2007-10-21

急成長する中国でも、格差問題が深刻化している?

10月15日から、第17回中国共産党全国大会がありました。

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中国を率いているのは、共産党です。その経済関係の報告から、今の中国をみてみます。

前回の共産党大会で、総書記・国家主席に選任された、胡錦涛氏が、次の5年間に向けた施政方針を発表しました。

『胡総書記、2020年1人当たりGDPは00年の4倍に』(中国情報局、10/15ニュース)

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>中国共産党第17回全国代表大会(党大会)が15日、北京市内の人民大会堂で始まった。開幕式の冒頭では胡錦涛総書記(国家主席)が、2002年の前党大会から現在までの5年間を総括し、今後の方針を盛り込んだ「活動報告」の中で、2020年のGDPは現在の4倍とするなどと述べた。

>国家統計局によると、2000年の1人当たりGDPは7078元で、「4倍増」構想が実現すれば、2020年のGDPは2万8000元を超える。

*2000年の一人あたり7078元は、ドル換算すると934ドル、2020年には、3694ドルです。他の国と比較すると、2002年段階の一人当たりGDPは、日本31277ドル、韓国8900ドル、メキシコ6260ドルですから、現在のメキシコ並みになるのです。

>胡総書記は、過去5年間に政治、経済で大きな成果を収めたと同時に「共産党の仕事と人民の期待にかなりの距離があることを、冷静にみつめる必要がある」と指摘。資源の浪費と環境汚染など過大な代償や、都市と農村の格差の問題に触れた。また就職、社会保障、収入の再分配、教育と医療、住宅、労災、司法、治安など、人民にとって民生面で問題が多発していると述べ、「共産党には新しい状況に適応するための執政能力が不足しており、党員の一部には不正、形式主義、官僚主義が存在する」と批判した。

>活動方針中の経済分野では、エネルギー消費の抑制と環境保護を進めると同時に、2020年の1人当たり国内総生産(GDP)は2000年の4倍に引き上げ、全面的な小康(まずまずの生活レベル)社会に到達することを目指す。

>国民の収入問題では、全体的な向上を図ると同時に、税による調整を強化。利益分配の秩序を確立し、格差拡大を抑制する。都市と農村で最低生活保障制度を充実させ、保障レベルを引き上げる。失業、労災、出産保険も充実させる。住宅問題では、安価な賃貸住宅制度を充実させ、低所得層の住宅難の解決を急ぐ。また、機会均等と利益分配の秩序確立の観点から、企業による市場の独占状態も打破する。

>地域格差では、西部大開発や東北旧工業地帯の振興と共に、少数民族地区、辺境地区、貧困地区の発展支援に注力する。また、各地域の公共サービスの均一化を進める。

経済成長の中で、企業経営者や上級管理職と労働者・農民との所得格差が開いています。また、発展著しい沿岸部と内陸部・少数民族地域の格差も広がっています。

中国共産党は、その格差拡大が、政治的主張(共産党一党体制への批判)となる事を最も恐れています。

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胡総書記は、共産党の「状況への適応能力」に問題があると指摘しました。そして、現在の中国の経済格差を是正するには、大きな方針転換が必要だとしました。

方針転換の象徴が、鄧小平の「まずは富めるものから富む」という方針の「是正」です。

*鄧小平氏は、現在の開放・市場化路線を引いた、偉大な中国指導者です。

胡総書記は、「まず一番先に富めるもの」となる「中国共産党構成員」に対して、是正を呼びかけているのです。「党員は、不正を働いたり、商売で儲けたりしてはならない」と言っています。

中国共産党指導部が、私権(構成員の富めること)を2の次にして、社会秩序と中国統治の体現者になるのかの節目となる党大会です。

『胡錦涛発言「所得の第一次分配の公平性図る」が注目』(中国情報局、10/18ニュース)

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>中国共産党の胡錦涛総書記(国家主席)が15日の党大会開会式で、「所得の第一次分配での効率性と公平性を適切に処理し、再分配では一層公平性を重視する」と述べたことが注目されている。17日付新華社電は「これまでの原則を変更するものだ」と伝えた。

>所得の第一次分配の「効率性」とは、故鄧小平氏が提唱した「富むことができる条件のある者から富めばよい」という考えによるもので、それまでの悪平等などから脱却し、一部の人が早く豊かになることで、社会全体に富をもたらす発想だった。新華社によると、収入問題でこれまでの共産党の原則は「第一次分配は効率重視、再分配は公平性重視」だったが、胡総書記は「所得の第一次分配で労働報酬の要素を引き上げる」と変更した。

>北京大学経済研究センターの林毅夫主任は、「低所得者は労働力のみが富の源泉だが、富めるものは労働力に加えて資本がある。第一次分配に占める労働報酬の割合を引き上げれば、労働力のみに所得を依存する低所得者が、経済発展の果実をより多く得られることになる」などと、胡総書記は所得の引き上げを意図していると解説した。

List    投稿者 hassii | 2007-10-21 | Posted in 07.新・世界秩序とは?No Comments » 

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