2010-12-13

連載!『中国は誰が動かしているのか?』 7 中国に設立された銀行の歴史から英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府との関係を見る

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                   <ここからお借りしました>
前回の投稿「19C中国に進出する英金融資本、中国の闇勢力が結託して倒清」で、巨大帝国中国には、その帝国支配を良しとしないor金儲けを狙う古来からの勢力が存在し、彼らが英米国際金融資本と同調して、内部から扉をこじ開け、そして中国は市場化され侵食されて来た構造を見て来ました。
■次回は中国に設立されてきた金融資本の銀行から、彼らの動きを見ていきます。
と提起されています。
 今回は「中国の歴史」と「英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府の動き」及び「中国の銀行の動き」を【年表】(←今回の売り!?)を追いながら見て行きます。
以下の銀行株の時価総額ランキング上位10社を見てください。2009年のトップ3は中国国有商業銀行が独占し、その次が英国国政金融資本のHSBCです。2008年のトップ5も順位は入れ替わるものの、ほぼ同じ銀行が入っています。これは何を意味するのでしょうか?

<ここからお借りしました、画像をクリックすると大きくなります>
今までの記事はこちらです
連載開始!『中国は誰が動かしているのか?』 1 — プロローグ—
連載!『中国は誰が動かしているのか?』2.中国ってどんな国1
連載!『中国は誰が動かしているのか?』3.中国ってどんな国2
連載!『中国は誰が動かしているのか?』4 欧米の闇勢力による対中国シナリオは?
連載!『中国は誰が動かしているのか?』5 欧米の闇勢力と中国内部派閥の関係は?
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 6 19C中国に進出する英金融資本、中国の闇勢力が結託して倒清へ
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年表【中国の英米金融資本家、華僑、客家、中国政府及び中国の銀行の動き】(画像をクリックすると大きくなります)

以下の流れで見て行きます。
①中国の銀行の動き
②中国の銀行組織について
③英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府の動き
【年表の作成方法と見方】
●作成方法
 中国の歴史の部分は、中国の歴史年表 からお借りして作成しました。 「英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府の動き」と「中国の銀行の動き」は、るいネットとその他のネット情報や鬼塚英明氏、副島隆彦氏の書籍を参考にまとめています。
●見方(=色の見方他)
「共通事項」
・各々の銀行の色は固定し、アンダーラインを引いています。(例:中国銀行は赤色)
「英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府の動き」欄について
HSBC(=英金融資本家)と関連する動きは青色で表現しています。
・華僑関連は、華僑:○○と太字で記載しています。
色」と「華僑:○○」を追いかければ、HSBCや、その他の銀行他の動きが分ります。年表の両サイドは事実より、中央の「英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府の動き」の事実を記載する事で英米金貸しと華僑・客家及び中国政府の動きが検証出来ると思います。
注意:中国銀行は、名前は同じでも設立者でその目的が変わります。年表左の「中国の歴史」を見ながら確認してください。
①中国の銀行の動きについて
●アヘン戦争〜中華人民共和国成立まで 
 この時代は、連載!『中国は誰が動かしているのか?』 6 19C中国に進出する英金融資本、中国の闇勢力が結託して倒清への「●イギリスを手引きした華僑・客家」の時代です。表面上は時の政府の中央銀行は存在しましたが、実態はHSBCが中国の中央銀行の役割を担っていました。その水面下では虚々実々の動きがあったようです。次回で扱います。
●中華人民共和国の毛沢東時代
 1949年:中華人民共和国設立後の計画経済下では「中華人民銀行」が中国唯一の銀行として中央銀行と市中銀行双方の機能を持っていた。中国の政治体制は連載!『中国は誰が動かしているのか?』3.中国ってどんな国2の「1.国家体制」にあるように、今と同じ中国共産党の1党独裁制だった。これは意思決定が早く、実行が早い体制とも言え、人民元への統一を2年で実現し、インフレを抑えるためにデノミを早期に実施している。
<人民元の歴史>参照
 しかし、英米金融資本家から見ると、共産党のトップを取り込むために、資金と武器及び食料等をもって裏取引が活発にされていたようだ。この動きも次回で詳しく扱います。
一方で、香港では華僑:李嘉誠、包玉剛はその財を拡大して行きます。
●中華人民共和国の鄧小平時代以降
 改革解放路線以降で、鄧小平が、華僑・客家を中国に呼んで中国に産業を起こしてくれ、と資金の流入を依頼した。(「中国赤い資本主義は平和な帝国を目指す」 副島隆彦P157による)
そして1985年以降に華僑:栄毅人らが本格的に入ってきて成長していった。連載!『中国は誰が動かしているのか?』2.中国ってどんな国1の『外貨により成長した中国経済』参照。
 拡大する市場経済に相応しい金融システムに転換するために、以下の「②中国の銀行組織について」にあるように銀行は専門特化し、市場に上場されていった。この間の動きは、<加速する中国の金融改革のP2 2.銀行改革>が詳しいので参照願います。上場以降の最近の動きを記載します。
 上場する時の戦略的投資家の出資は、一定の条件を満たす金融機関に対して外資1社当り20%、外資合計で25%を上限に認可されるもので2003年12月の正式解禁後、国有銀行、株式制商業銀行、都市商業銀行への投資の動きが広がった。尚、この比率は、海外から都度重なる要求にもかかわらず、緩和されていません。2008年以降は地場銀行への投資はありましたが新規の進出は無いようです。以下の表を参照

