2009-01-16

G20の可能性を探る G20な国々④メキシコ合衆国

今後の金融危機の行く末に大きな影響を与えると思われるG20カ国のうち、日頃なじみの少ない国から順に経済・政治等の実態を調べていくことで、G20の可能性を探っています。
今回はその第四弾になります。

古代都市チチェン・イッツァ
メシキコにも大きくはありませんが、ピラミッドもあります。

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Wikipediaと日本貿易振興機構のHP からメキシコに関する情報を見ると下記のようになります。
■メキシコに関する基本情報

国・地域名:メキシコ合衆国 United Mexican States漢字と中国語の表記は墨西哥で、略して墨。
面積:1,964,375平方キロメートル(日本の5.2倍)
人口:1億326万人(2005年10月国勢調査,国立統計地理情報院:INEGI)
首都:メキシコ市 人口1,923万人(2005年10月国勢調査,INEGI)
言語:スペイン語
宗教:ローマ・カトリック(96%)

○経済状況

実質GDP成長率:3.3% [2007年]
名目GDP総額: 9兆7,628億6,379万ペソ [2007年]
            8,933億6,430万ドル [2007年]
一人あたりのGDP(名目):8,478.7ドル [2007年]
失業率:3.72% [2007年]
経常収支(国際収支ベース): -55億2,510万ドル [2007年] 暫定値
貿易収支(国際収支ベース):-100億7,360万ドル [2007年] 暫定値
外貨準備高 : 871億920万ドル [2007年]
対外債務残高:1,820億ドル [2007年]    暫定値
輸出額 : 2,718億7,530万ドル [2007年]FOB,暫定値
対日輸出額 :  19億1,265万ドル [2007年]FOB
輸入額 : 2,819億4,910万ドル [2007年]FOB,暫定値
対日輸入額 :  163億4,298万ドル [2007年]FOB

○政治体制

政体:連邦共和制
元首:フェリペ・カルデロン・イノホサ Felipe CALDERON Hinojosa (任期6年、1962年生まれ。国民行動党:中道右派)
議会制度:二院制
議会概要(定員数、発足年、任期):上院128人:任期6年(2000年7月、全128議席改選)、下院500人:任期3年

○歴史

先コロンブス期
 この地域は、紀元前2万年頃の人間が居住した形跡があるといわれ、先古典期中期の紀元前1300年頃、メキシコ湾岸を中心にオルメカ文明が興った。
先古典期の終わりごろ、メキシコ中央高原のテスココ湖の南方に、円形の大ピラミッドで知られるクィクィルコ、東方にテオティワカンの巨大都市が築かれたその後も後期マヤおよびアステカのような複数の高度な先住民文明の拠点として繁栄を極めた。
アステカ帝国
14世紀後半、テスココ湖の西岸にあるアスカポツァルコを首都とするテパネカ王国にテソソモクという英傑があらわれ、その傭兵部隊だったアステカ族は、テソソモク没後、15世紀前半、テスココ、トラコパンとともに三都市同盟を築き、テスココの名君ネサワルコヨトルの死後は、完全にリーダーシップを握って周辺諸国を征服し、テノチティトランを中心にアステカ帝国を形成した。アステカ帝国は比類なき軍事国家であり、現コスタ・リカにまで隆盛を轟かせていた。
スペイン植民地時代
 1492年のクリストバル・コロンによるアメリカ大陸到達後、16世紀初頭の1519年にスペイン人エルナン・コルテス (Hernán Cortés) がメキシコに上陸した。コルテスら征服者達は、アステカの内紛や、神話の伝承を有利に利用して戦闘を行った末に、テノチティトランを征服し、1521年に皇帝クアウテモックを処刑してアステカ帝国を滅ぼした。
独立と相次ぐ対外戦争
 スペインによる支配は300年続いたが、18世紀を迎えるとアメリカ独立戦争やフランス革命、ナポレオン戦争に影響され、土着のクリオーリョたちの間に独立の気運が高まった。
 1808年、半島戦争により、ナポレオン・ボナパルトが兄のジョゼフをスペイン王ホセ1世に据えると、インディアス植民地は偽王への忠誠を拒否した。1809年から1810年にかけて、インディアス各地でクリオーリョ達の蜂起が始まる中、メキシコでも 1810年9月15日にミゲル・イダルゴ神父らにより、スペイン打倒を叫ぶメキシコ独立革命が始まり、長い戦いの火蓋が切られた。
 メキシコのクリオーリョはペルーのクリオーリョと同様に先住民大衆の反乱を恐れたため、独立運動には消極的であり、イダルゴも、反乱を継いだメスティーソのミゲル・モレーロス神父もアグスティン・デ・イトゥルビデ率いる王党派軍に敗れたが、モレーロスの乱が鎮圧された後の1820年頃には南部のシモン・ボリーバルとホセ・デ・サン=マルティンらに率いられた解放軍が各地を解放し、インディアスに残る植民地は島嶼部とブラジルを除けばペルー、中米、メキシコのみとなっていた。
 スペイン本国で自由派が政権を握ると(リエゴ革命)、1821年9月15日に保守派クリオーリョを代表した独立の指導者アグスティン・デ・イトゥルビデがメヒコ市に入城し、反自由主義の立場から独立を宣言した。しかし、イトゥルビデがメキシコ王に推戴したかった反動派の元スペイン王フェルナンド7世はメキシコ入国を断ったため、イトゥルビデ自身が皇帝に即位する形で第一次メキシコ帝国が建国され、中央アメリカを併合した。しかし独立後は混乱が続き、1823年には帝政が崩壊して連邦共和国となり、この時に中米連邦が独立した。
 独立後は内戦による農業生産力の低下、鉱山の生産力低下、カウディーリョの群雄割拠、流通の混乱など問題が多発し、政治的には不安定な時代が続いた。
 
