2009-01-30

G20な国④、メキシコ(その2) 

○今回のG20な国はメキシコ、その第2弾です
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%E3%83%A1%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B3%E3%81%AE%E8%A1%97%E8%A7%92.jpg「メキシコの街角」
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掲載写真は「世界市場紀行ワールドバザール21、メキシコ」から

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【メキシコ】 以下「JETRO メキシコ」 より

●【金融危機の影響】
◎メキシコでも深刻化する国際金融不安による波紋が広がりつつあります。
以下そのトピックスをあげてみる(2008年10月14日メキシコシティ発)  
<10 日間で株価は20.0%、為替は19.8%下落>
<8 月の製造業輸出は前年同月比で5 年振りの減少>
<5 項目の景気刺激策>
カルデロン大統領は10 月8 日、「成長雇用促進プログラム」と名づけた景気刺激策を
発表した。
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(1)景気を刺激するため、インフラ投資を中心に財政支出を拡大する。
(2)インフラ投資に向けた公的支出を行う際の規則を変更し、支出を円滑化する。
(3)新たな製油所建設に着手する。
(4)中小企業支援のための臨時プログラムを実施する。
(5)貿易手続きを円滑化し、関税を削減する。企業設立手続きを円滑化する。
○09 年のGDP 成長率を1.8%に下方修正
○開発銀行を通じた融資を拡大
長年守ってきた均衡財政を09年度は放棄し、国営石油公社(PEMEX)の投資予算を財政収支均衡の例外とする。
○インフラ投資促進に向け規制緩和も
PEMEX インフラ投資安定化基金を活用して、09 年中にも新製油所の建設(20億ペソ)に着手する。
○産業界は計画の早急な実施を要請

【カルデロン大統領の政策】

●内政(以下は「外務省・メキシコ」より)
2006年7月の大統領選挙では、カルデロン与党候補(PAN、元エネルギー大臣)とロペス・オブラドール候補(中道左派連合、前メキシコ市長)の史上稀に見る接戦となり裁判にまで発展したが、同年12月、カルデロン大統領が就任。
(1)カルデロン大統領は、政権の最優先課題として、1)治安改善、2)近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出、3)貧困撲滅の3点を挙げている。
(2)国内の南北地域間・階層間の格差の問題は深刻であり、スローガンである「雇用創出」とともに、格差是正のための社会政策、また、国境地域や港湾を擁する地域を中心に麻薬組織同士の抗争や銃器を使用した一般犯罪が増加しており、治安対策は大きな課題。
(3)カルデロン政権は、野党との交渉を経て、政権1年目に、国家改革法(行政、立法司法の各分野にかかる構造改革につながる法案審議について定めた法案)の成立を皮切りに、種々の改革(国家公務員共済庁年金改革、税制改革、選挙改革及び司法改革等)を推進してきた他、就任直後より治安対策に積極的に取り組んでおり、60%を越える支持率(2008年9月世論調査結果)を維持している。 今後、治安対策に加え、最重要改革として残されたメキシコ石油公社(PEMEX)の改革を始めとするエネルギー改革の行方が注目される。

●外交

(1)歴史的教訓から主権尊重、内政不干渉、民族自決、紛争の平和的解決、等が外交の基本原則。
(2)外交関係多角化、先進国の仲間入りを目指し、1992年に米国、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)を締結。1993年にはAPEC参加、1994年にはOECD加盟。
カルデロン大統領は、米国との関係を最重視しつつ、中南米諸国との関係再構築・強化を重視する姿勢を示している。フォックス前政権と同様に、伝統的な「中立・不干渉主義」から一歩踏みだし、「責任ある外交」をスローガンに、国際場裡におけるメキシコのプレゼンスを拡大し積極外交を展開する姿勢を示している。
(3)国際社会の主要課題である気候変動の分野でも、「気候変動国家戦略」を策定し、国際社会に対して「緑の基金」の設立を呼びかけるなど積極的に取り組む姿勢を示している。またメキシコは、2002-2003年期に安保理非常任理事国を務めた他(2009-2010年期に再度当選)、国際司法裁判所判事やOECD事務総長等国際機関の主要ポストを占めている。
(4)メキシコ国民にも直結する最大の外交課題は米国との不法移民、麻薬及び麻薬と関連した治安問題の解決。

●国防

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「独立記念日で警護する軍隊」
メキシコの軍隊は他の中南米諸国の軍隊に比し小規模で、内政上に占める影響力も小さい。軍隊の任務は外的侵略からの防衛というよりは、国内治安維持と災害緊急援助のため。近年では、特に麻薬取締活動を重視。(1)国防予算 約33.5億ドル(2006年ミリタリーバランス)
(2)兵役 志願制と短期徴兵制
(3)兵力 30万人(2006年ミリタリーバランス)

●【NAFTA発効15年目/2008・1・6】http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-01-06/2008010606_01_0.html