ここからお借りしました、画像をクリックすると大きくなります
 しかし、08年末以降の金融危機で大打撃を受けた欧米銀行を中心に売却凍結期間を終了した中国株を売却して資本増強が図られた。中国の銀行は、外資の出資制限で金融危機の被害が押えられ、打撃を受けた外資が引く事でその健全性が高まった。それでも、不安心理の広がりに配慮してか、公的資金を注入して更に健全性をアピールした。その結果、周りが凹で押し出されたように時価総額で中国の銀行がトップ3になった訳です。(凹だ欧米銀行の中で好調を維持したHSBCは、他と何が違うのか?)
 以降、中国は豊富な資金力を使って海外銀行の買収に乗り出すが、07年に設立された政府系ファンドの失敗から、08年12月:金融当局は海外投資に反対(認可が下りず)し、見送られるケースが増えた。しかし、眠ったかに見えた資金は、海外の資源(石油等)調達や、運送の大半を占める海運に関連する港湾の押さえに向かっているようです。中国はしたたかです!!
次に不良債権処理についてコメントします。 
 国有銀行はその非生産性から不良債権率(例:2003年末の5大国有銀行は20.5%)が高かったが、金融当局は08年末に5大銀行の不良債権率を2.45%と発表した。この不良債権処理方法から見ると人民元は国家紙幣では?と思われます 中国の人民元は国家紙幣では? 参照)
英金融資本家の動きは常に中央銀行を抑えるなどしたたかですが、中国共産党も負けていないようです。
②中国の銀行組織について
●国家体制の中の銀行の位置を下図で確認します。
連載!『中国は誰が動かしているのか?』3.中国ってどんな国2の『中国政治機構の組織図』の、国務院(日本の内閣相当)の構成部門の1つに中国人民銀行(中央銀行)は位置します。
 日本銀行が政府から独立した認可法人であるのとは体制的に異なり中国共産党の下にあります。
又、国有商業銀行他は、国務院直属事業単位:「中国銀行業監督管理委員会」の監督・管理の下にあります。
下図参照(画像をクリックすると大きくなります)
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 最新図解 中国情報地図 監修:孔 健氏からお借りしました
●銀行組織について
最新図解 中国情報地図 監修:孔 健氏から引用します。
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 中国の銀行組織は、中国の通貨である人民元を発行し、金融業界に対するマクロ政策調整と監督をする「中国人民銀行」(中央銀行)を頂点に、農業金融を主要業務とする「中国農業銀行」、外国為替業務を主体とする「中国銀行」、建設事業の中長期融資を主な業務とする「中国建設銀行」、中国最大の商業銀行で大多数の国有企業のメインバンクの役割を果たす「中国商工銀行」、それに「中国交通銀行」を加えた5大国有商業銀行が、中国銀行業務の中核をつとめる。又、「中信実業銀行」を筆頭とする民間銀行もあり、国外投資家の株式取得に関しては、民間の一般商業銀行と都市商業銀行が受け入れる仕組みになっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
引用終わり
③英米金融資本家、華僑、客家、中国政府の動き
 アヘン貿易からアヘン戦争を通じて清朝は英国をはじめ多くの国に割譲して滅びました。その時代はアヘン王:サッスーン財閥がのし上がって行き、その財閥はロスチャイルド家と婚姻関係となり、英ユダヤ財閥:ジャーディン・マセソン商会他と設立した香港上海銀行(HSCB)を通じて中国を支配して行きます。アヘンとサッスーン財閥と英金融資本:HSBCはどんな関係(=構造)なのでしょうか?
 仮設として「金は暴落する!2011年の衝撃」ロスチャイルド黄金支配のシナリオを読み解く 鬼塚英明著 を引用しつつ、最後のまとめで、前半①②と合わせて分析をして見ます。以下、引用  【 】内は私のコメント