 また、コアウイラ・イ・テハス州にアメリカ合衆国人の入植を認めると、1835年にはアングロサクソン系入植者が反乱を起こし、1836年にメキシコ領テハスはテキサス共和国として独立した。その後、アメリカ合衆国が1845年にテキサスを併合すると、1846年にはテキサスを巡りアメリカ合衆国と米墨戦争を争ったものの、メヒコ市を占領されて1848年に敗北すると、テキサスのみならずカリフォルニアなどリオ・ブラーボ川以北の領土(いわゆるメキシコ割譲地)を喪失した。
 
 領土喪失の経緯からアメリカとの対立は深まっていたが、1861年にアメリカの南北戦争勃発とともにフランス第二帝国のナポレオン3世がメキシコ出兵を開始。1863年にはメキシコ市が失陥、フランスの傀儡政権である第二次メキシコ帝国が建国される状況となった。インディオ出身のベニート・フアレス大統領はアメリカの支援を得て、フランス軍に対して対抗し1866年に主権を取り戻すものの、このことは後々までアメリカ合衆国の影響力が高まるきっかけとなった。
 フアレスは自由主義者としてレフォルマ(改革)を推進するも、1872年に心臓発作で死去した。フアレスの後を継いだテハダ大統領は自由主義政策を進めたが、この時代になると指導力が揺らぐことになった。 
 この隙を突いて1876年に、フランス干渉戦争の英雄ポルフィリオ・ディアスがクーデターを起こし、大統領に就任した。ディアスは30年以上に渡る強権的な独裁体制を敷き、外資が導入されて経済は拡大したものの、非民主的な政体は国内各地に不満を引き起こした。
 フランシスコ・マデーロの行動がきっかけになって1910年以降のメキシコ革命が始まった。パンチョ・ビリャ、エミリアーノ・サパタ、ベヌスティアーノ・カランサ、アルバロ・オブレゴンらの率いた革命軍は、路線の違いもありながらも最終的に政府軍を敗北させ、1917年に革命憲法が発布されたことで革命は終息した。
近代
 革命が終わると、1929年に国内の様々な勢力を一つにまとめて国民革命党が結成され、71年間の一党独裁制が続くことになる。1934年に成立したラサロ・カルデナス政権は油田国有化事業や土地改革を行い、国内の経済構造は安定した。その後与党の制度的革命党 (PRI)が第二次世界大戦を挟み、一党独裁の下に国家の開発を進めた。
 PRIは国内では一党独裁を進め、アメリカ合衆国や西側の資本により経済を拡大したが、その一方で外交面ではキューバなどのラテンアメリカ内の左翼政権との結びつきも強く、政策が矛盾した体制ながらも冷戦が終結した20世紀の終わりまで与党として政治を支配した。
 また、20世紀の前半から中盤にかけては石油や銀の産出とその輸出が大きな富をもたらしたものの、それと同時に進んだ近代工業化の過程で莫大な対外負債を抱え、20世紀中盤に工業化には成功したものの、慢性的なインフレと富の一部富裕層への集中が現代に至るまで国民を苦しめる結果となった。
 1994年に発効したNAFTAはアメリカ合衆国、カナダとの貿易を拡大する一方で貧富の格差を一時的に拡大し、伝統的な共同体に住むインディオの共有地を解体し、さらにはアメリカ産のトウモロコシに競争で敗北する農民の権利を侵害するものであったため、同年1月1日にマルコス副司令官らの率いるサパティスタ国民解放軍(EZLN)が最貧州のチアパス州から蜂起した。サパティスタは戦闘を挟んだ後、チアパス州を解放区にして反グローバリゼーションの筆頭的存在として内外の支援を受け、現在も政府軍とのにらみ合いが続いている。
現在
 その後2000年にPRIは蔓延する汚職や停滞する経済失策の責任、サパティスタ民族解放軍の蜂起などの責任を問われて総選挙で敗退し、71年の独裁に終止符が打たれた。しかし現在も強力な政党として大きな影響力を維持し現在にいたる。
 近年は原油価格の高騰やNAFTA締結後の輸出量の増加、さらに内需拡大傾向を受けた国内経済の活発を受けて中流層が増加するなど、国情が良好に変化してきている。

