2009-12-25

『商品市場の背後に性市場あり』 その4 ・・・ 性権力を正当化する欺瞞思想=近代思想の正体

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前回は、市場拡大の原動力となった『近代思想のペテン』がなぜまかり通ったのか?近代思想がどの様にして実を結んだのか?について扱いました。
今日はその続きです。 
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剥き出しの自我を覆い隠す『権利』という正体、そして近代思想の背後にある『権利』が要求・権利主義を加速させ、本源価値を破壊してゆく極めて悪質な欺瞞観念である。
今回は、これらについて見ていきましょう。 
 
引き続き『実現論 第二部私権時代 チ.性権力を正当化する欺瞞思想』より引用してゆきます。

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しかし、剥き出しの自我では人々に共認されない。社会に要求する以上、それがあたかも本源的要求であるかの様に見せかけなければならない。そこで、際限なく肥大してゆく反社会的な自我やそれに基づく要求を正当化する為に、もっともらしく幻想観念化した権利という欺瞞観念を捏造した。権利とは、集団捨象の自我→要求をもっともらしく見せかける為の架空観念に過ぎない。だから、近代思想が掲げる権利は、どれを取っても「この権利は絶対である」という根拠など全く何も無いのであって、あるのは己の自我・私権を貫徹する為の一方的な要求だけである。だからこそ、近代思想は権利だけを絶対的なものとして主張し、義務を欠落させているのである。
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剥き出しの自我では、廻りの人達から、白い目で見られるのは、想像がつきますよね。だから、彼らは、どうにかして、自分に正当性があることを社会的に認めてもらう事が必要になるわけです。
「白い目で見られるのは困った。嘘でもいいから私のこの願い(=自我)を実現してくれる術はないかしら・・・嘘でもいいから・・・そう嘘でもいいから・・・」
そこで、登場した術が『権利』な訳ですね。社会に認めてもらうために『権利』という非常に都合の良い魅惑的な架空観念を使わなければならなかった。そしてとうとう、彼らは、暗黒世界に足を踏み入れる事になるのです。

その上、性市場を基盤に絶大なる性権力を手に入れたことによって、女たちの性的自我と、それに基づく豊かさ要求や保障要求は際限なく肥大してゆく。しかも、豊かさが実現されればされる程or 私権が保障されればされる程、性権力を抑圧する私権(占有権)の強制圧力が低下して、性権力は際限なく肥大してゆく。かくして、自我・私権の塊となって性権力の拡大に収束した女たちは、必然的に要求主義・権利主義の塊となる。
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「これは、私のものだから・・・他人に言われる筋合いはないわ。そう・・・私には、『権利』がある。」『権利』を手に入れた、彼らは、更に都合良く考えていきます。
「何しろ私には、『権利』がある」と・・・いつのまにか『権利』が、独り立ちしてゆきます。
かくして、彼らは、これを楯としながら、己の自我・私権を貫徹する為の一方的な要求をし続けていくのです。はどめがかかりません。
   

しかし、それらは全て人々を欺いて共認を形成する為の欺瞞観念なので、彼らは決して醜い自我の現実には触れないで、美化された幻想観念しか見せないし、見ようともしない。従って、彼らが「個人」とか、「自由」とか、「市場」とか言う時、それは常に現実ではなく、美化された欺瞞観念を指すことになる。つまり、彼らには現実そのものを直視することができない。もし現実を直視すれば、その欺瞞思想は忽ち瓦解して終う。従って、当然のことながら実現されたのは醜い自我(エゴ)の現実のほうだけで、現実離れした、その奇麗事の欺瞞観念が言葉通りに実現されたことは、一度もない。
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そして、『権利』という御旗の元に、彼らは「個人」「自由」「市場」という言葉を口にします。ところが、既に彼らは、欺瞞観念に染められているわけですから、これらの言葉も美化された幻想的な観念として確固として存在してゆきます。そして益々、彼らは、現実を直視できなくなっていくことになります。嘘を嘘で塗り固めていく構造と似ていますね。

要するに近代思想とは、反集団・反共認の自我を本源風の欺瞞観念で塗り固めただけの代物であり、狼(エゴ)が正体を隠す為に被る羊の皮にすぎない。そこには一片の真理も事実もない。あるのは、ただ欺瞞(or 詐欺)観念だけである。中でも「恋愛」と「個人」と「人権」と「福祉」は、本源価値を踏襲しているかの様に装いながら、その実、中身をすっかり自我や権利に換骨奪胎し、本源価値を破壊してゆく極めて悪質な欺瞞観念である。これほど粗悪で悪質な「思想」は、人類史上に例がない。
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「恋愛」「個人」「人権」「福祉」という綺麗な言葉で、醜い自我は被い隠され、反集団の流れを加速していくのです。近代思想の背後にこのような正体があったと、想像できたでしょうか?
続きます・・・・