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 HSCBの創始者はユダヤの商人デビット・サッスーンである。厳密な意味では異なるが、その源をたどればこの男に行き着くからである。サッスーン財閥は18世紀に中東のメソポタミアに台頭したユダヤの富豪一族であった。デビット・サッスーンは1832年にインドのボンベイに移住した。サッスーンはボンベイで中国にアヘンを輸出する仕事に従事する。1840年7月、アヘン戦争が勃発し、1842年、清朝は海賊帝国イギリスに敗北し、香港をイギリスの植民地とする敗戦条約に著名する。と同時に、上海などのいくつかの港を開いた。イギリス領事間を置くことにも同意させられた。こうしてサッスーン一族はインドから香港、上海へと本格的に進出した。
 1864年、デビット・サッスーンがこの世を去り、その息子のアーサー・サッスーンがリーダーとなって「香港上海銀行(HSBC)」が設立された。サッスーン家はこの銀行の最大株主となり、東洋貿易を支配していった。この銀行が実質的な中央銀行となり、紙幣【香港ドル】も発行した。中国の公債発行を引き受けたのである。やがてロスチャイルド家とサッスーン家は複雑な婚姻を通じて血族となっていく。
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 ここからお借りしました
 共産中国が中国本土を支配したが、香港では李嘉誠と包玉剛の香港財閥がHSCBと深く結びついていた。李嘉誠の財閥は「長江実業」を創立し海運業に進出した。包玉剛は「恒生銀行」を中心に金融財閥を拡大していった。香港が中国に返還された現在でも、李と包の2大財閥はいずれも、HSBCの最高幹部である。中略
東インド会社のもう一つの後継者に貿易商社ジャーディン・マセソンがある。この商社はロスチャイルド、ベアリング、ギネスの各財閥とともにジャーディン・グループを形成する。この一族は(ケスウィック一族)は南アフリカでデビアスとアングロ・アメリカンの鉱山経営にも参加している。HSBCの大株主として登場する。ケスウィック財閥は香港株式市場を操作している。香港株式市場の操作後に世界株式市場が大きな影響を受けるのである。
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引用終わり
共産中国とHSBCの関係を人民元と香港ドルとの関係で見て行きます。引用開始
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 香港ドルの発行銀行はHSBCと【1994年設立の】中国銀行、そしてスタンダード・チャータード銀行(SCB)である。SCBは1969年、イギリスの海外銀行であるスタンダード・バンク・おぶ・インディア・オーストラリアと、チャータード・バンク・オブ・インディア・オーストラリア・アンド・チャイナとの合併により設立された。スタンダード銀行は、中略 南アフリカの金とダイヤモンドを取り扱う銀行であった。
チャータード銀行は、中略 植民地インドの支配のための銀行である。中略 1862年以降、香港での紙幣発行銀行となる。HSBCとともに世界中の主要都市に支店網を広げてきた。中略 1969年の合併により世界的な規模の銀行となった。中略
 香港とは何かを考えるとき、共産中国の一部と考えては真相が何とも見えてこない。第2次世界大戦が終った後、蒋介石の国民政府と中国共産党が内戦になった。1949年の中国共産党政権誕生の後、イギリス政府はこの国をすぐに承認する。翌年の1950年に、朝鮮戦争が始まると、アメリカ軍の情報を共産党に流し続けたのである。それだけではない、HSBCもSCBも人民元を香港ドルに替えてやり、共産中国は闇ルートで香港ドルを国際通貨のドルに替えて、そのマネーで武器や食糧を、香港ルートでアメリカから購入していたのである。220px-Hongkong_victoria_peak%5B1%5D.jpg