○地理

 北米大陸の南部に位置し、約197万平方kmの面積(日本の約5倍)を持つ。海岸線の総延長距離は1万3868kmに達する。海外領土は持たないが、領土に含まれる島の面積は5073平方kmに及ぶ。
 メキシコの地質構造は北に接するアメリカ合衆国とは異なり、クラトンが存在しない。アラスカから太平洋岸に沿って伸びるコルディレラ造山帯とアメリカ合衆国東岸に沿う古いアパラチア山脈に続くワシタ造山帯(メキシコ湾岸)がメキシコ国内で一つにまとまる。地向斜による膨大な堆積物がプレート運動により褶曲山脈を形成しているほか、第三紀以降の新しい火山が連なる。このため、メキシコは高原の国であり、北部は平均1000m前後、中央部では2000m前後である。標高5000mを超える火山も珍しくなく、メキシコ最高峰のピコ・デ・オリサバ山(シトラルテペトル山)の5689m(もしくは5610m)をはじめ、ポポカテペトル山 (5465m、もしくは5452m)、イヒタキウアトル山 (5286m)、シシュタシワトル山 (5230m) などが連なる。最も頻繁に噴火を起こすのはコリマ山 (4100m) である。
 最長の河川はアメリカ合衆国との国境を流れるリオ・ブラボ・デル・ノルテ川(リオ・グランデ川)であり、3057kmのうち2100kmが両国の国境を流れる。最大の湖はチャパラ湖(1680平方km)である。

○気候

 メキシコの気候は地域により変化に富んでいる。例えば、年平均降水量が100mm以下の地域もあれば、5000mmを超える地点もある。カリフォルニア半島の大部分と、メキシコ高原中央部は、ケッペンの気候区分でいう砂漠気候 (BW) であり、北回帰線より北のほとんどの地域はステップ気候 (BS) に分類される。いずれも乾燥気候である。北回帰線よりも南では、海岸線に沿って熱帯気候に分類されるサバナ気候 (Aw) が伸びる。ユカタン半島南部にのみ弱い乾期の存在する熱帯雨林気候 (Am) が見られる。熱帯雨林気候 (Af) はテワンテペク地峡北部にのみ存在する。メキシコ湾岸沿いの一部の地域には温帯気候である温暖湿潤気候 (Cfa) が、山岳部は温帯気候である温帯夏雨気候 (Cw) と高山気候 (H) が卓越する。首都シウダー・デ・メヒコの平均気温は、13.7℃(1月)、16.5℃(7月)。年平均降水量は1266mmである。メヒコ市の標高は2268mであり、典型的な高山気候である。亜寒帯気候にも似ている。
 平均的には非常に温暖な気候で、沿岸部には世界的に有名なビーチリゾートがたくさんある。東部・カリブ海沿岸ではカンクンなど、太平洋沿岸の西南部ではアカプルコやイスタパなど、西端にあり太平洋に面する細長いバハカリフォルニア半島のカボ・サンルーカスやラパスなどがこれに該当し、世界中から観光客を引きつけるとともに、貴重な外貨の収入源となって多くの雇用をもたらしている。

