G20の可能性を探る G20な国々②アルゼンチン
G20の可能性を探るシリーズ第2弾ということで、G20な国々②アルゼンチン共和国の紹介です。
■アルゼンチン共和国(アルゼンチンきょうわこく)、
■首都:ブエノスアイレス
■面積:2,766,890km2(日本の約7.3倍、世界第8位の領土面積)
世界第8位の領土面積って結構大きいですね〜。
アルゼンチンと言えば・・・・サッカー?、タンゴ?・・・。
いやいやその他にも沢山ありますよ〜。牛肉、ワイン、金、野菜、穀物などなどいろいろ。
経済的な部分を中心にアルゼンチンという国を紹介していきます。
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写真はフェルナンデス大統領。
アルゼンチン至上初めての選挙で当選した女性大統領です!
■名目GDP総額: 2、926億ドル (08年見通し 一人当たり 7、360ドル)
■成長率: 03年 8,8%、 04年 9,0%、 05年 9,2%、06年 8,5%、07年 8,4%(見通し)、08年 6,6%(見通し)
■貿易収支: 輸出 06年 465億ドル、 輸入 06年 342億ドル
■外貨準備高: 07年11月末 449億ドル
■アメリカ国債保有額 :不明
■自給率(食料、資源):90%
■人口 :39,144,753人(31位)
【アルゼンチンの農業産業の実績】
①世界一のヒマワリ油の生産国および輸出国
②世界一の大豆油の輸出国および世界三位の生産国
③世界一のハチミツの輸出国および世界三位の生産国
④世界一の馬肉の輸出国
⑤世界一の梨の輸出国
⑥世界一のレモンの輸出国および世界三位の生産国
⑦世界二位のピーナッツ油の輸出国
⑧世界三位の牛肉生産国
⑨世界三位の大豆生産国
⑩世界五位のワイン生産国(15億リットル)
上記の数字だけを見ているとなんとも安定した国なのかと思うかもしれませんが、実は2001年、アルゼンチンはデフォルト宣言をしています。それ以降は大分持ち返してきています。まだまだ予断を許さぬ状況であることは変わりありません。ここで、アルゼンチンについて、政治・経済・農業などの概要がわかる記事がありましたので紹介します。
■経済状況、農業、景気刺激策など
日本貿易振興機構(JETRO) ブエノスアイレス事務所長 設楽隆裕(しだら・たかひろ)
以下「アルゼンチン向けビジネスの現状と今後の展望」より抜粋引用
<政治・経済状況>
2001年経済危機以降、アルゼンチン経済の建て直しを図ってきたキルチネル大統領が、平均8.8%の5年連続でのプラス成長、経済活動指数を、46.2%押し上げ、失業率も20.4%から7.5%まで低下させた。
07年12月、危機からの脱却を果たしたアルゼンチンの舵取りを次に担うことになったフェルナンデス大統領への産業界の期待は大きい。
08年9月、フェルナンデス大統領は、自身の巻返しと失墜しているアルゼンチンの対外的な信用回復を狙って、同国が主要先進国に対して抱えている公的債務(パリクラブ債務)の支払い手続きの開始等を発表した。しかし、その後、リーマンショックを発端とした世界的な金融危機の流れの中で、年内返済予定の話は迷走し、最終的には継続案件として再度先行き不透明な状況に陥ることとなった。
その後、預金者の保護を目的として、民間年金基金(AFJP)の国有化を発表したことで国の債務返済能力への不信感が広がる。減速する経済の活性化を図るべくフェルナンデス大統領は08年11月に710億ペソ規模(約212億ドル)の公共事業投資を含む、金融危機対策プランを発表した。課題山積ではある一方で、依然として資源国としてのポテンシャリティーも大いに秘めているのも事実だ。
<農業・資源国としてのポテンシャル>
世界の食料不足が深刻化する中で、アルゼンチンは穀物、野菜、果物、食肉など食糧供給基地として最も高い潜在能力を秘めている。
アルゼンチンの作付け土地面積は約3,000万ヘクタールあり、適度な雨量と温和な気候、湿潤パンパと呼ばれる肥沃な広い土地などに恵まれている。これらの土地を活用し、高い競争力を持つ産業によって世界有数の食物輸出国の地位を得ており、その輸出額は、年間170億ドルにも上る。