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引用終わり
 更に香港ドルと人民元の関係を通じて共産中国がどんな国かを見て行きます。引用開始
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 香港ドルの発行銀行はHSBC、SCB、そして中国銀行である。この3行が香港の中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)を実施的に支配している。HSBCとSCBが政策協議を行い、香港ドルを印刷しているということである。中略
 もう少し簡単に表現するならば、HSBCとSCBというロンドンに本拠地を置く世界銀行グループの2行は、国家という立場に立って香港ドルを印刷し、自由に米ドルを得ているということになる。中略
中華人民共和国への香港返還、中略 ロンドンにHSBCホールディングスを設立し、登記上の本拠地をロンドンに移動し、イギリス法人となってゆく。しかし、ロスチャイルドと金融エリート集団はHSBCの実質的本拠地を香港に置き、SCBとともに中国銀行(香港)をつくり、香港金融管理局(HKMA)を創設し、これを中国に認めさせた。中略
 香港ドルと人民元は表裏一体である。香港ドルを通じて人民元が国際決済システムを持つようになった。香港ドルは米ドルにほぼ固定レートで置き換えられる。共産中国は人民元を香港ドルに交換できる。これは何を意味するのか。人民元は米ドルに交換できるということである。HSBCは2012年までに人民元の国際通貨化を完成させると発表している。中略 香港ドルを発行し、支配し、コントロールしているのはHSBCである。中国政府は外貨が不足すると、人民元を発行して香港ドルに替え、その香港ドルを売って米ドルを獲得して経済を拡大してきた。外国企業は人民元を獲得して中国本土で事業を拡大する。それらの仲介をHSBCが一手に引き受けてきたのである。中国が今日のような経済大国になったのは、HSBCとこの巨大銀行を操るロスチャイルドと金融エリート集団の行動ゆえである。
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引用終わり 
●まとめ 
 鬼塚氏は、ロスチャイルド系財閥と華僑の出資でHSBCを巨大化し、そのネットワークと香港ドルと人民元の表裏一体の関係を使ってロスチャイルドと金融エリート集団が中国を握るように記載しています。 しかし、現状は前述した①②のように、改革開放路線の成果で外貨を拡大し、(共産党1党独裁制が故に可能な、国家紙幣発行等を通じて?)その資金を国家の拡大に繋げています。中国は「自力で動いている」ように見えます。
 一方、HSBCの香港派が次々失脚し、対中戦略を見直す話も出ています。中国と英金融資本家とのマッチレースでしょうか?その利益を巡って牽制しあっていると見た方がよさそうです。さて、残る、華僑・客家の動きは(どちらに付くのか)?
更に追求して行きます。
次回は、年表の中の空白部分である、国民政府時代〜中国共産党(毛沢東)時代と英米金融資本家との繋がりを調べてみます。
期待してくださいね!! 😀

List    投稿者 sakashun | 2010-12-13 | Posted in 07.新・世界秩序とは?4 Comments » 

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コメント4件

 にほん民族解放戦線^o^ | 2011.10.22 1:54

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