2007-08-09

ロシア大統領の後継者

来春の選挙へ憶測乱れ飛ぶ  
sato_profile.jpg『佐藤優の世界を斬る』から引用
プーチン大統領は1952年10月7日生まれなので、現在、54歳だ。ロシア憲法では、連続して大統領に3回以上選ばれることは禁止されている。強大な権力をもつ大統領を特定の人物が長期間占めることによって、事実上の独裁制となり、民主主義が毀損(きそん)されることを防ぐためだ。もっともこれは建前で、ロシアの政治文化とはなじまない。
 ロシアは帝国であり、皇帝、共産党書記長、大統領と名称がいかに変化しても、属人的に強大な権力をもった「国家の父」が統治するという文化は変化しない。プーチン大統領はまだ若い。任期は2008年春までだが、50代半ばでプーチンが権力を手放してしまうことなど考えられない。
つづく
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ロシア人の政治感覚は欧米市民とは異なる。大統領選挙や議会選挙でも「われわれの代表を選出する」という発想がロシア人には欠如している。天から降ってくる候補者を「悪い候補者」「うんと悪い候補者」「とんでもない候補者」に仕分けし、とりあえず「うんと悪い候補者」と「とんでもない候補者」だけは排除するのが民主選挙の意義と考えているようだ。そもそも政治が悪なので、それを職業にするのは悪人に決まっているというのがロシア人の常識だ。従って、一般人や知識人は政治に積極的に関与しないというのが常態だ。広範なロシア人が政治に熱中するときは、国民の不満が極度にたまったときだけだ。ロシア人は忍耐強いが、一端、限度を超えて爆発すると収拾がつかなくなり、革命に至る。この政治文化をプーチン大統領は熟知している。
 一部にプーチンが議会与党を使って、大統領3選を可能にする憲法改正を行い08年選挙に出馬するとか、ロシアとベラルーシが国家連合を形成し、この新国家の大統領に就任するといった憶測が流れている。しかし、「法による独裁」を訴えた大統領が権力にしがみついて恣意(しい)的に憲法を改正するなどということをすれば、ただちに国民の信頼を失うことをプーチン自身も側近集団も十分自覚していると思う。従って、憲法改正によるプーチンの大統領3選はないと筆者は考える。
 巷(ちまた)では、サンクトペテルブルク出身の改革派系経済エリートの利益を代表するメドベージェフ第一副首相(前大統領府長官)と旧KGB(国家保安委員会)や軍関係者によって構成される「シロビキ(武闘派)」の利益を代表するイワノフ第一副首相(前国防相)が有力大統領候補であるという見方が強い。事実、両名が次期大統領の座を目指して選挙運動の体制を整えつつあるが、筆者はメドベージェフ、イワノフのいずれも大統領にはならないとみている。なぜならこの両者で事実上の一騎打ちということになると、選挙後、プーチン政権を支えた権力基盤に修復不能のヒビが入り、それがロシアの政治体制を著しく不安定にすることになるからだ。プーチンを支えるシロビキ、経済エリートのいずれもそのようなシナリオを望んでいない。
 3月末に民間招待で訪日したヤクーニン鉄道省次官が第三の有力大統領候補であるという見方もあるが、筆者はこれについても懐疑的だ。なぜなら、ヤクーニンは大統領側近の官僚として振る舞っているから、メドベージェフ派とイワノフ派の間隙(かんげき)を縫って第三の候補者と目されているに過ぎず、鉄道省や関連企業を超えたところで幅広い支持基盤を持っていないからだ。
 3月下旬に訪日したロシア政府高官に次期大統領候補に関するこのような筆者の見立てを話した。するとその高官はニヤリと笑って、「私も同じ見立てだ。そうするとサトウさんもフラトコフ首相が次期大統領となる可能性が高まってきているとみているのか」と尋ねたので、筆者は「そうだ」と答えた。フラトコフはプーチンよりも2歳年上だが、見た目は10歳くらい老けてみえる。また、肥満体で健康不安も抱えている。
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 フラトコフは弱い首相で独自の権力基盤を持っていない。08年大統領選挙にはフラトコフが出馬し、当選するが、1期限りとする。そして、12年の選挙にプーチンが再び出馬し、大統領に返り咲く。当然、プーチンは大統領を2期務め、20年までロシア国家のトップに君臨する。プーチン王朝は20年持つというシナリオだ。
 今年12月には国家院(下院)選挙がある。5月末にはロシアの政局も選挙含みになってくる。そのころ、フラトコフ次期大統領説がメディアでもにぎわすようになると思う。

List    投稿者 unkei | 2007-08-09 | Posted in 07.新・世界秩序とは?6 Comments » 

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コメント6件

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