2010-10-26

「活力再生需要を事業化する」20〜新認識が可能性を開く!〜

「活力再生需要を事業化する」シリーズも20回目になりました。
これまで、様々な企業や農業参入の事例を紹介してきましたが、これから様々なアイデアを生み出すためには、今までの市場(=近代経済学)の枠組みを越えた発想が必要です。

以前、本ブログの「需要発から供給発へ」というシリーズでも以下のように扱いました。
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現代社会は構造的に行き詰った構造にあり、既存の経済理論では答えは出せません。困窮世帯や社会的弱者を本当に支援するなら、仕事をつくる=供給発で物事を考えていく必要があるのです。潜在的な類的需要は至るところに存在するのだから、供給者を作り出すための場を増殖させ、答えを作りだしていくことこそ、新しい仕事の創出となっていくはず。
需要発から供給発へ 今こそ認識の転換が必要!
http://www.kanekashi.com/blog/2009/12/001107.html
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今回は改めて、
「活力再生事業」を生み出すべく認識転換(=新認識)とは、どのような切り口で生み出されるのでしょうか?
「事業=仕事」とは何かを生み出す、つまり「生産」するということです。
今回は、「生産様式」という点で認識転換の幹を捉え直したいと思います。

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★★★「生産様式」から時代認識の捉えなおし

★資本力(=お金)が制覇力となる工業生産時代
市場が登場する以前も含めて、人類の生産様式は採取生産→農業生産→工業生産と変貌を遂げてきました。そして、数十年前までの生産様式は工業生産でした。
効率良く生産するために、工業生産様式での生産の基盤となるのは機械だったわけです。
従って、より多くのそして性能の良い機械を手に入れるための「資本力=お金」が、工業生産においての制覇力でした。

ところが、1970年頃の豊かさの実現により、その生産様式は大きく転換しました。

どのように変わったかを理解する上で重要なのが「外圧=内圧」という概念です。
70年以前の外圧は何かと言うと、当時の日本は貧困だったので、人々には飢えという生存圧力がかかっていました。だから当時の外圧は「生存圧力」でした。その外圧を受けて、みんな「豊かになりたい」「たくさんモノが欲しい」という物的欠乏が内圧として生起していたんです。したがって、人々が豊かになりたいということが活力源だったんです。

現在(まで)の市場はこの「豊かになりたい」という人々の欠乏を背景に、お金第一の経済理論が組まれているのです。

★1970年代以降の生産様式=意識生産時代
しかし、70年頃を境に、外圧が大きく変化していきました。それは、「物的豊かさが実現」されたということです。この現象は実はものすごいことで、これまで生存圧力が克服されるというようなことは、人類史を遡ってもかつて無いほどの大きな転換でした。
豊かさが実現されることにより、人々の物的欠乏が衰弱するとどうなるか?
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自然を対象とする価値を「物的価値」と呼び、人間・社会を対象とする価値を「類的価値」と呼ぶならば、これまで人類は、物的価値の生産に大半のエネルギーを費やしてきたことになる。ところが、工業生産の目覚しい発展によって、「物」の生産と消費が飽和限界に達した。「物」が過飽和状態になれば、残るは類的価値の生産と消費しかない。実際、どんな物的生産であっても、類的価値を付け加えないと売れない時代となった。つまり、人間または社会を対象として類的価値を生産する意識生産の時代となった。
生産様式の転換と観念の変遷
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上記の「類的価値」とは何か?

豊かさが実現されると、人々の「豊かになりたい」という内圧(=活力)は衰弱してきますが、私達の活力源が無くなったかというとそうではなく、新たな活力源が生起し始めます。
それが、「類的価値」を求めようとする「類的欠乏」というものです。
この中身は、「社会や人つまり、みんなの期待に応えたい」という「仕事」の根本部分です。実際、誰かの期待に応えたら嬉しい=活力が出るのはみなさんも実感するところだと思います。
では、みんなの期待の中身は何か?と言うと、1970年当時「モノの豊かさからココロの豊かさに人々の期待が変わった」という内閣府の世論調査が現しているように、モノではなくてココロを満たされたい、すっきりするような可能性のある答えを得て充足したい、という期待なのです。それに応える形で、例えばサービス業、コンサル業、介護、教育業といった、意識生産と呼ばれるに生産様式が伸びてきたのです。実際70年以降、これらの意識生産は拡大の一途をたどり、今では意識生産の労働者数は全労働者数の過半数を超えています。

