2012-08-13

『日本国債暴落の可能性は?』【13】ギリシャ、ユーロ危機にみる金貸しの手口?

前回の「【12】コラム②:国債暴落したらどうなる?事例に学ぶ」では、国債が暴落したらどうなるのか?国民の生活はどのようになってしまうのか、に焦点を当て、過去に国債の暴落を経験してきた国々を取り上げ、その実態をまとめました。
今回は、ギリシャ、ユーロ危機に金貸しがどのように関わっていたのかを追究していきたいと思います。

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<画像はこちらからお借りしました>
『日本国債暴落の可能性は?』シリーズ過去記事は以下をご覧ください。
【1】プロローグ
【2】国債って何?:基礎知識の整理①
【3】国債発行と流通の仕組み:基礎知識の整理②
【4】国債発行の歴史と直近の発行残高(国の借金1000兆の実態)
【5】国債って誰が持ってる?(保有者の実態)
【6】コラム①:格付け会社って何?
【7】国債市場の動き?
【8】日銀の金融政策って何?:基礎知識の整理③
【9】日銀の金融政策の変化
【10】国債暴落説の紹介
【11】国債暴落しない説の紹介
【12】コラム②:国債暴落したらどうなる?事例に学ぶ
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■ギリシャ危機の概要
2009年頃からギリシャ政府の財政が悪化した問題。2009年10月にギリシャでは政権交代があり、前政権が財政赤字を過少に計上していたことが明らかになった。ギリシャの2009年の赤字はGDP比で12.7%であることが分かり、前政権が発表した5%超の2倍であることが明らかになった。
財政赤字が拡大していることが明らかになったことで、ギリシャの統計データへの信頼が失われるとともに、債務返済能力も疑われることになり、ギリシャ国債の格付けが引き下げられた。EUの執行機関である欧州委員会は、ギリシャの政府債務残高は2009年末にGDP比で110%を超えていることを発表した。
ギリシャの財政悪化によって、欧州統一通貨であるユーロの信頼も揺るがすことになり、為替相場でもユーロ安が進んだ。
(マネー辞典m-Wordsより)
○参考:『ユーロ発国家財政危機の行方』1.ギリシャ問題・PIIGS問題とは?
■ギリシャ、ユーロ危機にみる金貸しの手口
では、実際にギリシャ、ユーロ危機の背後で金貸し勢はどのような動きをしていたのか見ていきましょう。
(株式日記と経済展望より抜粋。)

ゴールドマン・サックスは、ギリシア債で以下のような、犯罪的な方法をとっています。後では告発を受け、事実を認めて相手に与えた損に相当する罰金を払ったのです。
(1)最初、ギリシア国債を買う。保証保険のCDSもかけて買い、ギリシア政府の債務をオフ・バランスにし、EUには嘘の財政データを出させる。これが、債務の飛ばしです。

(2)顧客である投資家(及び銀行)には、ギリシア債は、財政は健全だが金利が高く、利益があるとして売る。あるいは、ギリシア債にCDSをかけ、デフォルトのとき支払われる保証保険を、国債額面の2%程度の低い料率で買う。

(3)通じている、子会社のヘッジ・ファンドに、ギリシア債を空売りさせておく。先物売り、売りオプションでも同じ効果である。

(3)機会を見て、ギリシア政府の債務は、嘘であることを、マスコミにリークして暴く。自分たちも、驚いたように装う。 ギリシア債は市場で売られて下がり、金利は瞬く間に10%に向かい高騰した。

(4)国債が下がると、保証保険のCDSの価値は上がる。例えば2%だったCDSの価格は、国債が下がってその金利が10%くらいになると、4倍くらいに上がる。
国債がデフォルトしてもCDS証券をもっていれば、額面の100%の回収が保証されるからです。
(注)ヘッジ・ファンドの設立では、投資の私的組合とされるので、運用の中味を公開せねばならない規制は、日米欧に、ありません。8000本の全部の本拠は、当局が監視できないオフショアです。
投資顧問業のAIJの、投資内容とお金がどこへ行ったのか、金融庁には未だに分からないのは、このためです。わが国にも、年金の運用を請け負っている投資顧問業が265社もあります。
〔CDSの利益〕
1兆円の国債にかかった保険料率2%のCDS(購入価格は200億円)は、その国債の金利が10%に上がると(国債価格が例えば30%も下がると)、4倍付近の800億円の市場価値に上がります。
600億円が利益になります。CDSはその国債を持っていなくても、かけることができ、売買ができるのです。
CDSは、第三者がかけた生命保険に似ています。保険がかかった人の生命の危機(=デフォルトの危機)が高まると、保険金1億円が受け取れる生命保険証券の価値は、上がるでしょう。あたかも、分からないように毒をのませた保険金殺人です。実際に、ギリシア債で、以上が行われたのです。
〔他の利益〕
CDSと同時に、国債価格が下がると、空売り、先物売り、売りオプションにも巨大利益が出ます。オプションの証券そのものも、独立した金融商品として売買ができるのです。
以上が、本当のことを暴けば、デフォルトが確実なギリシア債を対象に、ゴールドマン・サックスが2010年に行っていたことです。

■まとめ
大きくまとめると、金貸し勢は債券・株の売買を次のような手順で行うことで利益を上げていると言えます。
①金利の安い債券・株を買い、同時にCDSをかけることで、債券・株の価格を上げる
②連れ買いが起こることで、価格がピークに達する
③ピークに達すると同時に、空売り等(証券価格が下がることで利益を得る取引)を行う
 ※その際、マスコミを使い「国債は危ない」ことをリーク
④国債価格の暴落・CDS価格の急騰により、空売り・CDS売却で利益を得る

ギリシャ、ユーロ危機の背後で金貸し勢がどのように動き、何を行ってきたかを見てきました。こうして見ると、金貸し勢はその莫大な運用資産を背景に国債・CDS・空売り・マスコミなどを組合せ操作する事で、国家の借金までも金融商品化し利益を得ようとしていることがわかります。以前のように単に国家に金を貸し、その利息や政治のコントロールで利益を得るだけではなくなってきているようです。国債価格さえもコントロールしてしまう金貸し勢にとってみれば、一般市民は手のひらの上で踊らされているにすぎないと感じてしまいます。

List    投稿者 fujita | 2012-08-13 | Posted in 07.新・世界秩序とは?No Comments » 

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