2017-04-06

反プーチンデモと地下鉄爆破、ロシアで何が起きているのか

デモテロ

3月末にはロシア全土90か所で反プーチン大統領デモが発生、そして4月3日にはプーチン大統領のおひざ元であるサンクトペテルブルクの地下鉄で爆弾テロ発生と、ロシア国内でプーチン体制を揺るがすような事件が続発しています。一体何が起こっているのでしょうか。

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反プーチンデモと地下鉄爆破テロの背景には、金貸しを中心にしたグローバリズムを推進する勢力と、プーチン・トランプ大統領に象徴される反グローバリズム勢力の対立構造が存在しています。

今回のテロの原因となっている、イスラム過激派勢力の台頭は、アラブの春と言われる民主化運動の結果であり、アラブの春も、イスラム過激派も、シリア内戦も、グローバリズム勢力が仕掛けている現象です。

アラブの春は、民主化運動という側面もありますが、グローバリズムに反対する独裁政権を倒し、市場開放を行うことが最大の狙いだったと思われます。そして、その結果発生したシリア内戦の反体制軍を支援したのが、オバマ大統領時代のアメリカやEU諸国でした。アラブの春からシリア内戦へと至る流れは、グローバリズム勢力によって作られたものなのです。EUが積極的に難民を受け入れたのも、人道的な理由だけではなく、労働市場を開放し、グローバリズムを推進することも大きな目的の一つなのです。

これに対して、プーチン大統領、トランプ大統領は市場開放よりも各国の安定を重視する立場から、シリアでは独裁政権によるアレッポ奪還、停戦合意の道を選んだのです。これは、シリア難民などの移民の増大に反対する、EU諸国の極右勢力の期待に応える行動でもありました。

そして、今回のロシアでのやり口は、シリア内戦に至る経緯と非常によく似ているのです。アラブの春でも、SNSが火付け役になりましたが、今回のロシアの反プーチンデモに火を付けたのもSNSでした。そして、爆弾テロにはグローバリズム勢力が支援する反体制派勢力が関与していると思われます。

これまでは、イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領就任、ヨーロッパ諸国での極勢力の台頭、シリア内戦の停戦合意など、グローバリズム勢力がどんどん追い詰められてきていました。今回の、反プーチンデモも地下鉄爆破テロも、追い詰められたグローバリズム勢力の必死の反抗だと思われます。

これからは、国家間の対立という構図に加えて、各国内のグローバリズム勢力と反グローバリズム勢力の戦いが勃発するという複雑な構造になり、ますます、テロや内戦のような解決が困難な問題が増えて行くと思われます。

 

■地下鉄で爆発14人死亡 キルギス系の男、自爆テロか2017年04月04日

治安当局筋は実行犯の男1人が起こした自爆テロとの見方を示している。中央アジア・キルギスの治安当局関係者は、実行犯とみられる人物が同国出身のロシア人、アクバルジョン・ジャリロフ容疑者だと述べた。一方、自爆テロの実行犯がシリアの反体制派武装勢力と関係があるとの見方を示した。この実行犯がジャリロフ容疑者かどうかは不明。

■プーチン露大統領「中国のネット規制を批判すべきでない」2017年04月04日

ロシアのプーチン大統領は、全ロシア人民戦線のメディアフォーラムで、「中国のインターネット規制のモデルを批判すべきではない」と語った。「ネットの規制は社会の発展レベルに沿ったものでなければならない」との見解を示した。

■ロシア地下鉄爆発 10人死亡 プーチン氏訪問中に テロの可能性で捜査2017年4月3日

ロシア北西部にある同国第2の都市サンクトペテルブルクの地下鉄で3日午後(日本時間同日夜)、爆発があり、市当局によると、10人が死亡した。プーチン大統領は当時、サンクトペテルブルクを訪問しており、テロの可能性も含めて捜査すると表明した。

■<ロシア>反体制派を懐柔か 大統領選にらみ批判と対話2017年4月1日

ロシア各地で3月末に起きた大規模な反政府デモを受け、プーチン露政権は反体制派に硬軟両面の対応を示している。プーチン大統領自身はデモを「違法行為だ」と批判したが、側近は「政府と市民の対話」に言及。

■北極圏国際会議が一変、プーチン大統領が欧米批判2017年03月31日

各国の代表を前に北極開発への協力を呼びかける立場であるはずのプーチン大統領は、ロシアがおかれた政治的窮状を訴え続けました。「在アメリカのロシア大使との接触は制限されている。彼とのどんな動きもスパイ活動として、敵対的に受け止められ、これにはあきれます」(ロシア プーチン大統領)また、プーチン大統領はアメリカ大統領選への介入疑惑を改めて否定しました。

■プーチン氏、米ロ首脳会談「フィンランドはふさわしい場所」2017年03月31日

ロシアのプーチン大統領は、アメリカ・トランプ大統領との初の会談を行う場所としてフィンランドが「ふさわしい」と語りました。会談のためには「米ロ両国が準備を行うべき」だとして、それが行われれば「喜んで参加する」と会談に意欲を示しました。

■「プーチンのいないロシアを!」モスクワなどで大規模デモ 野党勢力の指導者が拘束される2017年03月27日

モスクワやサンクトペテルブルクなどロシア各地の都市で3月26日、野党勢力の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の呼び掛けで、プーチン政権の汚職に抗議する反政権デモが開かれた。ニューヨークタイムズによると、デモは首都モスクワのほか第2の都市サンクトペテルブルク、中部のエカテリンブルク、極東のウラジオストクなど約90カ所で実施。

■仏大統領選の極右候補ルペン氏、ロシアのプーチン大統領と会見2017年3月24日

プーチン大統領がルペン氏に対し、「今起きている出来事に対して影響を与えようとは決して思っていないが、パートナーである欧州の国々や米国と同様、われわれにはフランスのあらゆる政治勢力の代表と連絡を取り合う権利を有している」と述べ、「私は、欧州の政治勢力においてかなり急速に発展している一分野をあなたが代表していることを知っている」と語ったと伝えている。

■オランダ総選挙、極右の伸び悩み なぜ?2017年3月16日

極右政党が第一党になるか世界の関心が集まっていたオランダの総選挙は、ルッテ首相率いる与党が勝利し、「オランダのトランプ」と言われるウィルダース党首率いる極右・自由党は伸び悩む結果となった。ただし、自由党の議席自体は増えている。極右政党に対する一定の支持があることが改めて裏付けられたとも言える。

■エルドアン大統領、プーチン大統領の発表を伝える2017年3月12日

エルドアン大統領は、ロシア訪問の際にロシア側が、「我々がトルコに対抗して武装テロ組織を支持することはない。」と言ったと述べ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がシリアの国土の一体性に賛成しているとあらゆることに関して語ったと述べ、「プーチン大統領は武装テロ組織に対抗しており、特にトルコに対しこのようなことはしないと強調した。」と述べた。

■プーチンはシリアのISISを掃討するか──国内に過激派を抱えるジレンマ2017年03月08日

チェチェン共和国でテロ攻撃が増加している。ISISに参加していた戦闘員が、ISISの劣勢を受けてロシアに帰国しているからだ。ロシア政府はシリア介入の大義にISISの壊滅を掲げたが、ISISの掃討作戦が上手くいけばいくほど、かえってISISの戦闘員が逆流し、チェチェンの不安定な情勢に拍車をかける恐れがある。果たしてロシアはそんなリスクを冒しても、ISISを本気で壊滅させるつもりだろうか。

List    投稿者 dairinin | 2017-04-06 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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