○文化

 メキシコの文化は先スペイン期のアステカ族やマヤ族の文化に根を持ち、16世紀のスペイン人による征服後はスペイン文化と融合して築き上げられている。独立後暫くはヨーロッパの文化の模倣に終始したが、革命後の1920年代から1930年代にかけてインディヘナに国民文化の根源を求めて先住民文化の再評価が始まり、インディヘニスモという一大文化運動を確立した。古くから音楽や絵画、彫刻など芸術面で世界的に有名な人物を輩出している。

○音楽

 メキシコで生まれた伝統的な音楽様式としては、マリアッチやランチェーロ、ノリード、ノルテーニョ、バンダなどが挙げられ、メキシコのフォルクローレではパラグアイやベネズエラのようにアルパが多用される。南部のグアテマラ国境付近ではマヤ系住人によってアフリカ伝来のマリンバが用いられる音楽が盛んである。
 また、1960年代以降はアメリカ合衆国に渡ったメキシコ人移民(チカーノ)によってアメリカ合衆国のポピュラー音楽が行われ、ロックはラテンロックになり、ヒップ・ホップはチカーノ・ラップとなって在米メキシコ人市場で消費されたものがメキシコにも逆流入している。メキシコ・ロック(ロック・メヒカーノ)はラテンアメリカ市場でも成功しており、特に有名な音楽家としてはカフェ・タクーバなどが挙げられる。
 クラシック音楽の分野ではカルロス・チャベスが特に挙げられ、メキシコ国立交響楽団はチャベスによって設立された。

○料理

 一般的に辛いことで知られているメキシコ料理は世界的に人気があり、特に隣国のアメリカではアメリカ風に独自にアレンジされたタコスやブリトーがファストフードとして広く普及しているが、それらはテックス・メックス(Tex-Mex)と呼ばれメキシコ国内ではそれほど普及していない。主食はトルティーヤと呼ばれる粉を練ってのばして焼いた薄いパンのようなもので、北部では小麦粉、中部、南部ではトウモロコシの粉を使ったものが主流である。基本的には豆やとうもろこし、鳥肉を原材料に使ったメニューが主体になっており、他にも米や魚類、牛肉なども使われることが多く、一見単純に見えて繊細な味がその人気の理由とされている。
 メキシコの伝統料理とは、修道女たちがメキシコで収穫される農作物で王宮料理をつくる目的で研究されたもので、プエブラという古都が有名である。代表的なものに、モレがある。
海に囲まれているため魚介類も豊富で、魚や海老などを使った料理も多い。特に日本にとってはえびの大きな供給元として知られている。
 近年はカップラーメンがメキシコ国内で広く普及しており、中でも東洋水産の「マルちゃん」ブランドが市場シェアの約85%を占めるまでに成長している。一方でこれに伴いメキシコの伝統料理が侵食されつつあるとして一部で問題となっている。

■総括

歴史もあり、世界遺産もたくさんある観光国家としても魅力がありそうです。
独立戦争を経て、71年の独裁に終止符が打たれた現在どのように変わるのか期待できそうです。
地理も5000m級の山もあり、気候も変化に富み、海に囲まれているため魚介類も豊富で、魚や海老などを使った料理も多い。
日本と似ているところも多い、国でこれからどうなるかが期待できそうな国かもしれません。

List    投稿者 kato | 2009-01-16 | Posted in 07.新・世界秩序とは?13 Comments » 

