2011-06-09

シリーズ「必要か否かの判断の土俵」その4〜必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆく〜

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この写真はこちらからお借りしました⇒(リンク
前回は、みんなの関心が集まっている原発問題に焦点を当てながら、必要か否かの「判断の土俵」とはどんなものかについて考えてみました。
>今現在、みんなに必要な事実がどこにあるかと言えば、マスコミに替わる『ネット』であり、みんなの真っ当な意識にありますし、そこにしかありません。真っ当な意識とは、『必要か否か』という判断軸であり、それはみんなを対象とした意識からしか生まれません。
今回は、一人ひとりの中に浮上してきた「判断の土俵」がどのような形でみんなの共有のものになってゆくのかについて考えてみたいと思います。
⇒原発は必要なのか、不要なのか。一人ひとりの意識がどのようにして、みんなの判断土俵に繋がってゆくのでしょう?
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それでは、超国家・超市場論24 必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆくを見てゆきます。

この『必要か否か』という判断機能は、存在(本能・共認・観念)を貫く、極めて基底的な地平にある判断機能である。あるいは、全ての生物に備わっている不可欠の生存機能であると云っても良い。
しかし、私権闘争の圧力で満たされた社会では、人為的な私権の強制圧力とそれに基づく共認圧力によって、「私権だけが絶対的に必要」(従って、何にたいしても必要か否かの判断は一切無用)という極めていびつな状態が作り出されてきた。
従って、貧困が消滅し、私権の強制圧力が衰弱すれば、人工的に作り上げられた「私権だけ」といういびつなタガが外れて、生物本来の基底的な判断機能が再生されてゆくのは当然である。

>必要か否かの判断機能は、全ての生物に備わっている不可欠の生存機能
生物とは、生存するためにエネルギーを消費し、それを補うために必要なもの(餌)を体内に取り込むことによって生存を繋いでゆく存在です。だから、本能にセットされる形で、生存にとって必要か否かを判断する機能を備えているし、それが最基底の機能であるのは自明です。
>「私権だけが絶対的に必要」(従って、何にたいしても必要か否かの判断は一切無用)という極めていびつな状態
かつて、大半の庶民が貧しく、豊かな生活を求めていた時代は、いかにして自分の(家族の)生活を豊かにするかということが課題であり、それ以外の、例えば、原発を設置することは必要なのかどうか?といったことは、殆どの人にとって無関係な事でした。

そうなれば、従来の私権的なるものの全ては(身分もお金も、あるいは物財も解脱も)、改めて『必要か否か』という土俵上で真っ当な判断の洗礼を受けることになる。(例えば、これまで闇に隠れていた役人の「不祥事」が、次々と明るみに引きずり出される様になってきたのも、この『必要か否か』という真っ当な判断の土俵が形成され始めたからであり、先に触れたマスコミ主導の「ワールドカップ」フィーバーに感じる寒々しさも、その土俵上での最先端の感覚である。)
つまり、『必要か否か』という最基底の、それゆえ真っ当でシンプルな『判断の土俵』(=新しい演場の基礎)が出来てくると、国家も市場も全面的にその土俵の上に乗らざるを得なくなり(∵逃げ道はない)、そこでの評価指標=身分やお金は『現実に必要か否か』を表わすモノサシに変質せざるを得なくなる。

>これまで、みんなの意識に蓋をしていた「私権の圧力」が消えてしまうと、『必要か否か』という最基底の『判断の土俵』が出来てくる。そして、国家も市場も全面的にその土俵の上に乗らざるを得なくなる
1970年代、殆どの国民が豊かさを獲得して以降、1991年バブル崩壊、1997年金融危機、2008年リーマンショックなど経済破局が繰り返され、みんなの意識から私権の価値はほとんど消えてしまいました。
東日本大震災と原発問題が発生する前までは、国家政策の中で必要なものと不要なものを選別しようということが注目を集めていたし、必要な公務とは何?といった意識も生じていました。
あいかわらず、マスコミによる洗脳は続いていますが、今回の原発問題はそのようなゴマカシも爆発とともに吹き飛ばしてしまい、国民一人ひとりの中に「原発は本当に必要なの?」という意識を浮上させてきました。

これまで(前世紀まで)は、物財の「必要」は自明であり、従って人々はその価値の大きさだけを追い求め、お金は専らその価値量=価格を表わすモノサシとして機能してきた。それこそが、お金の本来の機能であった。従って、お金の『必要か否か』のモノサシへの変質は、お金にとっては実に窮屈な、面白くない役回りを強要されるということである。
しかし、それは序の口に過ぎない。それどころか、『必要か否か』という土俵上では、どれだけ多くの人が必要と認めたかが、つまり『人数』こそが、「お金」を超える最先端の評価指標となる。そこでは、お金は人数を判定する基準(お金を払った人だけを人数として数える)にすぎなくなる。つまり、古い評価指標=お金は、新しい評価指標=人数の補助指標に転落する。
この様にして、『判断の土俵』を基礎とし、『人数』を評価指標とする新しい演場の中に、国家(身分)も市場(お金)も呑み込まれ、解体され、再統合されてゆくことになる。

>「人数」こそがお金を超える最先端の評価指標になる
いまや、所得や価格の額面の高さよりも、どれだけ多くの賛同が得られているか、受け入れられているか、ということの方が大切にされるようになっているのは誰も否定しないと思います。
つまり、必要か否かの判断土俵の上では、「お金」よりも「人数」の方が最先端の指標になるのはごく当然なこと。
>国家(身分)や市場(お金)も全て、「人数」を指標とする必要か否かの判断土俵を基礎にした演場に呑み込まれ、解体され、再統合されてゆく。
これまで、「身分」は国家統合の要だったし、「お金」は市場システムの要だったが、それらも全て「人数」を指標にした判断土俵の上に現れる演場の中に呑み込まれてゆく。
この演場とは、いまのところネットが最有力だと思われます。実際、マスコミが本当のことを伝えないということがあからさまになり、ネットの中から事実を探索する人が相当数に達していると思います。マスコミ人の中にも、足で稼ぐ取材の代わりにネットから情報を入手する向きがかなりいるようです。
現在の課題は、ネットの世界が玉石混交で、どれが本当のことなのか、有益なサイトはどれなのか、といったことが見えにくい状況になっていること。しかし、例えばブログランキングのように、支持者の「人数」を指標にした土俵の上で淘汰され、本当に有益な「認識形成の場」を中心に再統合されてゆくことになると思われます。

List    投稿者 wyama | 2011-06-09 | Posted in 07.新・世界秩序とは?8 Comments » 

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コメント8件

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