<食料守れと農民が行動><トウモロコシなければ国滅ぶ>%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3.jpg「メキシコの主食・トルティージャ」
NAFTA(北米自由貿易協定)によってメキシコの対米輸出は急増し、米国は輸出の約八割を占める最大の貿易相手国になりました。
・農産物については、トウモロコシなどを例外品目とし、それらを関税ゼロで輸入できる割り当て数量を年々増やす一方、割り当てを超える輸入への関税を漸減してきました。一日からは量に関係なく関税ゼロです。
・米政府は農業生産者に一ヘクタールあたりメキシコの三倍の農業補助金を支給しています。もともと生産性が高い上に補助金に支えられ、メキシコの農家は太刀打ちできません。
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米国産トウモロコシの二〇〇六年の輸入は千七十万トン、一九九八年の倍以上になりました。・全国運動によれば、NAFTA発効の九四年以来、農業分野で二百万人の雇用を失い、農村から年平均三十万人が不法移民として米国に渡りました。米国からの農産物輸入は年百億ドル以上の規模になり、食料自給率は九割から六割に低下しました。
・農民らの要求の中心は、NAFTA農業条項の再交渉、食用トウモロコシなどの輸出入管理です。カルデロン政権は耳を貸そうとしません。しかし、カルデナス農相は、農業生産性の停滞や、一部の農業関連企業などだけがNAFTAの恩恵を受けている農業分野の格差の広がりを認めています。

●日本との関係

・日本の全貿易額に占めるメキシコのシェア(2006年/IMF) 輸出 1.43% 輸入 0.49%
・メキシコの全貿易額に占める日本のシェア(2006年/IMF) 輸出 0.64% 輸入 5.97%
・日本の主要輸出品目 自動車及び部品、電気・電子機器
・日本の主要輸入品目 コンピューター部品、モリブデン、塩、農水産品(豚肉等)等
・日本の対メキシコ直接投資 2004年は約201億円、2005年は約688億円、2006年は515億円。2007年は589億円(財務省統計
・有償資金協力(2006年度までの累計供与額 2,295.68億円)
・無償資金協力(2006年度までの累計供与額 56.25億円)
・技術協力(2006年度までの累計 658.21億円)
・在留邦人数5,849名(2007年10月現在)
・日系人数17,412名(2006年10月現在)
・在日メキシコ人数約1,908名(2006年末現在)
日本とメキシコの友好の歴史には「千葉県御宿の海女さんの柔肌の温もり」が隠されていた。・1609年(慶長14年)9月、太平洋を東航中のスペイン船サンフランシスコ号、サンアントニオ号、サンタアナ号が大暴風雨に遭遇し全三艘が難破し、その中でも乗員・乗客376人を乗せたサン・フランシスコ号が9月30日未明、上総沖の岩和田(大多喜領、現御宿)で座礁した。
・この時、「海女たちが駆けつけて海に潜って遭難者を救出 した」
・「海女たちの体温で瀕死の者を温めた(海女さんの柔肌の温もりで命を救った)」
という有名なエピソードも伝えられている。%E3%83%A1%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B3%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%B3%E5%8F%B7%E9%81%AD%E9%9B%A3.jpg
・城主本田出雲守忠朝(家康の功臣本田忠勝の次男)自身も現場を訪れて遭難者が必要とした衣類等を提供と、一行の保護を命じ、37日間の滞在中、厚遇した。
岩和田村民の物心両面にわたる援助は遭難者から大いに感謝された。
・海女さんの温もりのお陰もあって、乗組員総数376人のうち、317人が救助 された(溺死者16人、行方不明者43人)。
○下の写真ー日本語を学ぶ学生や成人は、メキシコで約6,000人いるそうだ。そして、メキシコ全国で、日本語を学ぶ多くの人、学生、生徒が、一年に一度、12月、自分の日本語学習成果を認定してもらうために、メキシコシティーで行われる日本語能力検定試験を受けにやってくる
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※メキシコはNAFTAへの加盟により、アメリカ、カナダからの影響が嫌も応もなく拡大している。
農業分野では特に主食であるとうもろこしの自由化により、農家は大きな打撃を受けており、農村が疲弊しつつある。
治安も悪化している。
しかし金融危機には内需拡大策をすばやく打つなど、現政権の支持率はかなり高い。
・日本とは江戸時代に難破船を救助したこともあり、古くからの友好的関係がある。
・軍隊も最小限しか保持せず、堅実な国家運営をしている。
・アメリカと地続きであることから、軍事的にも経済的にも敵対的政策はとりにくいと思われるが、米国・カナダと関係を保ちつつ、今後は多極化が進行する中で生きる道を模索していくことと思われます

List    投稿者 ryujin | 2009-01-30 | Posted in 07.新・世界秩序とは?6 Comments » 

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コメント6件

  | 2009.07.01 22:53

なるほど!面白い!

 ぴんから体操 | 2009.07.03 1:15

ありがとうございます!
参加するともっと面白いです!

 ななし | 2009.07.04 1:49

失礼を承知で間違いを指摘します。
上のルーズベルト債と書いてある写真
は第22代および24代アメリカ合衆国大統領グロバー・クリーブランドではないですか?
ちなみに1928年に発行された$1000紙幣は
クリーブランドの肖像画です。
ここ→http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080214_biggest_dollar/

 ぴんから体操 | 2009.07.04 16:16

■ななしさん
確かに、グロバー・クリーブランドのようですね!(記事を一部修正しました。)有力情報ありがとうございます!

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