に例えたサイクルなど、私たちを取り巻く社会の動きや経済活動もサイクルでイメージ出来ます。 
 
2008年の世界経済、米国経済、中国経済を一言で表現された中国経済レポート記事がありましたので紹介させていただきます。言い得て妙とはこのことかと思うほど感心しました。 
 
その題名は、「減速」「失速」「不着陸」—2008年の世界経済を展望する—沈才彬となっています。 
http://www.geocities.jp/mstcj182/ITEM-3A91.html 
 
そして記事の具体的な内容は下記の通りです。 

●「減速」「失速」「不着陸」 
 
2008年の世界経済はどういう展開になるかについて私の考えをお話します。 
 
世界全体のキーワードは「減速」だと思います。2008年の世界経済は減速する。なお、アメリカについては「失速」、それから中国については「不着陸」というのがキーワードになると思います。 
 
「不着陸」とは着陸しない、つまり高空飛行が続くということです。ソフトランディングでもハードランディングでもない、ノーランディングです。世界経済全体は「減速」、アメリカ経済は「失速」、中国経済は「不着陸」だと思います。 
 
まず中国について具体的にお話します。今、中国の経済界では、軟着陸か硬着陸かそういう論争が展開されています。ただし僕から見れば、この論争はナンセンスな側面が否定できない。その理由は二つあります。

(二つの理由は共産党全国代表大会が10月に開かれた事、北京オリンピックがあることを挙げられています。中国経済はコントロールされているとの認識を基にされており、頷ける内容です)

●2010年上海万博以降、バブル崩壊は要注意 
 
先ほど申し上げたとおり、来年はまず軟着陸も硬着陸もないと思います。ただし、オリンピックが終わり、特に2010年上海万博以後は、硬着陸か軟着陸か、そういう選択が迫られます。下手をすれば硬着陸(ハードランディング)のシナリオもあり得ます。

(中国の不動産と株式についてはバブル崩壊の懸念が強まっているという認識に立っています)

●注目される人民元の行方 
 
人民元は、2005年7月21日に2%切り上げられた以降も、緩やかな元高がずっと続いています。累計では約11%切り上げられています。多分これからも緩やかな元高が続くだろうし、来年はさらに加速する可能性が高い。

(人民元のコントロールも中国当局の可能な範囲内でという認識です) 
 
記事の内容を要約させていただいたものですが如何でしょう。言い得て妙と感心した表現でした。
続いて具体的な根拠を探してみました。 
 
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中国経済動向をデーターで示して頂ける記事を紹介させていただきます。 
 
中国金融経済動向データー月報 (2008年3月27日 みずほ総合研究所) 
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/china/A0803.pdf 
 
図A01 GDP伸び率長期推移には「不着陸」が見えてきます。
図A12 為替レートと貿易収支の長期推移では「人民元のコントロール」が見えてきます。 
 
最後に、関心が高い日本経済についてどうみているのか、沈 才彬の記事を紹介させていただきます。

●2008年世界経済の中の日本の進路 
 
国内だけ見れば、日本経済は今、戦後最長の景気、好景気が続いています。しかしグローバルに見た場合には、日本の国際的な地位は低下しています。 
 
例えば日本と中国と比較した場合、2001年の中国のGDPは、日本の四分の一です。ところが昨年は日本の六割になりました。私の予測では、2013年には、中国のGDPは日本を上回ることになります。それから輸出、輸入、外貨準備高も2001年時点ではいずれも中国はわずか日本の半分前後です。ところが昨年は、輸出は日本の1.5倍です。輸入は1.3倍、外貨準備高は、日本の1.2倍になっています。世界的に見れば、日本はプレゼンスが低下しているのが現実です。 
 
ここに二つのデータがあります。一つは世界経済フォーラムの世界競争力ランキングです。日本は低下しています。それからもう一つは、スイスに本部がある世界経営研究所(IMD)のデータです。これによると世界競争力のランキングで、日本は中国より下なのです。これは、衝撃的なデータです。つまりこれからいかに日本が競争力を高めて世界におけるプレゼンス、存在感を高めていくかが、日本にとって大きな課題なのです。日本はすぐれた技術力やブランド力といった強み、得意分野を生かして自分のプレゼンスをどう高めていくのか。これが来年以降の課題だと思います。 
 
中国の今の高度成長は、環境と資源を犠牲にした側面は否定できないですね。私の表現では、今の中国経済は爆食経済。「爆食」というのは私のつくった言葉なのですけれども、必要以上に素材とエネルギーを大量消費しているという意味です。これから中国は、爆食経済から省エネルギー型、節約型成長に転換しなければいけない。その過程には日本は十分に役割を果たすことができる。 
 
60年代、70年代は日本も爆食してきたのです。73年石油ショックから30年以上の努力を積み重ねた結果、今の日本の省エネ技術は世界トップレベルの水準に到達しています。そうした省エネ技術という日本の強みを生かし、日中協力で経済発展させる。これから日中関係のキーワードは「環境」と「省エネ」です。

みなさんはどう感じましたか?少なくとも私の場合端的な表現に感服しました。

List    投稿者 hassii | 2008-04-12 | Posted in 07.新・世界秩序とは?5 Comments » 

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コメント5件

 通りすがり人 | 2008.07.28 18:09

>米当局はドルの刷りすぎ状態を隠すため、2006年から通貨供給量(M3)を発表しておらず、代替指標としてセントルイス連銀が発表しているMZM(money of zero maturity)がある。
MZMってなんですか?
日銀の場合、日銀券の発行残高として、お札をどれだけ流通させているか発表していますが、それと同じですか?

 shushu | 2008.07.29 21:44

通りすがり人さん、コメントありがとうございます!
>MZMってなんですか?
通貨供給量の統計には、その統計の範囲に応じていくつか種類があり、M1、M2、M3などがあります。MZMとはM1とM2の間に位置する通貨集計量です。
では、M1、M2・・・とは何かと言いますと、ウィキペディアによれば、
M1: 現金通貨と預金通貨(普通預金・当座預金)を合計したもの。
M2: M1に準通貨(上記の預金通貨に準じた性格を持つ)を含めたもの。つまり、現金通貨と預金通貨と準通貨(定期預金や外貨預金)を合計したもの。
M2+CD: M2に譲渡性預金を含めたもの。通貨供給量の範囲としては最も一般的。
M3: M2に郵便貯金、農協・信用組合などの預貯金、金銭信託を含めたもの。
M3+CD: M3に譲渡性預金を含めたもの。
広義流動性 : M3に投資信託、国債などの債券、CPなどを含めたもの。
となっています。
>日銀の場合、日銀券の発行残高として、お札をどれだけ流通させているか発表していますが、それと同じですか?
日銀では、M1、M2+CD、M3+CD、広義流動性の4種類について統計を発表しています。

 ミノムシ | 2008.07.29 22:12

ドルの大量増刷と、それに対応する各国の通貨供給量の増加が、どのように「世界の多極化」と関係するのでしょうか?

 shushu | 2008.07.31 21:18

>ドルの大量増刷と、それに対応する各国の通貨供給量の増加が、どのように「世界の多極化」と関係するのでしょうか?
ドル基軸通貨体制という一極体制である限り、ドルの大量増刷に対しては、為替安定のために各国が通貨供給量を増やさざるを得ません。その結果、世界的なインフレは避けがたいものになります。それを回避するためにはドル一極体制をやめるしかなく、「多極化」はその方法のひとつではないかと思われます。

 hermes handbags belgique | 2014.02.02 8:20

hermes k?ln 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 世界は多極化する? 〜ドル安懸念から各国は通貨供給量を増加させている?〜

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