★意識生産の様式では「人」が生産力 →人の「活力」こそが求められる
工業生産においての生産の担い手は「機械」であって、人の労働力は機械の付随物であるに過ぎませんでした。それに対して、意識生産における生産力の担い手はまさに生身の「人」の認識と実践だけです。
貧困の消滅(=豊かさの実現)以降、今や私権(お金や身分)を手にすることが第一の目標では無くなり、「私権を手に入れれば活力が上がる」という構造では無くなった(一部の特権階級を除いて)ことで、その生産の担い手である、人の活力が衰弱している時代です。

だからこそ、人の「活力」再生こそが求められるのです。

そして、意識生産での生産能力が最も高度化されるのは、前回記事
(「活力再生需要を事業化する」19〜次代は共同体の時代!〜)にした「共同体」です。
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意識生産において最も重要な生産能力=労働能力である認識能力や組織能力を高度化してゆく最高の教師は、自らの手で生産を管理しさらに会社を管理してゆく事だからである。逆にそこでは、いつも誰かに管理され、与えられた仕事しかやろうとしない古いお抱えの労働者は、もはや生産力たり得なくなる
自主管理への招待(6) 実現思考とは何か
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このように「生産様式」の変遷から紐解いていくと、「活力再生需要」の事業化というのが、今もっとも求められていることなのです!

★★★新認識が可能性を開いてくれる!
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◎これまでの無駄な資金投入先にかえて、庶民の「社会参加」にこそ支援金を出すべきではないのか!!
→確かに、社会の当事者としてヤル気を見せてている、NPO、ボランティア、農業等、本当に必要と求められている活動に充てるべき。
◎当に必要とされている証として、その活動が有償で行われている事がひとつの指標になるのではないか。
→なるほど、その実際の取引が少額であっても、ほんとに必要なら金は払うものだ。そして実際の金額に応じて支援金が得られるのなら、当人にとっては大きな励みになるだろう。社会からの評価がそのまま収入に反映される!!
◎そして、このように従来の物的活動から「類的活動」にみんなの意識と体が動いていく。
これならば、可能性にむけて、明るく主体的にみんなが変わっていけそうである。まさに、頭さえ切り替えさえすれば今すぐにでも実現できそう。
また、新認識が可能性を開いてくれた
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今までの「GDP信仰」や「借金をどうする!?」という発想から脱却し、前述のとおり『活力をどう生み出せばよいのか?』という視点で、次代の市場は変貌を遂げていくに違いありません!認識転換をすることで様々なアイデアが生まれてくるのです。
消費の自由のいかがわしさ。
農業参入が企業の社会的使命となる
ゲゼルが見た減価する貨幣の様子
たとえば法定耐用年数を倍にすればメタル資源: リサイクルの課題もあるが、製品の「長寿命化」と「レンタル制」への転換が本質課題。
では、恒例の過去のエントリーです。
シリーズ「活力再生需要を事業化する」バックナンバー
 1〜活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること〜
 2〜ワクワク活力再生!〜
 3〜老人ホームと保育園が同居する施設『江東園』〜
 4〜企業活力再生コンサル〜
 5〜企業活力再生需要の核心は「次代を読む」〜
 6〜金融、ITビジネスはもはや古い?!新しいビジネス“社会的企業”〜
 7〜社会起業家の歴史・各国の状況
 8 〜社会的企業を支える「アショカ財団」〜
 9〜『生産の場として、儲かる農業』が、みんな期待に応えるのでは?〜
10〜就農定住の成功事例 山形県高畠町〜
11〜農業参入が企業の社会的使命となる〜
12〜農業は医療や教育と同じく人類(集団)にとって不可欠の事業であり、脱市場原理の最先端可能性といえるのでは?〜
13〜コンセプトは、『私、気付いたら就農してたみたいです♪』かな?
14〜【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(1/3)〜
15〜【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(2/3)〜
16〜【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(3/3)〜
17〜企業による自給自足の挑戦 −船井総研の農業研修−〜
18〜認識形成の場を供給していくことが、企業に期待されている〜
19〜次代は共同体の時代!〜

List    投稿者 tutinori | 2010-10-26 | Posted in 07.新・世界秩序とは?3 Comments » 

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コメント3件

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