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コメント13件

 おじゃま | 2009.07.05 7:57

>1998年以降の国債発行による大幅な財政出動を行なっても、デフレ状況は解消されず、総需要の延びには繋がらなかった今の状況を見れば、効果は薄いと考えざるを得ません。
 ↑
最近では,小渕内閣の財政出動は一定の効果があったという見解が有力のように思えます。この見解によれば,橋本内閣で,その方針を継続しなかったことがデフレの悪化を招いたということになります。
財政出動は,GDPの重要な構成要素になっており,乗数効果をどのようにみるかのよって,効果の程度は異なりますが,効果自体の存在は間違いのないことだと思います。ただ,財政赤字の増大という大きな問題を残しますので,それが,政府紙幣という手段で解決できるか?ということが論点だと思います。
>生産能力の余裕があるかどうかという問題よりも、物が欲しいという意識があるかどうかという問題の方が大きく、品目によってこの意識に差が生じていれば、部分的なインフレを引き起こす可能性は残るのではないでしょうか。
 ↑
この点は,するどい指摘で,ケインジアンがなかなか論じようとしない点です。富裕高齢者がなかなか金を使いたがらないのも,このことが大きな原因になっていると思います。有効需要を掘り起こすイノベーションが必要なのでしょうね。また,余剰資金が回り回って,投資ファンドの手に渡り,マネーゲームに至り,現在の経済危機を招いたともいえそうです。

 選挙は近いが・・・ | 2009.07.05 12:29

>また、国家債務という足枷によって、国民生活にとって本当に必要なところに必要なだけの資金が供給されないという壁を打ち崩すにはどうすればよいかという視点で、政府紙幣やそれに代わる手法を見ていく必要があると思います。
この問題が、最大のポイントでしょうね。
政府紙幣は技術的・システム的には可能でしょうから(検証は必要ですが)、政府紙幣を発行したらどうなるか?バブリーで身勝手な金融市場とどう折り合いを付けていくか?みたいなところは押さえておきたいですね。
結局は、国民も含めてこれからの日本をどうする?ということを考えていかなければならないのでしょうね。

 おじゃま | 2009.07.06 7:47

×橋本内閣
○森内閣
「橋本→小渕→森→小泉」という基本的な流れを忘れていました。すいません。

 STA | 2009.07.06 10:50

はじめまして
>政府が持つ「貨幣発行特権」を使って、例えば50兆円分とか100兆円分の発行権を日銀に売り、日銀はその権利を担保にして日銀券を発行するという方法です。
このアイデアは他の人の著書等にもあり、面白いなーと考えてみましたが、よくよく考えると政府紙幣案の根本的な問題を浮き彫りにします。
発行権は要するに「無利息で期限永久の国債」でしかありません。
そのような極めて価値のない国債を日銀が直接引き受けている行為に他なりません。
どんな名目をつけ理屈をこねくりまわしても政府の借金には変わりありません。
しかも強制で日銀に引き受けさせることにより、日銀の独立性を崩壊させ、無価値に等しい資産を買わせて、日銀BSを毀損せしめます。
私はこれで政府紙幣案が「御伽噺の打ち出の小槌」だと確信に至りました。

 leonrosa | 2009.07.10 17:46

STAさんへ、横レス失礼します。
>このアイデアは他の人の著書等にもあり、面白いなーと考えてみましたが、よくよく考えると政府紙幣案の根本的な問題を浮き彫りにします。
政府紙幣発行による財政出動は、最近は高橋洋一氏や田村秀男氏が主張しているが、丹羽先生がその嚆矢だったと思います。
>発行権は要するに「無利息で期限永久の国債」でしかありません。
そのような極めて価値のない国債を日銀が直接引き受けている行為に他なりません。
60年償還ルールに基づく「日本国債」も、見方によると「極めて価値のない国債」であり、その国債を民間から買い入れている。間接引受(買い入れ)と直接引受は、余り、本質的な違いではないでしょう。
>どんな名目をつけ理屈をこねくりまわしても政府の借金には変わりありません。
しかも強制で日銀に引き受けさせることにより、日銀の独立性を崩壊させ、無価値に等しい資産を買わせて、日銀BSを毀損せしめます。
昨年の金融危機以降、世界中の中央銀行は、伝統的なBS規律をかなぐり捨てて、膨大な資金を供給した。FRBは、アセット、ライアビリティを1兆ドルから2.2兆ドルに膨張させましたね。
この非伝統的な資金供給(BS規律をかなぐり捨てた資金供給)により、金融崩壊を食い止めた。
それでも、FRBは、「アセット、ライアビリティは大丈夫」「BSは毀損していない」と議会答弁してます。
>私はこれで政府紙幣案が「御伽噺の打ち出の小槌」だと確信に至りました。
FRBによる巨大なドル(紙幣)供給は、米国政府に代わっての「打出の小槌」であり、小槌は振られているのです。
打ち出の小槌を必要としているのが、昨年以来の「金融危機」なのです。
「御伽噺」では、済まないところに、現在の世界経済の局面があるのではないかと思いますが!
なお、紙幣発行は、「日銀券」であるか「日本政府紙幣」であるかに係らず、無から有を生み出すものという原理論を展開している経済学者もいますね。

