米国はどのように衰退してゆくのか?(20)〜『米国人の精神構造は?』シリーズまとめ〜
前回まで、米国の精神構造を「政党、宗教、銃社会、映画文化」の切り口から探ってきました。
・米国はどのように衰退していくか?(16)〜米国人の精神構造は?その1 米国政党から見る精神構造とは?〜
・米国はどのように衰退していくか?(17)〜米国人の精神構造は?その2 アメリカ人にとってのキリスト教〜
・米国はどのように衰退していくか?(18)〜米国人の精神構造は?その3 銃社会から見えるアメリカ人の疑心暗鬼と分裂の予感
・米国はどのように衰退していくか?(19)〜米国人の精神構造は?その4 米国が生み出した最大の文化、映画に見る意識(誇りの時代と堕落の時代)
今回、これら様々な分野において見てきた内容から、改めてアメリカ人の精神構造における共通項を整理し、シリーズのまとめとしたいと思います。
(画像はコチラからお借りしました。)
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◆その1 〜米国政党から見る精神構造とは?〜
WASPとは純粋な白人集団であり、「選ばれた人種である」「アメリカは世界一」という価値観を強く持っています。
2008年リーマンショックで高まる世界金融危機から、2009年、民主党のバラク・オバマ氏が黒人初の大統領として就任。雇用回復、社会的弱者の救済などに取り組み、現在に至ります。
つまり、2008年までの間、米国はこのWASPが中心となる共和党によって統治されており、WASP特有の白人意識が色濃く残った国家であるといえます。
彼らが持つ特有の価値観念は、なぜここまで強くなったのでしょうか。
この記事では、アメリカ人の精神構造の特徴を以下のように締めくくります。
つまり、アメリカ人の意識の根底部分には、「多民族への警戒心」と「価値観の正当化」がある事がわかります。
次の投稿では、その精神構造に至った要因を歴史を遡り扱いました。
◆その2 〜アメリカ人にとってのキリスト教〜
「写真は: キリスト教=パブテスト教会(プロテスタント)の侵略分布」
これがアメリカ人の意識において切り離せない要因となっています。
最初にこの土地に目を付けたプロテスタント達に続き、次々と、他の民族がこの新天地を目指しやってきました。
バラバラの人種が、インディアンを侵略し、自分たちの土地を拡大してきた歴史の上に、今のアメリカ人の存在があるのです。
このような侵略の歴史を識れば、彼らアメリカ人が持つ他人への警戒心(排他意識)の根深さも、納得がいきます。
また、彼らの多くが信仰するキリスト教が、なぜここまで拡大し強く根付いてきたのか。も、この歴史事実で説明が付きます。
それは、先住民を次々と殺戮してこれたのも、キリスト教という宗教観念に収束することにより殺戮の行為自体を正当化することが出来たからなのです。
そして何より、バラバラの人種を国家として統合しようとした場合、それを統合しきれる強力な観念が必要でした。そういった側面でも、キリスト教という宗教観念は格好の道具でした。
もうひとつ人々を観念統合する上で有効だったものがあります。
それが『映画』です。
「その4」の投稿では、映画がどのように人々の統合の役割を担ってきたのかを説明しています。
◆その4 〜米国が生み出した最大の文化、映画に見る意識(誇りの時代と堕落の時代)〜
戦争を含め、幾度に渡る侵略により警戒心が強くバラバラだった人種を、映画という手法で統合しようとしました。
数多くのヒット作品を作り出し、今ではアメリカを代表する産業となりました。
キリスト教へ収束することに加え、彼らが安心できる拠り所として、「アメリカナンバーワンorアメリカ絶対」という観念を映画という手法で植え付けることを考えました。
しかし、現代では他国からみる米国の「世界一」のイメージは崩壊寸前まできています。
統合の為の道具として使ったこの観念も、今ではその効力が失われつつあるのです。
娯楽に走ることで保ってこれた安泰も、その後ろ盾が崩れたとなれば彼らには再び「他人への警戒心」が顕在化してきます。
現に、その兆候は現れており、アメリカの銃社会の拡大が具体的な現象事実として挙げられます。
「その3」の投稿では、銃社会について扱いました。
◆その3 〜銃社会から見えるアメリカ人の疑心暗鬼と分裂の予感〜
このような事実は、私達日本人からしてみれば、非常に驚くべきことです。
なぜ、アメリカの銃所持率はここまで増大したのか、次に説明しています。
幾度となく侵略・虐殺を繰り返してきた文化であるため、アメリカ人にとって他人を警戒する意識が極めて強いということを如実に表現した一文です。
この投稿ではこれらの事を、以下のように締めくくっています。
軍需・金融・実態経済など、様々な産業の場面でトップを走り続けてきたアメリカも、とうとう崩壊への最終局面へと追い込まれてきています。
国が崩壊するということは、アメリカ人の誇りである「アメリカこそ世界一」という今まで彼らを繋ぎとめていた統合観念が崩れ去ることを意味します。
一体、この先アメリカはどのようになっていくのでしょうか。
今日は、連作『米国はどのように衰退していくのか?』のうち、「米国人の精神構造は?」シリーズのまとめを行いました。
次回は、この永きに渡る「連作のまとめ」をしたいと思います。
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