2006-10-30

中国経済の意外な不安要因

 現在9%の成長を維持している中国経済に、意外な不安要因が懸念されている。
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 大量の人口が高齢化して、その割合を拡大しているため、崩壊した中国の年金制度は前例のない難問に直面している。
 中国では現在、全人口の11%を占める1億4000万人以上が60歳以上の高齢者で、アジアの高齢者全体の半分を抱えている。
 とりわけ厄介なのは、中国は比較的豊かになる前に高齢化が進展するということである。先進国では高齢化社会突入時の1人あたり国内総生産は、5千〜1万ドル超であるのに対し、中国の現在の1人あたり国内総生産は、わずかに1千ドルを超える程度である。

http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz06q4/516088/

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 中国で出生率の高かったのは1950〜1960年代。その後は一人っ子政策の導入や、若い世代の少子化傾向により、子どもの数は減少していった。
 その頃の生まれた人々はもう50代になりあと数年で定年を迎えようとしている。彼らを支える若い世代の数が圧倒的に足りていない。現在は引退者1人を、現役3人が養っているが、この比率が2030年には1:1になると言われている。
 
 中国の年金制度は、国営企業が運営している。しかし、多くの企業は市場競争の圧力のなかで、資金的余裕を失っている。
 また、中国の年金制度は腐敗が深刻化している。年金基金の使い込み、流用が相次いでいる。基金を原資にした企業融資が失敗したり、株式投資の損失補填に利用され、使い果たしてしまった基金もある。相当な額の基金が既に失われていると言われている。
 このまま高齢化が進めば、極貧の老人があふれ、大きな社会問題になる可能性がある。
参考:
「官僚が食べ尽くす? 中国の年金基金」
迫る超高齢化社会、庶民の手には雀の涙
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20061019/111994/

List    投稿者 sakamoto | 2006-10-30 | Posted in 07.新・世界秩序とは?4 Comments » 

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コメント4件

 和民 | 2006.11.15 0:00

’73年は、『福祉元年』『少子化元年』の他にも、石油ショックがあった年であり、赤字国債発行した年であり、経済成長率が初めてマイナスになり、三種の神器の普及率がほぼ100%になり、貯蓄率の上昇が止まった年でもあります。
日本社会の大きな転換点のようです。

 ヴィトン アウトレット | 2013.07.02 6:35

突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!

 プラダ 財布 | 2013.07.06 16:07

カッコいい!興味をそそりますね(^m^)

 hermes picotin | 2014.02.02 9:04

hermes toolbox handbag 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 「福祉元年」は「少子化元年」、そして生まれた年金の『負のループ』

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