 STA | 2009.07.11 15:35

leonrosa さん横レス歓迎ですよ。
高橋洋一さんの本は数冊読みました(彼が政府紙幣推進派だということは知っています)。
勉強にはなりましたが、理屈が破綻しているように思えて仕方ありませんでした。
氏の提言:実質利子率をマイナスにしてしまえばいい⇒悪性インフレは決して起きない⇒???など
ま、それはおいておいてw
>60年償還ルールに基づく「日本国債」も、見方によると「極めて価値のない国債」であり、その国債を民間から買い入れている。
極論ですね。気持ちは分かりますが、まず、紙幣自体が発行主の負債だという認識がどれだけの人にあるのか疑問ですね。
紙幣負債の裏づけとして中央銀行が資産を保有する。
確かに日本国債を長期ジャンク債とみれば永久債の政府紙幣も同じようなものと見えます。
しかし、「原資が苦しい返済する約束」と、「全く返す必要のないもの」は根本的に違います。
それはさらに「発行に規律が伴うか」に関わります。
経済システムは意外とよくできていまして、国債の発行には利子負担が伴うため、一定の財政上の制約が発生し、規律が必要となり、均衡を追求します。
でも政府紙幣は利子負担も返済も要らない夢のような国債です。
発行規律もありません。拡散する一方です(それで大戦前に痛い目に遭っているのです)。
「100年に一度の危機だから、対応も異常な方法でいい!」とほざく人だらけですが、そんな都合のいいことはできません。
欧米諸国はさずがにまだ多少まともですから、こんな不毛な提案は起きません。
各国中銀の緊急資金供給は「非伝統的手法」を多用していますが、「非現実的手法」は一切使っていません。
「打出の小槌」でどうにかなるなら、みんなバンバン振りまくりますよ。
また世界大戦をやりたいのなら別ですがw

 leonrosa | 2009.07.11 16:41

STAさんへ、コメント返しありがとう!
なにやら、中央銀行原則論者と政府有効需要積極論者の議論の様相を呈しそうですね(笑)
時のイギリス王国の戦費調達と金貸し(ロンドンの銀行家)の利害一致で、イングランド銀行(BOE)が設立された。この時は、英国政府もEOBも、規律よりは戦費でしたね。
但し、政府とEOBという2主体を介することで、貨幣の信認度を上げることに成功したのはその通りです。
金兌換停止後のドルへの信認も、米国政府とFRBの2者介在で表面上安定させている。但し。
米国政府への信認は、世界第一位の軍事力で。FRB(ドル)への信認は、NYへ全ての資金が流れ込むという実態上の力で確保されている。
そして、ドルへの信認が揺らいでいるのが、現局面です。
決して、政府と中央銀行が分離して規律を守っているから、特定通貨への信認が保たれるのではないのです。
STAさんへ、記事筆者を含めて、続報分析に期待しましょうね。

 minezo | 2009.07.11 23:17

おじゃま さんへ
コメントありがとうございます。
>財政出動は,GDPの重要な構成要素になっており,乗数効果をどのようにみるかのよって,効果の程度は異なりますが,効果自体の存在は間違いのないことだと思います。ただ,財政赤字の増大という大きな問題を残しますので,それが,政府紙幣という手段で解決できるか?ということが論点だと思います。
確かにGDPにおいて財政出動(=借金)の割合は大きいと思います。つまり国が借金して市場にばら撒き続けないとGDPを維持することができないことになります。そのこと自体極めて不健全な経済状況と言えます。
政府紙幣でこの経済状況を立て直すことはできるわけではありません。ただこの財政出動が必要不可欠なもの、あるいは将来健全化への投資として必要不可欠なものだとして(それも怪しいが)、将来それを税金で返済するのであれば、せめて利息のかからない政府紙幣の方が負担が少なくマシかな?というレベルです。
本筋は借金体質事態を立て直すことが不可欠だと思います。