List    投稿者 orisay2 | 2009-12-25 | Posted in 07.新・世界秩序とは?7 Comments » 

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コメント7件

 Hiroshi | 2010.07.29 19:37

金融規制法が成立しましたね。
これでドル暴落に向けてまたワンステップ進んだ感じです。

 kyohei | 2010.07.29 19:39

今後もさらに、日本は世界各国から注目が集まりますね。
世論によって「消費税増」が宙に浮いたように、今後は世論によって日本が変わっていきそうな気がします。

 kanon | 2010.07.29 19:41

米 金融規制改革法案の主要条項のポイントが掲載された記事があったので転載します。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK867727620100628
 <スワップ部門分離案>
 ウォール街の金融機関は一部のスワップ取引について取引部門を分離しなければならなくなる。ただし、自らのリスクをヘッジするためのデリバティブ取引など、多くのスワップ取引業務は引き続き認められる。
 店頭デリバティブ取引の大半は中央清算機関や取引所を通じて行われることになる。
 店頭デリバティブ取引のエンドユーザーの多くは従来通りの取引が可能。
 <ボルカー・ルール>
 金融機関の自己勘定での高リスク取引は大幅に制限され、大規模銀行の事業規模拡大に歯止めが掛けられる。ヘッジファンドやプライベートエクィティへの出資は、銀行の中核的自己資本(Tier1)の3%を上限に、3%を超えない出資を認める。
 一部の大手銀行の収益は、ボルカー・ルールとスワップ部門分離案の影響を受けて低下し、一部の銀行は構造改革を迫られる可能性がある。
 
 <金融機関の破たん処理>
 アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のような大型救済やリーマン・ブラザーズのような破壊的な破たんを回避する目的で、法案には破たんの瀬戸際に立たされた金融機関を「秩序ある方法で清算する」新たな手続きが盛り込まれた。
 当局は経営難に陥った金融機関を差し押さえ、清算することが可能。コストは、必要なら資産の売却と他の金融機関からの拠出金でカバーする。
 <消費者保護機関>
 政府の監視体制を拡大し、金融商品の消費者保護を強化する。米連邦準備理事会(FRB)内に住宅ローンやクレジットカードを規制する新組織を設ける。自動車ディーラーは監督対象外。
 
 <横断的の監督体制>
 連邦監督当局者で構成される横断的な新たな評議会が金融システム全体へのリスクを監視する。リスクの高い企業への監督を強化する。
 <ヘッジファンド>
 プライベートエクイティとヘッジファンドには監督当局への登録と情報開示を義務付ける。ベンチャーキャピタルは対象外。
 <保険会社>
 州が規制している保険会社を監視する連邦監督当局が初めて設置される。
 <銀行の自己資本比率>
 銀行は将来の危機に備えて資本を積み増すことが求められる。ただし、適用まで数年間の猶予が与えられる。
 <FRBの緊急流動性対策>
 FRBが金融危機を受けて実施した緊急流動性対策は見直される。金利に関する決定は含まれない。
 <デビットカード>
 デビットカード取引に対する手数料は引き下げられる。銀行に対する小売り業者の勝利。

 sakashun | 2010.07.29 21:05

>・この流れの中で、戦争屋は焦っている?日本の金を狙っている。
・韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件の対抗措置として日本海で実施されていた米韓合同軍事演習「不屈の意志」が28日、終了した。28日 毎日新聞
・ホルムズ海峡で28日未明、商船三井(東京都港区)の大型原油タンカー「M・STAR」(マーシャル諸島船籍、約16万トン)の船体後部に起きた、中略 爆発事故国土交通省は、乗組員が事故当時、水平線上で光を目撃したと証言していると発表。商船三井は、外部から攻撃された可能性が高いとしている。29日  毎日新聞
戦争屋の脅しか?この慌しさは異常ですね。D.ロックの焦りを強く感じますね。

 kanon | 2010.08.02 23:05

そういえば7/29の日経夕刊にこんな記事がありました
〜以下転載〜
「グアム移転経費 米下院36%削減」
米下院は28日の本会議で、2011会計年度(10年10月〜11年9月)軍事建設歳出法案を可決した。沖縄に駐留する海兵隊のグアム移転経費は2億7300万ドル(約240億円)にとどまり、政府要求の4億2700万ドルより36%削減された。
上院は75%カットで調整中のため、法案一本化作業で大幅削減の方向で進む見通しだ。
〜転載終了〜
Σ(‾ロ‾;)
…D.ロックの焦りは募る一方
今後の展開が気になります!!!

 セリーヌ トート | 2013.10.24 13:41

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