07年の農産品・加工食品の総輸出額は178億ドルで、総輸出額の実に32%を占めている。また、02年から07年にかけて10%の成長を遂げ、GDPの5%を占めるに至っている。また、新規ビジネスの16%と、研究開発の8%がこの分野で展開しているほか、労働市場の30%が従事している。
この、農業の高い潜在能力は、作付け土地面積の余力(まだ9,000万ヘクタール近くの草原が牧畜のみに利用されている)と、人口が比較的少ない(3,974万人 )く、生産物の大半を輸出に向けることが出来る事情によるところが大きい。さらに・・・。
・バイオ燃料ビジネスにおいても、アルゼンチンは、EU、米国、ブラジルに次ぐ世界四位のバイオ・ディーゼル燃料の生産国である。政策上も支援している。
・銅、鉛、亜鉛、金、銀、リチウム
エネルギー供給不足問題があるもの、その他非金属鉱物や、金、モリブデン、銀、なども産出する。
<エネルギー産業>の、水力発電の占める割合が高い点は注目に値する。
ただし、エネルギー不足問題に対しては、バイオ燃料、原子力拡張を志向しており、今後の動きを見ていく必要がある。
なるほどー、エネルギーのほとんどが水力発電とはなんとエコな国なんでしょう。おまけにバイオエタノールも生産しているとか・・。お隣ブラジルも盛んですがね。
上記の通り、アルゼンチンは農地は豊か、エネルギーは豊富、鉱物もあるなど・・・実はポテンシャルは高いんです! 2001年に1回デフォルトを起こした国ではありますが、G20に参加しているゆえんもここにあるのかも!?こんなアルゼンチンですが、まだまだ新興国。もしかしたら「金貸しさん」が密かに狙っている市場かもしれませんね〜。今後の動きに注目です!!!
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コメント3件
tensen | 2009.05.28 0:06
確かに、二階堂さんの仰有る通り、イタリアの雇用と輸出は、中小企業がを担っている、
といっても過言ではありません。
イタリアの中小企業の強さは環境の変化に対し、素早く、柔軟に、そして積極的に革新を
行い、小回りの利くような経営を行っている所にあります。
デザインや高級素材等によるニッチ市場に対しての製品絞り込みを行って、製品差別化
による利益獲得を目指しているのです。
このような中小企業は企業家の個人的能力と血縁関係の地域ネットワークによって成功して
きました。
安いけど品質の劣る中国製品に比べれば随分ましだと思いますが、結果的にGDPも低成長、
失業率も高め、貿易収支もマイナスとあまり経済状態は良くありません。
また、OECDに加盟している国々(30カ国)の中でイタリアと日本の労働生産性を見てみると
イタリアが7位で日本は19位で日本の約1.2倍高いと言うデータがあります。
しかし、イタリアの統計データは地下経済が大きすぎて実態がつかめません。
日本の地下経済がGDPの約3%に対してイタリアは30%以上あると言われています。
(登録されている就業者数が少ないので一人当たりの生産性が高く評価されてしまっているのです。)
こういう状況の中で日本との協力関係を見出すためには実態を掴む必要があります。
データをキッチリ分析して答を出すためには、地下経済を公開し、実態が現れるデータとすべきです。
また、個人企業家の能力や血縁ネットワークでは無く、みんなで答を出していけるような組織づくりが必要だと考えます。
wholesale bags | 2014.02.09 19:30
金貸しは、国家を相手に金を貸す | G20な国々⑫ イタリア共和国
二階堂定晴 | 2009.05.24 9:44
うーん、なんか色々抱えてますな、イタリア。
しかしながら、この国の経済基盤はおびただしい数の中小企業が支えているようです。
しかも、潜在能力は高い。(几帳面な仕事はアレですが、発想力が豊か)
彼らがうまくネットワーク化して、そこに日本がJOINTできれば可能性は広がると思うんですがね。