 minezo | 2009.07.11 23:20

選挙は近いが・・さんへ
コメントありがとうございます。
>政府紙幣を発行したらどうなるか?バブリーで身勝手な金融市場とどう折り合いを付けていくか?みたいなところは押さえておきたいですね。
そうですね。実は発行するに当たりその基準をどうするか?とかを追求しているときに丹羽氏の主張に注目したのです。
デフレギャップを測るものさしがあればそれが政府紙幣発行の指標として使えるかなと。
しかし大きなところで指標化しても需要の偏在をコントロールできるはずもなく、ちょっと使えないです。
また金融市場とはバトルこそ想像できますが、折り合いまではまだ検討できていません。これからも追求していきます。

 minezo | 2009.07.11 23:24

STA さんへ
コメントありがとうございます。
>発行権は要するに「無利息で期限永久の国債」でしかありません。
そのような極めて価値のない国債を日銀が直接引き受けている行為に他なりません。
どんな名目をつけ理屈をこねくりまわしても政府の借金には変わりありません。
しかも強制で日銀に引き受けさせることにより、日銀の独立性を崩壊させ、無価値に等しい資産を買わせて、日銀BSを毀損せしめます。
「紙幣発行権」なるものはまさに観念の産物であり、その権利を持ったところで日銀は誰かにそれを売ることもできないし、結局は政府に買い取ってもらうしかないものです。
そういう政府にとって都合のよい権利設定をすることが面白いと思うのです。まさに御伽噺ですね。
>私はこれで政府紙幣案が「御伽噺の打ち出の小槌」だと確信に至りました。
ただ丹羽氏の主張は、あくまで政府紙幣を発行せずに現行システムのままで利息を払わない方法をひねり出したということです。
これをもって政府紙幣=ダメと結論付けるつもりはありません。
紙幣の発行が国家になるか?中央銀行なのか?は実は本質的な問題意識ではありません。現行の金融システムのしばりがなくなったらどうなるか?どうしていけばいいのか?というのが問題意識です。
金融システムは市場経済の根幹であり、ここは金貸しの独壇場で誰もコントロールできない状況です。それで実体経済も翻弄されている状況から突破するために、新しい金融システムを考える上で、サンプルとして政府紙幣の可能性を取り上げているのです。
もちろんその過程で誰が発行するのか?「バンバン刷りまくる」ことにならないか?どう歯止めをする?というのも課題として浮上するでしょう。その可能性として実は丹羽氏のデフレギャップが指標となるかな?の期待もありましたが、偏在する需要をコントロールできないのでこれではダメでした。利息的負担が歯止めになるというのも日本の借金が800兆ということを考えれば不十分と考えます。
まだまだこれから事例を検証しながら皆の一緒に考えて行きます。

 minezo | 2009.07.11 23:28

Leonrosaさんへ
コメントありがとうございます。
そして期待をありがとうございます。
紙幣の発行が国家になるか?中央銀行なのか?は実は本質的な問題意識ではありません。
現行の金融システムのしばりがなくなったらどうなるか?どうしていけばいいのか?というのが問題意識です。
金融システムは市場経済の根幹であり、ここは金貸しの独壇場で誰もコントロールできない状況です。それで実体経済も翻弄されている状況から突破するために、新しい金融システムを考える上で、サンプルとして政府紙幣の可能性を取り上げているのです。
お金でお金を生み出すシステムがマネー経済の原因なら、そうならないシステムはどうか?儲からなくてもいいという条件(=だから政府発行なのかな?ということ)で考えてみようということです。
これからもよろしくお願いします。

 楽天 シュプリーム | 2013.11.16 15:25

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 wholesale bags | 2014.02.10 16:34

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 政府紙幣の可能性を探る 〜丹羽春喜氏の主張を検証する〜

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